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その思いやりは誰のため?


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記事:永輝(ライティング・ゼミ平日コース)

 
 
週末に妻と5歳の娘と映画館へ。
家族そろって観に行ったのは「グレーテストショーマン」。公開されてからずっと観たかった作品。
うちの近所のショッピングセンターのフードコートには公開前や公開中の映画の宣伝を流すモニターがつけられている。週末に買い物に行って、お昼を食べたり、休憩をしたりするときに、映画の広告を観ることになる。短い予告編だが、特徴的な場面で作られた宣伝ばかりなので、コンテンツが良いと短時間でも十分印象づけられる。
 
絶えず流される映画の予告に娘が反応するのは、アニメ作品のみ。大人向けの映画で、私や妻が「これ、観たいね」 と話していても、全く興味を示すことはなかった。そんな娘が「観たい」 と反応した映画が「グレーテストショーマン」 だった。出演者が明るく楽しそうに踊りながら歌っている映像に心惹かれたらしい。
おもちゃ売り場やお菓子売り場に行って、「これ、欲しい」というのと同じ口からでまかせで言っているのかと思っていた。
ところが、今回は本気だったようで、映画の宣伝やポスターを見るたびに、「パパ、この映画観たい!」と
訴えてくるようになった。適当に返事をしていると「パパもこの映画観たくない?」 「ママもこの映画観たいと言ってたよ」とアピールしてくるほど。
一回だけでなく、何度も観たい観たいというので、家族そろって観に行くことにした。映画館のWebサイトを見て、何時に行くかを決めようと思ったら、近くの映画館では字幕版しかやっていないことに気づく。
「行くのやめる?」と娘に聞くと、「絶対に行く! 英語でも大丈夫! だって英語ならってるもん!」と強気の返答が。妻もそこまで言うなら、行こうというので、家族そろって行くことに。娘に説明するために声を出しても、迷惑にならないように朝一番の上映時間で後方の周りに人が少ない席にすることにした。
「本当に大丈夫かな、おとなしく見てられるかな」 と不安になりながら本編が始まるのを待つ。
 
始まってみると、親の心配は杞憂に終わった。初めのうちは、「こう言ってるよ」と細かに説明していたが、娘が映画を楽しんでいるのを邪魔していたので、黙ることにした。すると、娘は自分が分からない聞きたいことだけを質問してくるようになった。手短に説明してあげると満足したように映画の世界にもどる。映画の表現に合わせて、娘は笑顔になったり、手を叩いたり、喜怒哀楽をはっきりと表現し、心の底から楽しんでいるようだった。おとなしく見ている大人の方が映画を楽しめていないのではないかと思えるほど、良い反応をする観客になっていた。
途中で、「まだ、終わらないの」 とぐずることもあったが、話が変わり、興味を惹きつけられると黙って画面を見つめていた。彼女としては余分なコンテンツだったのかもしれない。よほど、映画が気に入ったらしく、エンドロールが終わり、劇場が明るくなるまで、席にいたほど。
 
映画が終わってからも余韻にひたり、ショッピングセンターの中で空いている場所を見つけては、ずっと踊り回っていた。あまりにも楽しんでいる様子に、本当に理解していたのかを試したくなった。YOUTUBEで「THIS IS ME」の動画を探し、娘に見せようとすると、「みんな怒っているから、この歌は見たくない!」と
見ることを拒否。
 
「この子は本当に分かっていたんだ」と思い知らされる。良いコンテンツは、言葉はわからなくてもちゃんと伝わるのだとも気付かされた。
「どうせわからないよ」、「本当にわかるの?」という思いは完全に親の傲慢だった。これまで、娘が理解しやすいようにと、親が良かれと思っていたことは、娘の成長を邪魔していたのではないだろうか、とはっとさせられる。まだ早い、もう少し大きくなってからとやらせなかったことがいくつあるのかは数え切れない。
興味を示しているのに、気づいていなかったり、忙しさにかまけて、興味を持って取り組んでいることをやめさせたりしていなかったかとも。
親としては子どもが失敗から学ぶものが多いのは理解している。けれども、できるだけ成功体験を多く積み重ねて欲しい思いがあり、不要な失敗はできるだけ避けさせたいという思いが強いのかもしれない。その結果として、子どもの成長の芽をつんでいたとしていたら、完全に本末転倒。この傲慢な親の思い。子どもの成長を思えば思うほど強くなる。映画を見て気付かされる。良いコンテンツの作品に出会えたからこそ、より親のエゴを考えさせられた一日であった。
 
 
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2018-03-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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