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READING LIFE

NHK『プロフェッショナル』これが世界一のサービスだ/宮崎辰《READING LIFE EXTRA》

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僕は知らなかったのですが、サービスマンは本場フランスでは「メートル・ドテル」と呼ばれ、シェフと並んでレストランの顔となるのだそうです。

今回の主人公、宮崎辰さんは、コンクールで世界一になったメートル・ドテルです。

つまり、世界一のサービスを提供する男と言っていい。

 

恵比寿の三ツ星レストラン、ジョエル・ロブション。

恵比寿ガーデンプレイスのメインのように、アトリウムの奥に鎮座する、あの壮麗な建物です。

 

彼の得意とするのはお客様の「気持ちの先を読む」こと。

 

注文では客に手を挙げさせません。

メニューを見ている目線でタイミングを見計らい、ジャスト・タイミングで注文をとりに向かいます。

 

彼の頭の中には、すべての料理の調理時間が入っていて、店全体の司令塔となって、極上の時間を演出していきます。

それは20名以上のお客様の相手に同時に行うということです。

 

「先回りするとお客様は感動するんです」

 

と、宮崎さんは言います。

 

そんな宮崎さんでも、三ツ星レストランのメートル・ドテルに抜擢されたときは、どん底を味わったようです。

それまでいた職場とは、スタッフの質が違い、圧倒されます。

また、コンクールも近づいていたので、時間もありませんでした。

 

精神がバランスを崩し、精神安定剤を服用しなければいられなくなりました。

けれども、宮崎さんはあることに気づきます。

お客の前に立つときだけは体調のことを忘れていられるのです。

 

「客が、自分を生かしてくれる」

 

お客さんがいるから自分が生きられるんだ。自分の体の一部なんだ。

 

そこから、宮崎さんは本当の意味でのサービスのプロフェッショナルとなります。自分の生きる道を見出したと言っていいかもしれません。

 

サービスと良くしようと、口で言うのは簡単です。けれども、宮崎さんのように「先を読める」ようになるには、相当の経験と、それ以上に意識が必要なのだろうと思います。

天狼院が目指すのは、まさにサービス世界一の書店。

もっとも、最初は悪戦苦闘し、お客様に叱られながらでしょうけれども、世界一のサービスを提供するという意識があれば、必ずや達成できるものと思っております。

 

そこでも、やはり、お客様に育てられる書店という側面が、強く出るのだろうと思います。

 

今日の『プロフェッショナル』、本当に勉強になりました。永久保存版です。

 

ちなみに、プロポーズのサポートサービス、個人的にはプロポーズ失敗した時に宮崎さんはどう対応するのは、見たかったような気がします。


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