メディアグランプリ

サラリーマンに必要な物はすぐそこにあった


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記事:サンディシュガー(天狼院・書塾)

 
 
時々ふと思う。自分は一体何をやっているのかと。
のほほんと過ごした大学時代は遥か昔の話。
気が付けば就職活動の波に飲み込まれ、必死で「自分に出来る事、社会、仕事とは」と日々自問自答と自己分析を繰り返した末、今の会社に入社して8年が過ぎた。

仕事はかなりハードだが8年も続けるとある程度は慣れる。
会社の業績だって悪くない。
このまま定年まで働き続けることもできるだろう。

でも何かが違う。
学生時代に描いていた夢ややりたいことが少しずつ、でも確実に生々しい現実と生活感に押しつぶされていくこの感覚。会社勤めを経験している人なら経験されたことがある人もいるだろうか。

このまま、黙々と仕事をして、誰かと結婚して、ローンを組んで家を建てて、歳をとっていくのだろうか?
決して悪い人生ではない。だが、本当にそれで良いのか?
学生時代僕が欲しかった未来はこんな姿だっただろうか?

いつもはなんとなくやり過ごしてしまうこの感覚が今回はやけに気になった。
少し仕事量も責任も増え、精神的にも疲れていたのかもしれない。

別件で職場のある山口県から埼玉にある実家に帰る用事が出来たので父に相談することにした。会社は違うが、父も大学卒業から約40年、同じ会社に勤め上げたサラリーマンであり、管理職にまでなった男だ。

父親としてもらったアドバイスは子供の頃の記憶をたどっても役に立ったことはほとんどないが、仕事に関しては何か良い知恵を持っているかもしれない。
(なにせ、サラリーマン歴40年だ)

「ねぇ、サラリーマンに向いている人ってどんな人だと思う?」
晩酌でビールを飲む酒好きの父に思い切って聞いてみたところ、父はよくぞ聞いてくれたと言わんばかりの顔をして答えた。
「運のいい奴だな! 間違いない。逆に運の悪い奴はダメだ!」

心底がっかりした。何といっても僕の父だ。期待をする方が間違いだったかもしれない。
質問もやや漠然としたものではあった。
しかし、僕の仕事で最も大切な要素が運とは。悩みに悩んで相談した結果が「運」とは。
ふざけているなら反論も出来るが、ここまでドヤ顔で言われると会話を続ける気にもならない。

しかし、それから数か月後、思いがけない形で「運」は舞い込んできた。
いや、正確に言えば最初から持っていた「運」に気が付いたといった方が正しい。
内容は些細な事で、とあるプロジェクトがひと段落したため、主力となって動いたメンバーが集まり打ち上げを行ったのだが、この飲み会が思いの外、楽しかったのだ。

他部署の人達と連携することが多かったこの企画は、普段深い繋がりを持たないメンバーとも協力をする事が多かった。そのため、打ち上げでも普段一緒に酒を飲んだりすることのない人達と飲むことになる。

仕事の出来る先輩からそのモチベーションの基になる考えを聞き出し、プロジェクトを統括していた部長は組織の在り方を教えてくれた。更に同僚とは将来の目指すキャリアについて語り合った。

皆、明確なビジョンを持っている。本気で仕事に打ち込んでいる人は、答えの出ない所で迷ったり立ち止まったりせず、自分の出来る事を全力でやっていた。
嬉しかったのは彼らが僕の事を「一緒に助け合って目標を達成した仲間」として認めてくれていた事だった。

グズグズ言っている場合じゃない。
自分が働いて喜んでくれる人がいるならその仕事は全力でやる価値がある。
上手くいけばこうして「いい仕事をする仲間」に入れてもらえる。旨い酒が飲める。
それで十分じゃないかと思えてきたのだ。

こうして僕の社会生活、十数回目のモヤモヤ期は今回も無事過ぎ去ったのだが、これを救ってくれたのは他でもない、「良い仲間に巡り合えたという運」であった。

どうやら僕は「運」について過小評価していたみたいだ。
サラリーマンの「運」とは上司、異動や業務内容まで多岐にわたる。
自分でコントロールできるものなんてよく考えたらほとんどないといってもいいくらいだ。

しかしその「運」をチャンスと捉え、ものに出来るかは自分の心がけと日々の努力で十分可能だ。日頃から準備を怠らず、良い仕事をすればポジティブな仲間が寄ってくる。上司が耳を傾けてくれる。そして上司の目に留まればやりたいプロジェクトに推薦してくれる可能性だってある。

勿論、現実は厳しい。中にはどうにもならない職場だってある。
しかし、職場は人の集まりだ。一生「運」に恵まれない人はほとんどいない。
大切なのはその「運」に気付き、活かせるかだ。

幸い、僕は「職場の仲間という運」に恵まれていたことに気が付くことが出来た。
あの時の父の助言がなかったら見過ごしていたかもしれないと考えると今回は父に感謝をするしかない。

まさか、あのトンチカン親父に限ってこんな深い思想があっていった訳ではないだろうが、まぁいい。次の帰省時には山口の地酒を買って帰ろう。
そして父に伝えよう。
「どうやら俺はサラリーマンに向いているみたいだ」

 
 
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2017-10-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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