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下がった「おっぱい」を上向きにする特効薬


記事:よめぞう(マーケティング・ライティング特講)

 
 
私の両手にズシリ、と2冊の重みが加わった。
 
そこには、6月17日に発売されたばかりの『READING LIFE 2017年夏号』と『READING LIFE 創刊号』があった。
 
やっと、やっとだ……
 
ようやく手にした嬉しさに、思わず涙がこみ上げてきた。
けれども、ここは福岡天狼院のレジの前。
いい歳した大人が泣くなんて……しかも、本を読んでではなくて買うときに。さすがにそれは恥ずかしいので、あと少しのところでなんとか思いとどまった。
 
「ありがとうございましたー」
 
スタッフの永井さんに見送られ、私は赤いレンガの階段を大急ぎで駆け下りた。そして、向かいの公園のそばに停めているプリウスに向かってもうダッシュした。日頃の運動不足のせいなのか、あるいは手にしたばかりの『READING LIFE』に対して興奮しているのか……すぐに息が上がってきた。
 
ハア、ハア……
 
どんなに息苦しくても、私は自分の足を止めることはしなかった。
1分でも早く、1秒でも早く読みたい。
その強い思いが私をプリウスまであっという間に運んでくれた。乱暴にプリウスへ乗り込むや否や、バタン! と扉を閉める音が車内に大きく響いた。
 
ちょっと興奮しすぎかな? いや、そんなことどうでもいいや……
 
エンジンをかけた。
興奮状態で息遣いの荒い私とは正反対に、プリウスはとても静かだ。
冷静に、私を包み込んでいる。なんだか「そろそろ、落ち着いてはどうですか?」と車に言われているような気がした。
 
確かに……一旦落ち着こう
 
静かな車内で一人、大きく深呼吸した。
乱れていた呼吸が少しずつ落ち着いてきた。
 
「さて、開けますかね」
 
一人でブツブツと言いながら、先ほど受け取った袋に手をやった。
そして、ようやく『READING LIFE 2017年夏号』に触れることができた。「雑誌」の割にはかなり分厚い。しかも装丁もしっかりしている。そして、表紙の美女がまた良い。
緊張のせいか、表紙に手をかける指が震えている。それは無理もない。なぜなら、私はこの瞬間をずっと心待ちしていたからだ。私は、半年ほど前に「天狼院書店」という存在を知った。それ以来、ずっとその無限大に広がる可能性の魅力の虜になっていた。Facebookのタイムラインに店主の三浦さんが大きな告知をする度に「うわーまた三浦さんスゴいのぶっこんでるわ」と叫びつつ、これが現実となったらどんなに楽しいんだろう、といつもワクワクドキドキさせられた。
そんなドラえもんみたいな書店が自ら雑誌を作るというなら、私にとって読まない理由なんて一切なかった。
 
そして私個人としてだけでなく、どうしてもこの雑誌を見せたいヤツがいた。
それは、私の「おっぱい」だ。
今、私がヘンなことを言っているのは百も承知だ。それでも私は自分の「おっぱい」にどうしても見せなくてはいけない理由があった。というのも、私の「おっぱい」はここのところ元気をなくしてしまっていたのだ。授乳が終わったせいもあるかもしれない。それにしてもひどく元気が無く、小さくしぼんで下向きに下がっていた。
 
「大丈夫? ここんとこ元気ないよ?」
 
と私がどれだけ尋ねても返ってくる言葉は
「ううん、平気。大丈夫」
 
とカラ元気の笑顔だった。
 
彼女がそうなったのは私のせいだった。
幼い頃は、同級生の男の子から「ベルリンの壁やな」と言われた私の「おっぱい」
それから思春期になっても恥ずかしがり屋だからか、なかなか前に出ようとはしなかった。歳の離れた弟には醤油皿を胸に当てて「これ、姉ちゃんのおっぱい」と言われたこともあったっけ。それでも少しずつ、確実に前へ、前へと出るようになっていつしか周りからは「意外とあるよね、胸」と言われるようになった。そんな彼女に私は少しお高いブラジャーを買い与え、手入れもしっかりしてあげた。そして、それに応えるかのように彼女はツンと上を向いた綺麗な「おっぱい」に見事な成長を遂げたのだ。磨けば磨くほど輝く達成感に私は満たされ、愛情をたくさん注がれて「おっぱい」は幸福感に満たされていた。私たちはとても良い関係を築いていた。
 
けれどもその関係は、あっけなく崩れてしまった。
私が妊娠〜出産を経ていくうちに、だんだんと「おっぱい」を気にかけることが無くなっていってしまったのだ。1日に何度も行う授乳にしっかりとしたブラジャーは不向きだった。家にいることが多いので身なりもさほど気にしなくなった。子育てにエネルギーのほとんどを費やしたので、いよいよ「おっぱい」にかける時間は以前に比べ明らかに無くなった。それでも、彼女は与えられた仕事を黙々とこなしてくれた。
そして、ようやく授乳が終わった今もそれが改善されることはなかった。
サイズが合わないブラジャーは、ワイヤーが少し食い込んでいる。授乳という大役を終えた後は、風呂場で娘が引っ張って遊ぶ「おもちゃ」に成り下がってしまった。それでも、彼女は文句の一つも言わず私に付いてきてくれているのだ。なんとも健気な話だ。にもかかわらず私はその優しさにあぐらをかいてしまっている。彼女が元気を失うのも無理はなかった。全ては私の怠慢だ。
 
だからこそ、どうしても『READING LIFE』の106ページにある「おっぱいは最強のコンテンツである」をどうしても彼女に見せる必要があった。
今さら、面と向かって「ごめんね」なんて言えない。
これは私にとって、彼女への謝罪のメッセージだった。
 
私は彼女とともに、意を決してそのページを開いた。
 
「うわあ、すごい……」
 
彼女がため息交じりにそういっているように聞こえた。
そこにあったのは紛れもなく美しい「おっぱい」だった。
エロというよりは神々しかった。
どの「おっぱい」も高飛車な感じはなく、むしろ凛としていてかっこよかった。
 
私は自分の「おっぱい」に目をやった。
フルフルと小刻みに震えていた。
 
「ごめんね」
 
「私の方こそ、ごめんなさい。ずっとうじうじしてて。でも、もう大丈夫。どんなことがあっても私はずっとあなたと一緒。また前みたいに前を向いて頑張るわ」
 
よかった……
 
ようやく私は胸をなでおろすことができた。
『READING LIFE』のおかげで彼女が少しでも元気を取り戻せたのなら、本当によかった。
そうだ、今度新しいブラジャーを買いに行こう。久しぶりに派手なのも悪くない。改めて「おっぱい」も含めて体づくりも頑張ろう! だいぶ怠けていたせいで色々とたるんでいる。
 
私と私の「おっぱい」は気持ち新たに、前に向かって歩き始めた。
少しだけ、垂れ下がっていた「おっぱい」が上向きになった気がした。
実は一つだけ彼女に内緒にしていることがある。
どうやら天狼院書店で「秘めフォト」と呼ばれるものが始まるらしい。
詳しいことはわからないけれど、少なくとも私の「おっぱい」は大喜びするということだけは確信している。
 
そして、もちろん私も……
 
 

【雑誌『READING LIFE』予約する際の注意と通信販売について】
いつもありがとうございます。雑誌『READING LIFE』副編集長の川代でございます。
『READING LIFE』は3,000部作りますが、発売日にお渡しできる分の数に限りがございます。確実に手に入れたい方はご予約をおすすめ致します。初回限定特典として、ご予約先着順にて、雑誌『READING LIFE創刊号』(2160円相当)を差し上げます。この創刊号のお渡しは、なくなり次第終了となります。ご了承ください。
また、万が一予約が殺到した場合、予約順でのお渡しとなりますのでご了承くださいませ。

店頭、お電話、メール、下の問い合わせフォーム、Facebookメッセージなど、あらゆる方法で予約受付致します。

 雑誌『READING LIFE2017夏号』2,000円+税
6月17日(土)19時から東京天狼院、福岡天狼院、京都天狼院各店にて発売開始・予約順のお渡し

今回は通信販売も同時に受付開始します。通販での受付も予約受付順の発送となります。PayPalでの決済完了時間が予約受付時間となります。
通信販売の場合、送料・手数料として500円別途頂きますが、その代わりに天狼院書店でご利用頂ける「コーヒーチケット(360円相当)」をおつけしますので、店舗に来る際に、ぜひ、天狼院でご利用頂ければと思います。
通信販売分は、発売日より、予約順に順次発送致します。

《一般・店舗受け取り》*雑誌『READING LIFE創刊号』つき
雑誌『READING LIFE2017夏号』2,000円+税





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雑誌『READING LIFE2017夏号』2,000円+税
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