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事業計画書はデートプランのように


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:鈴木佳文(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「事業計画書なんて考えたくも無いんです。でも、融資を受けるには必要だと聞いて……」
セラピストとして起業したいという佐藤さん。
あちこちでダメ出しをされて苦しんだ方は、大体こんな切り出し方だ。
元気になって欲しいと思って、コンサルティングというよりはカウンセリングのスタンスで寄り添うことが多い。
 
僕は事業計画書の作成と実行のサポートをするプロとして活動している。
これまでに325件の融資申請をサポートして、実行率は100%。
でも、相談に来る人に僕を選んでくれた理由を確認すると
「掲載されている写真を見たら、優しそうだったから」
「コンサルタントっぽくないって友人に聞いたので」
といった返事が返ってくることが多い。
 
実績より人柄。
嬉しいんだけれど、ちょっと複雑な気持ちである。
そんな理由で相談に来る人は、大抵は最初から自信を喪失している。
 
実は、僕も事業計画書は大の苦手だった。
計画の進捗チェックは面倒くさいし、計画書を書く時間も勿体ない。
そもそも日記だって3日坊主どころか2日以上続いたことがない。
そんな僕だったから独立した当初は稼ぐどころか持ち出しが多かった。
日に日に減っていく貯金残高にため息をついたことは数えきれない。
 
「先生はどんな事業計画を立てているんですか?」
あるクライアントから指摘を受けて愕然とした。
指導している立場なのに、自分で事業計画書を作っていないじゃないか!
その時、どんな回答をしたかはよく覚えていない。
それから、自分で事業計画書を作ってみた。
苦手意識があるから、セオリー通りの事業計画書は作らなかった。
それでも、その年に目標金額を達成。
この仕事で食べていける自信が出てきた。
苦手意識が強かった僕だからこそ、事業計画書に苦手意識を持っている人に寄り添えるのだと思う。
 
相談に来た佐藤さんは、アロマを使ったセラピーで開業したいと考えていた。
自分が職場のストレスで苦しんでいる時に救われたから。
 
「お前は、家事に専念していればいい」
夫に相談したが、冷たい言葉が返ってきて協力は得られないと思った。
子供たちはもう手がかからない年齢で、一人で家にいてもつまらない。
だから、商工会議所で実施されていた創業塾に参加した。
 
「でも、専門用語だらけで何が何だか分からなくて……」
「講師がサポートしてくれなかったんですか?」
「創業はそんなに甘いものじゃないって怒られました」
運悪く、厳しい講師に当たってしまったらしい。
 
「それで、区役所の相談窓口に行ったんですが、そんなことでは事業にならないぞって怒られました」
たぶん、相談担当者は悪気なく改善点を指摘している。
それでも、彼女の耳にはもうダメ出しをしているようにしか聞こえないのだ。
 
夫にも、セミナー講師にも、相談窓口の担当者にも、ダメ出しをされて自信喪失状態。
その場面を思い出したのか、顔色が悪い。
 
「デートの計画って作ったことありますか?」
「え?」
「僕は、妻とは結婚紹介所で知り合ったんですが、婚活の計画書を作って活動してたんです」
婚活で56人とお会いした経験に触れると、結構食いついてくる。
「そういえば、夫とは職場恋愛だったんです。私から誘うとき、デートの計画を考えたことあります」
「計画を作るとき、楽しかったですか?」
うなずく彼女の顔に笑顔が戻ってくる。
「それって、事業計画書と同じなんですよ」
「うそ、事業計画書なんて楽しくないです。収支計画なんてもう見たくもない」
いぶかしげな表情の彼女に説明を続けた。
 
「まず、デートには目的がありますよね。彼氏にぎゅっと抱きしめてほしいとか……」
「え~!」と言いながら笑顔に戻る彼女
「で、目的の達成に向けて作戦を練るでしょう?」
「はい」
「デートのための予算を考えるでしょ?」
「もちろんです」
「事業計画も同じです。目的があって、目的達成に向けた作戦があって、必要な予算がある……」
「あっ! 言われてみればそうですね!」
「デートプランでは楽しいのに、事業計画では楽しくないっておかしくないですか?」
「そういえば、なんで楽しくないんでしょうね」
「旦那さんに冷たくされたってお話でしたが、まずは旦那さんに説明する事業計画書を作ってみませんか?」
「えぇ……たぶん理解して貰えないです」
「旦那さんが理解してくれないのに、金融機関は理解してくれるんですか?」
「……無理ですね」
「どうせなら、ワクワクして笑顔で語れるものにしましょう」
数か月かけて旦那さんに向けて説明するための事業計画書を作った佐藤さん、プレゼンの結果を報告してくれた。
「自宅サロンを目指すことになったんです。夫が収支計画は手伝ってくれるって言ってくれたんです!」
「まだ事業計画書は嫌いですか?」
「ワクワクするものだって分かったので、もっとしっかり作りたいです」
佐藤さんの満面の笑顔が、コンサルタント冥利に尽きる瞬間だった。
 
事業計画書は、自分が目指す世界を実現するために現状とのギャップを明確にして埋めていくものだ。
そこにはワクワクするストーリーがあって、楽しくなってくる。
事業を通じて自分が幸せにしたい人をどうやって喜ばせるのか。
それは、彼女や彼氏を喜ばせたい一心で考えるデートプランに似ている。
 
事業計画書はデートプランのように。
計画を語る本人が、心からワクワクして楽しそうに伝えていけば、自然と仲間が集まってくる。
冷たくあしらっていた旦那さんが「手伝うよ」と言ってくれたのは、事業計画を語る佐藤さんが心から楽しんでいたからだと思う。
きっと旦那さんは魅力的な妻に惚れ直したに違いない。
(実話ベースですが、名前は変えています)

 
 
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2018-05-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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