メディアグランプリ

発症は突然に。


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記事:久保明日香(ライティング・ゼミ日曜コース)

 

朝起きてある人の事を想う。今日も元気かな。仕事、頑張っているかな。

そして四六時中思う。今度、いつ会えるかな。

私はとある人に片想いをしている。10年ほど前からタイプだなとは思っていたが、本格的に大好きだ! と認識してから、かれこれ5年が経っただろうか。

ただ残念なことに彼と私は住んでいる世界が違う。
彼の職業はアイドルなのだ。世の女性たちに夢を売っている。
そして私は彼を全力で応援するオタクなのである。たとえ住む世界が違っていても好きなものは好き。彼の存在は私の生きる目的だと言っても過言ではない。

私が毎日働くのは彼のため、オタク活動の資金を調達するためである。
CDやDVDが出た時は初回盤と通常版の両方を予約し、購入をしている。雑誌の表紙を飾った時には男性誌、女性誌問わず購入し、コンサートのチケットが当たれば地方へ遠征にも行く。交通費、宿泊費、食費……あぁ、グッズも買いたいな。その出費は年間で見るとなかなかの金額になってくる。

オタクと聞くと世の中には
「……えっ!?」
と構える人がいる。だがそんな人たちに私は問いたい。オタクの何がいけないのだろうか。オタクという単語に一瞬構えた、その自身も含め、だれもが皆、オタクになる可能性を秘めながら生きている。
この、“オタク予備軍”の数は近年増え続けていると言われている花粉症予備軍の数より多いはずだ。なぜならば、何らかの趣味を持っている人は体内で“オタク症ウイルス”を飼っており、それは日々、育っているからだ。

花粉症はある日突然、症状が出る。日中ずっと目がかゆくなり、鼻水が止まらなくなる。薬を飲めば多少は楽になるが薬が切れると再び症状が襲ってくる。

オタク症の発症はじわじわとやってくる。
趣味を突き詰めていくと「もっと知りたい!極めたい!」という欲求が大きくなっていく。知れば知るほど知識は専門的になってくるし、趣味を進めるのに必要な道具も出てくるかもしれない。お金を支払うところまで想いが到達してしまえばそこから先は転がり落ちるようにその趣味にはまってしまうだろう。

また、オタク症は性質が悪い。日中ずっと趣味(私の場合は彼)の事を考えてしまい、一度緩んだお財布の緩みを止めるのは至難の業だ。あれも欲しい、これも欲しいが次々と襲ってくる。そして厄介なことに治療法はない。うまく付き合っていかなければ生活になかなかの支障が出てくるのである。

「私は○○オタクです」
と言うのに抵抗がある人もいると思う。なぜならば、
「オタク=チェックシャツをズボンにイン! しているイメージ」
「リュックを短く背負っている人=オタクなんでしょ?」
「オタクってぼそぼそ喋ってなんだか気持ち悪い……」
などと考えている人が多く、どちらかというと世間一般としてはマイナスイメージを伴っている。

しかしそんな時代はもう終わった。今のオタクは明るく元気で行動的。オタクも時代と共に変遷を遂げているのである。アイドルを追いかけるオタクの生活はなかなか充実していると胸を張ってお伝えしたい。

好きな人に会うために働いてお金を稼ぐ。働く目的がはっきりとしていてどんなに辛い仕事もがんばれる。テレビの収録番組への参加協力やコンサートといった年に数回ある彼に会えるチャンス。応募をし、参加できる幸運の切符を手にした時には空も飛べるのではないかと思うくらい嬉しく、心の状態は自分の中で最も安定したサイクルに突入する。

彼に会える日は私にとってはデートのようなもの。その日に合わせて肌の調子を整え、髪を綺麗にセットし、可愛いワンピースを購入する。アクセサリーだって自分の中で一番お気に入りのものを着けて出かける。自分でいうのも何だが、現実世界で彼氏がいる女性よりもデート日に関しては入念な準備を行っていると思う。

この私の生き方を見て
「現実世界に生きるべきじゃない?」
「いつまでもアイドルを追いかける、そんな人生可愛そう……」
と心配されることもある。しかしもう私は一生抜けることのできないオタク症にかかってしまった。ブレーキはとうの昔に壊れている。可愛そうかどうかは本人の考え方次第! この世の中に好きな人が1人いれば人は楽しく生きていけると気づいてしまったのである。

「あなたの趣味は何ですか?」
そう問われて答えがぱっと思い浮かぶ人はオタク症予備軍である。その人の働く目的になり、生きる目的にもなるものがあればあっという間にオタクに早変わりできる。体内で息をひそめているウイルス。発症は、突然に。発症後はあなたにとってきっと、楽しい世界が待っているだろう。

 

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2017-09-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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