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メディアグランプリ

ホスピタリティのなせるワザ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:山谷里緒(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「ねぇ、あなたはどんな男性がタイプなの?」
女性同士ならよく話題になるキーワードだと思う。その人をより知りたいときに何気なく聞いてみる話題だ。
私は、同僚のSさんに聞いてみた。
彼女は、「私は、ホスピタリティのある人が好きだな」と即答した。
 
Sさんは私と同い年で当時25歳。まだお互い社会人3年を過ぎたころだったが、同期の中でもずば抜けて仕事が出来た。
基本的な仕事は慎重でミスもなく、かつスピーディー。かと思えば、時に大胆なアイデアの企画を持ってきては、物おじせずプレゼンをこなし、周りを巻き込んで実現していく力を持っている。
営業担当だった彼女は顧客のじっくりと話を聞き、課題を見つけ、かゆいところに手が届くようなソリューションを持っていく。何よりどんな難しい時でも、いつも笑顔。
隙がない。まったく私のような底辺をうろうろしているような人間とは違って、確実に出世していくだろうと思われる人材だった。
 
そんな彼女が求める男性像が「ホスピタリティのある人」
私は正直意味が分からなかった。「ホスピタリティのある人」ってどんな人?
てっきり、優しい人、とか、仕事が出来る人、とかそんな答えをどこか待っていたのだろうか正直驚いた。
「ふうん。そうなんだね。へぇ」
よく意味が分からなかったから、そう答えてその場は終わってしまったが、ずっと引っかかっていた。ホスピタリティ??
 
それから10年以上が経ち、予想通り彼女は出世コースを邁進。
結婚して子供も二人産み、産休・育休を経てもマミートラックに陥ることなく順調に出世していく。変わらず営業職を続けており部下も大勢いる管理職だ。
彼女のインスタグラムには、可愛い子供たちと得意の手の込んだ料理の写真。育児に協力的な旦那さんと、おしゃれな家でのホーム―パーティーの様子が多く投稿されている。
なんというリア充!自己肯定感の塊のようである。
 
一方私はと言えば、結婚、子供を二人産んだのは一緒だが、出世どころか、時短勤務で一向に上がらない給料にウンウンうなるだけの平社員。旦那とは離婚寸前でもうすぐシングルマザー。
毎日必死なので、冷凍餃子、煮込むだけのうどん、焼くだけの魚(どれも美味しいから大好きだけど!)など人様にお見せできる夕飯なんて程遠い。
ホームパーティーなんて我が家には夢のまた夢、散らかり放題の家。
 
なんという差!! 高低差で耳がキーンとなるわ!! と思わず某芸人さんのように自ら突っ込みたくなるくらいの差がこの10年でついてしまった。
 
高低差著しい私たちだが、彼女は今でも私の大切な友人であり、会えばいつもニコニコしている。いつも私を楽しませてくれる話題も豊富で、とても楽しい。
妬んだりする隙もないほどである。
 
いったい、彼女にあって、私になかったものとは?
「ありのままの私でいいんだ。自分の機嫌は自分で取るから!」というのは逃げだと思っている。確実に私には決定的に足りないものがあったから今の結果がでているとしか思えない。
いくら自分を肯定的に見たところで、機嫌をとってみたところで、平社員のままだし冷凍餃子ばかりの食卓なのは変わらないのだ。
 
彼女が言っていた「ホスピタリティ」。これは単純に言うと「思いやり」とか「おもてなし」のことを指すのだが、当時25歳の時には分からなかったこの意味が最近ようやく、なんとなくわかってきた。
 
彼女が異性に関わらず、人に対して大事にしてきた概念がこの「ホスピタリティ」だったのだと思う。ホスピタリティがある人は、まず人に対して「喜んでもらいたい」という考えがあるようだ。思いやりも、おもてなしも、この考えがもとになっている。
そして見返りがない。
 
人に対して喜んでもらいたい、という姿勢は、結果的にその人を良く観察し、どうしたらその人に喜んでもらえるか、自分には何ができるかを考えることに繋がる。
 
私を含む多くの人は、友だちも恋人も家族も、つい自分にとって何をしてもらえるかという視点で考えてしまう人が多いんじゃないかと思う。
(私にとって)優しい人、とか、(私だけを)愛してくれる人、とか。
常に自分がしてほしい事の視点であり、「私に対して」という言葉が隠れている。
 
ホスピタリティのある人は、「してもらう」ことじゃなくて「してあげたい」という視点となるため、他人の行動の結果にあまり心を乱されない。自分がしたくてしているのだから。
 
私に足りないもの。まさにこのホスピタリティだったと思う。
いつも「どうして私はこんなに頑張っているのに、あなたは分かってくれないの」という考えを持っていた。結婚生活、私ばっかり仕事も育児も家事もやって、あなたは全然やってくれない!! と常に不満だった。
夫婦二人がホスピタリティを発揮できていたら、別に100%私が家事育児をやろうともそれは苦にならなかったはずだ。だってしたくてしているんだから。
相手もそういう人であれば、例え家事育児が全くできなかったとしても、きっと他の事でフォローしてくれていただろうし、それが伝わってお互いハッピーだったはずだ。
ホスピタリティ夫婦であれば、極論男は一切家事・育児をやらなくたって別に構わないのだ。
 
Sさんが25歳にして悟っていた「ホスピタリティある人がタイプ」に対して、今さらながら私も乗っかってみることにした。
まずは自分がホスピタリティある人間になれるよう、人をよく観察し、何をしたら喜んでもらえるかどうかの視点を大事にしてみようと思う。
ただし初心者なので、全員に対しては無理だと思うので、やはり、同じくその精神を持った人に対して全力で頑張ってみようと思う。
 
私はやっと今そのことに気付いたので、まだまだ時間はかかるかもしれないが、今後の自分の人生が楽しくハッピーになりますように! という暗示もあわせてかけてみて、追い上げをはかるつもりだ。
 
さて、上手くいくかどうかは、10年後のお楽しみ。
 
 
 
 
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2019-07-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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