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メディアグランプリ

長野選手はひまわり


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:mayu(ライティング・ゼミ土曜コース)
 
「mayuさん、長野選手が広島に行っちゃいます。内海投手に続いて、生え抜き選手がどんどんいなくなりますよ。ちょっとショックです」
 
数少ない巨人ファンである会社の仲間から、そう声をかけられた。
FA(フリーエージェント)宣言した広島の丸選手を獲得した巨人。人的補填として誰が広島に取られてしまうのかドキドキしながら過ごしていたが、2018年内には確定されず、モヤモヤして年を越すことになった結果、ターゲットは長野選手だった。

巨人ファンもだが、本人も相当ショックを受けているだろうと思い、今までは一選手として普通に応援していたが、人的補填の発表があった後、長野選手のことがとても気になってきてしまった。
 
人的補填のニュースがWeb上に多数掲載されるようになると、長野選手に関する記事は良いことしか出てこないことに驚いた。キャンプなどを観に行かれた方が書いているブログを拝見し、ファンサービスが本当にすばらしいということは知っていたのだが、そのほかにも、誰に対しても優しい、後輩思いで慕われている、こんな人格者はいないなど良いことばかり。外国人選手とも積極的にコミュニケーションを取り、チームの柱として信頼されていたらしく、数字以外に大きな影響を与えていた人だったのだなということもわかった。取材記者の方のお名前を覚えて記者の方たちも虜にしてしまうらしい。
こんなに良いことばかり書かれていると、ますます巨人にいてほしかったという思いが強くなってしまう。
 
野球の成績はというと、スロースターターなようで、シーズン前半はあまり調子が良くないことが多いようなのだが、2018年後半の活躍はすごかった。
 
私が観に行った東京ドームでの試合では、引退セレモニーを開いた大学の先輩、村田選手が使用していた登場曲を全打席で使用し、サヨナラホームランを打ち勝利をプレゼント。
私が観に行った神宮球場でのクライマックスシリーズ(セ・リーグ上位3チームによるトーナメント形式の試合)ではタイムリーを打ち、勝利に貢献。打率も3割を超えていて、打席に入ると打ちそうな雰囲気を醸し出していた。ここぞ! というときに頼りになる勝負強さを発揮しており、来シーズンの活躍が楽しみだなと思っていた。
そんな矢先の人的補填。
 
ここ数年は怪我に悩まされて成績も低迷気味ではあったのだけれど、それでも巨人入団9年連続100安打達成。これは長嶋茂雄選手の17年連続、原辰徳選手の12年連続に次いで球団3位の記録らしい。
最近はリーグトップの記録は残していないけれど、個人的にはシーズン後半は安定して活躍していたし、来年は復活してくれそうだと感じていただけに残念で仕方なかった。
 
ドラフト指名を2度拒否、3度目のドラフトで巨人に入団した巨人愛の強い選手が、広島へ移籍が決まった後、「強いカープに選んでいただけることは選手冥利につきます」とコメントを出した。
ドラフトを2度拒否した人が、この移籍を受け入れて大人として前向きなコメントを出す姿にちょっとやられてしまった。決まったことをグダグダ言っても仕方ないと頭ではわかっていても、なかなかできることじゃないなと思う。
 
自分だったらしばらくの間は愚痴を言っていそうだ。そういえば以前、会社のチーム編成が変わるときも、受け入れることがなかなかできず、同じチームの数人と一緒に、なぜこの編成にするのか理解できないと文句を言っていたことを思い出した。一意見として伝えることは必要なことで、すべて受け入れることだけが正しいとは思わないけれど、伝え方、考え方が大事だと長野選手のコメントを聞いて思った。
私もあの時、もう少し違う考え方をしていれば、あんな言い方はしなかったかもしれないと思ったのだ。
 
今、特に悪い状況になっているわけではないのだけれど、その時のチーム編成を発表した上長の印象は大きく違っていただろうと思う。今後、注意しようと肝に銘じた。
今回の長野選手のコメントから、自分のことを振り返るきっかけをもらった。
この前向きな姿勢がすごく刺さったし、大事にしなければと思ったのだ。
 
実際、長野選手は、広島という新しいチームにもすっと溶け込んで、生き生きとキャンプを過ごしているらしい。常に明るい方を見ているひまわりのように、周りの人を笑顔にしていく。前向きな考えを持つと人が集まってくると体現しているように感じた。
 
公式試合をチェックすると、運命のいたずらなのか、プロ野球開幕戦の広島vs巨人は、MAZDA Zoom-Zoom スタジアム 広島で行われることが分かった。広島カープファンはとても熱狂的で有名なうえ、地元での試合のため、球場は広島のチームカラーである赤一色になっていることだろう。
 
この日程は前から確定していたものなのだけれど、巨人愛の強かった長野選手が、新天地でどんな姿を見せてくれるのか、現地に観に行きたいと思う。競争率の高い開幕戦チケット、入手できるよう頑張ろう。
 
 
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2019-02-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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