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ごめんの使い方を間違えている気がするんだよね


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:山田あゆみ(ライティング・ゼミ 特講)

 
 
気が付いたら、すみませんとか、ごめんとか言ってしまう。
そんなことがよくある。
 
すみませんも、ごめんも、便利な言葉だ。
見知らぬ人とバスの中で接触した時もすみません。
ちょっと間違えを犯したかなという時もすみません。
今の言い方は、ちょっとよくなかったかなという時は、ごめんね。
なんか、ごめんね。
もうちょっと、考えれば良かったね、ごめんね。
友達が疲れている時には、なんか疲れてるのにごめんね。
家族が車で迎えに来てくれたら、忙しいのにごめん。
 
一日の中で使っている言葉をカウントしたら、一番多いのはごめんとすみませんなんじゃないか、と思うくらい。
この言葉を連発していることがある。
 
そうして、それに気が付くと、あー、また楽をしてしまったなと反省する。
そう、謝るのって楽なのだ。
とりあえず謝っておけば、何となく相手の気分や気持ちを害さないような気がしてしまうし、自分が下手に出ている感も醸し出せるし、とにかく便利なのだ。
 
だから、本気で悪いなと心から思っていなくても、ごめんと言ってしまう。
いや、正確には、悪いと少しは思っているのだけど、その悪いなと思っているパーセンテージが例えば15パーセントとか、22パーセントとか、下手したら5パーセントでも、即座に気付くと、ごめんや、すみませんを口にしているのだ。
 
学生の頃、言われたことがある。
「すいませんばかり言って、そういうのよくないよ」
 
とても可愛がってくださっていた、レストランの方だった。
その頃、私は部活に所属していた。
試合に出るために、広告を企業に出してもらわなくてはいけなかった。
広告を試合のパンフレットに載せることで、お金をもらう。
そのお金が大会の運営費に回る。そんな仕組みだった。
 
広告費用を出して頂くのは、何だかとても申し訳なかった。
全国大会で、一地方のレストランの名前をパンフレットに載せたところで宣伝効果が高いとは全く思えなかった。
明らかに、レストランの方は私たちの為に、大学生を応援しようという、ボランティア精神で広告を載せてくれようとしていた。
ありがたい気持ちでいっぱいだったのに、出てくるのは恐縮の意味でのすみませんばかりだった。
 
すみませんを、重ねる度に、にこやかだった、レストランの方が顔を曇らせていった。
そして、とうとう、言ってくれたのだ。
それは、とても優しくてでも少し厳しい言い方だった。
 
そして、その一言は、自分の考えの足りなさに思い至るのに十分なインパクトのある言葉だった。
ものすごく、自分が情けなくて恥ずかしくなった。
あー、私、自分のことしか考えていなかったんだなと思った。
だって、私は、申し訳ないと言いながらも、結局はレストランに方に広告を載せて頂きたいという強い気持ちがあって、そこにいたのだから。
レストランにとっては、全然広告にならないから申し訳ないと本気で心から思うのならば、自分でバイトでもして、その広告費用を賄うとか、そんなことだって出来たはずなのだから。
それなのに、そんなこともせず、いい人のふりをしながら、実際は自分の利益だけを求めていた。
最悪だ。
なんて、卑怯だったんだろう。
 
すみませんじゃないのだ、応援ありがとうございます、頑張ります。
言うべきなのは、それだった。
優しい応援に報いることが出来るように、しっかり真面目に試合に臨むようにすることこそが大事だし、そしてその前にまずは、感謝の気持ちを表すのが大切なのに。
そして、お願いがあるのなら、真っ直ぐお願いするべきだったのに。
 
自分の欲しいものをもらう時に、どうしてもいい人を装わずにはいられなかったのだ。
 
もう二度と、こんな風に卑怯な手は使わない。
 
その時、そう固く思ったはずなのに。
 
今も、やっぱりごめんや、すみませんは、自分をいい人間に装う為に便利すぎて、ついついうっかり使ってしまう。
その言葉が適切でないタイミングで。
 
ただ、あの日以降は、そうしている自分に気が付く度に、私はこうやっていい人を装いながら、どんな魂胆を持っているんだろうと、そこに考えを向けるようにしている。
 
このいい人のふりは、無意識的すぎて、自分の本音やら、嫌な部分やらを覆い隠すのも、無自覚に行われてしまっているからだ。
 
ごめんねが多いな、あれ、と思った時にそうやって、自分を振り返ってみると、ちょっとかっこ悪い欲求を隠してしまおうとしていることが多いことに気付く。
 
究極、いい人でいたくて、嫌なやつだと思われたくないというところに辿りつくのだけど。
 
この癖はなかなか治らないのだけど、それでも、こうやって気が付いた時に、自分でそんな癖があることを自覚しようとすることで、ちょっとずつでもごめんよりありがとうや、他の言葉を増やしていけたらいいな、と思う。
 
いい人を装うよりもまず、他にすべきことがあることに気が付けたら、後は、それを優先的にやるだけなのだから。
 
完全にこの癖を治せなくても、ちょっとずつでも、自分の思う理想に近づいていけたらいいなと、考えている。
 
まだまだ修行が必要だけど。
 
 
***

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2018-03-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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