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我が家には14年生きてるコンチュウがいる


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事: 山本りか(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
我が家には、 3匹の こん虫がいる。
それぞれ種類も 大きさも ちがう。
 
共通点があるなら、それは、3匹とも
『つかみどころのない』ということだろうか
 
ま、 簡単 に言えば、
 
「わけがわからない」
 
という ことである。
 
1匹目の彼が一番長く わが家にいるのだが、
ふと気付くともう 14年目である。
彼が一番手がかかる。
本当に手がかかる。
 
思いかえせば、私が手をかけすぎたからかもしれない。
ある日突然家の中に卵があった。
匂いを嗅いだらいつでもゲロゲロなるし、
一瞬でもお世話を忘れるとひからびそうになるし、
朝から夜までずーっとかかりきりだった。
 
そうして生まれた彼は、
生まれる前以上に手がかかった。
トイレに行くときも常に一緒だった。
 
私も始めての彼育てなので、
今からは想像できないぐらいに手をかけた。
 
食事には手間と時間をかけまくり、お金もかけた。
体にいいと言われればお取り寄せもした。
山のような「育て方」の本も読みまくった。
よくある「かしこい育て方」みたいなセミナーにも行きまくった。
 
おかげで、14年たった彼は、
すくすくと育ってくれた。
 
でも、超絶にありえないぐらいにめんどくさい、
いや、手のかかるこん虫に育ちました。
 
手をかけたこん虫ほど
めんどくさいことはないなと思う今日この頃……
 
なにが大変って、こちらの言ってる事がおもしろいほどに伝わらない。
 
 
まだ小さい時に こんなことがあった。
公園にあそびに行った時のことである。
 
彼が公園で一番好きなあそびと言えば
 
「砂あそび」
 
世界で一番大きな公園に連れて行っても、
おそらくまず2時間は
「砂あそび」を堪能してから
公園の遊具であそび始めるに違いない。
 
大人でいうところの
 
「とりあえずビール」
 
とよく似ているが
この場合、彼だと
 
「とりあえず、砂場」
 
ということだろう。
 
夏の砂場は、 かなり過酷で、
どこかの収容所を思わせる。
屋根もなく、逃げ場がない。
とにかく熱い。
灼熱地獄を体験したい人は「夏の砂場」をおすすめする。
 
その暑い中、砂場にいる彼なんて、
一瞬でひからびてしまうに間違いない。
彼が生き残れたのは、
そう、全ては私のお陰で、
何度言っても日影に行かない彼のそばで、
ずっと日傘をさしかけていた私は本当によく耐えたと思う。
 
で、 「大好きな砂あそび」をする彼が
具体的に何をするかというと
「穴ほり」をず~っとする。
 
穴ほりする為に砂場に行って、
その穴ほりの為に何時間も日傘をさしかける私……
 
他の遊びをすすめても、全く動かない。
穴をほるのに理由はなく、
山登りが山を登る理由が
「そこに山があるから」と言うのと同じで、
そこに砂場がある限り、掘り続けなくてはならないらしい。
 
ごめん、全く理解できないよ。
何度もつぶやく私、「それ楽しいの?」
もちろん返事はない。
 
今だから なぜ私が理解できなかったのかがよくわかる。
そもそも、理解できるはずはなく、
そう思うだけでも彼にとっては迷惑な話だったに違いない。
 
もしも、当時の自分に声を届けられるなら、
理解する事が不可能な理由をたった6文字で伝えられるのにと思う。
 
すべての理由は「こん虫だから」たったこれだけの話
 
私は、こん虫を必死に理解しようと思って
今まで頑張ってきたのだけど、あの ムツゴロウさんや、ドリトル先生でも、
さすがにこん虫の気持ちや考えなんてを理解できないと思う
 
何時間話しても、
何冊もそのことについて書かれた本を読んでも、
そもそも、 理解できるはずがない。
 
「なんでそんなことをするのか?」
それは、彼にもわからない。
 
• なぜ、自分の物を借してあげないのか?
• なぜ、行き先きも言わずにフラッとどこかに行ってしまうのか?
• なぜ、お腹がすいたら暴れるのか?
 
答えは簡単 「こん虫だから」それだけの話
 
こん虫は人に借さないし、
フラッとどこかに行ってしまうし、暴れる。
 
理解することなんてできるはずがないし
こん虫に 理解してもらえるはずがない。
 
彼の行動に意味はなく、
おそらく、彼に聞いても説明はできない。
 
だって、 「こん虫だから」
 
何度でも言う
 
「こん虫だから」
 
14年生きて、まだまだそんな彼だけど、
「こん虫」だと思うと、なんとなく次の行動が予期できるようになり、
思いもよらないことを言い出しても、
納得できるようになった気がする。
 
これがよく聞く
「相手のことを受け入れる」ということなのかもしれない。
 
こん虫でも受け入れれた自分をほめてあげたいし、
こん虫でも受け入れられるよう な大きな器に成長させてくれた
14才中2の息子に感謝したい。
 

***

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2018-12-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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