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着物の魅力


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:椎木洋子(ライティングゼミ・日曜コース)
 
私の趣味は着物。
月に1回は、着物を着て出かけることが定番になっている。
着物って、成人式や京都観光で着るぐらいという方も多いのではないだろうか? 
私も記憶にある範囲では着物を着たのは、七五三や成人式。20代のころは全く興味もなく、まさか自分がこんなに着物にはまるとは思ってもいなかった。
きっかけは、職場の後輩の結婚式。年に何回も重なることも増えて、祝辞を依頼されることも増え、年齢相応に格好がつくようにと、結婚式には着物を選ぶようになった。自分で着られたら着付けの予約もなくて済むしと、節約のつもりで習い始めた。習ってみると、思ったより簡単に着られることがわかり、もう少し、もう少しと着付けが教えることができる資格も取れて、月1回は着物で出かけるようにすっかりはまってしまった。
 
こんなにはまってしまった着物の魅力。これって、カレーライスに似てると思う。
なぜ、カレーライスか?
それは、着物と帯っていう基本があり、バリエーションが無限にあるところが似ているから。
 
着物は、四角い布を縫い合わせて、それを体の形に添わせつつ、決まった工程で、いくつかの紐で結んでいく。長方形の帯で止めて固定する。そんな衣装がずーっと続いている民族は日本以外にはないそうだ。
着物の基本は、着物と帯。それに、襦袢、帯揚げ、帯締め、襟、足袋、草履など基本的に身に着けるものが決まっている。着付けの方法にはいくつかのバリエーションがあるけど、着付ける順番やポイントは同じなんです。
ただ、それぞれのパーツやその着方や組み合わせは自由度が限りなく大きい。
着物自体の柄には流行があって、時代によってその時の流行りの色や柄がある。今どきのデザインを選んだり、逆に古い時代のものを選んでアンティークっぽいコーディネイトととして楽しむのもアリなのです。最近では、シーンにもよるけど和洋折衷もOK。たとえば、着物にブーツとか、襟や袖にレースを持ってくるもの街歩きにはおしゃれかも。 
中に着る襦袢にも、いろんな色柄があって、ここは着る人のこだわりの見せ所になる。袖口や、裾がはらりとはだけた時ぐらいしか見えないのに、そこにどんな柄があったら可愛いか。ちらっと見えたら可愛いか。こういうのを考えるのが洋服にはない魅力だと思う。着物が好きな人には、なぜか猫好きが多い。なので、猫が隠れていたりするデザインがたくさんある。いっぱいある水玉のワンポイントがよく見たら猫になってるみたいなのが、全然外からはわからなくても、着物好きには見えないおしゃれで楽しいのです。
カレーだったら、隠し味に、ワインやチョコレートを入れたとわからないぐらいにこっそり入れてみたりする感じかもしれません。
帯は、柄や素材そしてどんな風に結ぶかによって、印象が大きく変わる。フォーマルだったり、可愛い感じになったり、粋な感じになったりとずいぶん変えることができる。
着物って深いな~と思うことは、毎回同じように着物を着たり、帯を結べない事。再現性がないってことなので、「これって着付けの技術が甘いのでは?」といえばそうなってしまうかもしれないが、これが私は面白いし、「もう一回。次、いつ着ようか」って、思ってしまう着物の魅力だって思う。
着る物は同じだけど、その時その時で印象が変えられる。一期一会って感じなのです。
微妙に違っていてもハズレや不正解がないのもいい。洋服では、そんなわけにいかないし、着るたびに違うように着る楽しみは、むしろあったら困る。毎回一緒もあり、違ってもありが楽しみになるのは、シンプルな形ならではの着物の魅力だと思う。
基本の着物や帯だけでもこれだけいろいろ楽しめるけれど、さらに、襟や帯揚げ、帯締めなどの小物で様々なバリエーションが楽しめ、印象を創る・変えることができる。それぞれの小物の色や柄をコーディネートしてもいいし、帯揚げや帯締めでは、結び方を変えることもできる。それぞれを変化させたら、どんな数の組み合わせで楽しめるのか。考えるだけでもワクワクしてくる。
着物の柄のデザインによっては、年齢が変わっても、よほど体形が変わらない限りずーっと着ることができる。洋服だと30代の頃に着ていたものを70代で着るのは難しい。けれど、着物だとそれが可能だ。今ある着物を自分が年を重ねたその時、どんな着方をして楽しんでいるのだろうか。それまでに重ねた年齢のように、今よりもこなれた味のある着方ができていたらいいと思う。
 
着物はカレーライス。ご飯とカレールーの基本形があって、いろんな具やトッピング、隠し味やスパイスの変化でバリエーションを楽しんでみる。カレーうどんみたいな異種の組み合わせもOK。
そんな、定番も応用もありの、着物の魅力をぜひいつか試してもらいたい。
買うまではハードル高くても、レトルトカレーぐらいの便利さで、旅行先でちょっと着付けなんていうのも、新発見があるかもしれません。
 
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2018-12-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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