マーケティング・ゼミ

庵野秀明総監督の『シン・ゴジラ』を見てマーケティングが完全に変わると怖くなった。《天狼院通信》


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天狼院書店店主の三浦でございます。

断っておきますが、僕はエヴァンゲリオン信奉者でもゴジラ信奉者でもありません。

エヴァンゲリオンも、アメリカ版のゴジラも、それなりに観ておりますが、まあ、たぶん、僕より詳しい人は大勢いると思います。

実は、今回、僕が確認したかった点は「マーケティング」でした。もちろん、クリエーターとして「コンテンツの質」は気になっていましたが、それよりもはるかに「マーケティング」が気になった。

もっと具体的に言うと、誰があの「宣伝」を仕掛けたのか、ということがとても知りたかったのです。

宣伝用のCM、いわゆる「トレーラー」は、はっきり言って最悪でした。

やっちゃったなー感が満載でした。

あまりに前作とそのコアなファンに傾倒しすぎて、『スター・ウォーズ』的なことになるのではないかと思っていました。

ところが、封切りされてからの評判が、とてつもなくいい。

先日、天狼院では旅部というのにバスをチャーターして行ったのですが、そこでもフォト部の先生が、

「期待しないで行ったら、映画館がガラガラで、でも凄まじく良くてもう3回観た」

と言ってましたし、それに同調して、私も2回観ました、と熱狂的に言っているお客様もいらっしゃいました。

フォト部の先生は、とても映画に造詣が深い人です。
仕事がら、たくさんの映画を観ています。

その方がそこまで言うのなら、「コンテンツの質」はすばらしいのだろう。

しかし、だとすれば、なぜ、あの宣伝、トレーラーだったのか?

普通、ハリウッド映画において、トレーラーと言えば、ハイライト・シーンをつなぎあわせて、下手をすると実は本編よりも面白い場合があります。

それなので、トレーラーで最大限に期待値を高められて観に行くと、がっかりするということも多々あるはずです。

けれども、ネタバレしない程度にいえば、今回の『シン・ゴジラ』のトレーラーには、ハイライト・シーンが、ほとんどひとつも入っていませんでした。あのすばらしかったシーンの数々が、まるで入っていませんでした。
豪華な出演陣だけがクローズアップされ、お金をかけたのにやっちゃった感が満載のトレーラーでした。

ということは、仮説が2つ成り立つことになります。

1つめの仮説はこうです。

「コンテンツの質」がよくて、「トレーラー」が最悪だとすれば、もしかして、制作が間に合わなかったのではないか。
それか、トレーラーの方の制作陣が、完全にヘマをしてしまったのではないか。

つまり、「トレーラーの質」に関して、ミスをしたのではないかというのが1つめの仮説です。

庵野秀明氏は、今回は「総監督」となっていました。
監督ではない。
ということは、統制がとれなかったということもありえるのではないかと思いました。

または――

そんなことを前提として思いながら、僕は『シン・ゴジラ』を池袋の映画館で観ました。
月曜日の18:30からの回だというのに、ほとんど満席状態でした。

つまり、僕のように「コンテンツの質」がいいと何かで見て、あるいは聞いて、観に来た人が多いということでしょう。
注目したのは、女子大生と思われる二人組でした。

おそらく、ふつうなら、来る客層ではない。
若い女性のひとり客も多くいました。

ということは、バズ(口コミ)が思った以上に広く行き渡っている可能性がある。

ますます、2つめの「ある仮説」が正しいように思えました。

観てみると、たしかに、思った以上の出来でした。

何と比べて、と言われると、実は少々困ります。

なんというか、正直言ってしまえば、判官びいき的に「日本なのにハリウッド版に勝ったじゃないか」というのが強かったです。

やっぱり、ハリウッド映画は凄まじいと思うんです。この前観た『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』のほうが、あるいは面白かったかもしれません。(*この点については、今度始まる「マーケティング・ゼミ」で解説しようかと思っています)

ただ、間違いなく、「コンテンツの質」は高かったです。

まさか、ああいう展開になるとは、思ってもいませんでした。

映画の本編が終わって、僕が一番注意したかったのは、誰がトレーラーを作ったかです。
もっと言えば、誰が宣伝の担当だったかということです。

その人がとちったのか、あるいは――

そう思って、エンドロールを丹念にみていると、僕が探し求めていた箇所が流れて来ました。

「宣伝」

という文字が目に入りました。

そして、そのあとに続く名前を見て、僕はなんだか、怖くなりました。

その先頭には、こう書かれていたのです。

「庵野秀明」

そうだったのか、やはり、そうだったのか、と思いました。

僕が立てた2つ目の「ある仮定」とは、庵野秀明氏があえて面白くないトレーラーを作らせたのではないか、ということでした。

つまり、マーケティング戦略として、あえて、前評判を悪くしたのではないかと思ったのです。

そうでなければ、あのトレーラーと本編の「コンテンツの質」のギャップ、それに宣伝に「庵野秀明」という名前があった理由が説明がつきません。

要するに、こういうことです。

庵野秀明総監督は、相当に自信があったのだろうと思います。
あるいは、最初から、「コンテンツの質」を極限まで高める、という目標の元に今回の映画の制作を始めたのかも知れません。
もちろん、クリエーターは作品の質を高めることに注力するのは当然のことですが、それを超えて、マーケティング戦略を捨ててまで、いや正確には、マーケティング戦略を包含してしまうほどに、「コンテンツの質」を高めようと考えたのかも知れません。

つまり、「コンテンツ至上主義」の立場で、今回の『シン・ゴジラ』を総監督したのではないでしょうか。

それは、危険とも言える賭けです。

いくら、庵野秀明氏といえども、庵野秀明氏の作品だからゴジラも観ようと思うほどに財布が優しい人は、案外、多くはないでしょう。

そして、出版界はまさにそうなのですが、おそらく、映画館も封切りしてすぐの初速は気にするはずです。
これがダメな場合、早々に、作品がかけられるスクリーン数が減ってしまうことにもなりかねません。
書籍でいえば、発売からの売上の初速が悪ければ、売場の前線から下げられてしまうのと一緒のことです。

実際に、フォト部の先生が言っていたことが確かであれば、封切りされた7月29日(金)の時点では、劇場の多くはガラガラだったということになります。

それが続けば、せっかくの作品が広がらない可能性もあった。
相当のリスクがあったことになります。

それでは、庵野秀明氏は、何を考えたのでしょうか?

僕は、現代のバス(口コミ)の絶大なる威力を、庵野秀明氏は信じたのではないかと思うのです。

以前なら、発売日は決まっている映画の雑誌の書評や、新聞、その他の雑誌、決まった時間に流れるテレビの番組のランキングなどを参考にしている人が多かった。

けれども、今はどうでしょうか。

いいコンテンツがあれば、瞬く間に広がっていってしまう。

金曜日に封切りされたのに、3日後の月曜日にはガラガラだった映画館が満席になっている。

発売日や放送日を気にしていた時代では、到底考えられないことです。

このバズの爆発力を信じて、庵野秀明氏は、あえてトレーラーを「劣化」させた。
「劣化」させることによって、「本編」との大きな大きなギャップを作ったのではないでしょうか。

僕もそのくちですが、トレーラーを観て、はなからバカにしていた人は、あの「コンテンツの質」をみせられて、きっと、少なからず「返報性の心理」が働いたはずです。簡単にいえば、「バカにして悪かった、本当はすごかったんだな」と逆に応援者に回った。

そこまで見越して、あえて、トレーラーにハイライト・シーンをほとんど使わなかったのだとしたら、

前評判をあえて、コントロールしたのだとすれば――

庵野秀明氏は、一見、とてもリスクのある勝負に圧勝したことになります。

いや、まだわかりません。圧勝するかどうか、わかりませんが、おそらく、圧勝することでしょう。

なぜなら、バズは始まったばかりだからです。

あとひとつ、僕はマーケターとして、見守りたいことがあります。

たしかに現在のバズの伝達力はすさまじいものがあります。

けれども、ポケモンGOがそうであるように、流行は短い可能性も高い。

はたして、『シン・ゴジラ』のブームは、一過性のものとなるのでしょうか。

僕は、そうはならないと思っています。

庵野秀明氏は、続編を作れる可能性を残しているからです。

そこまで計算する庵野秀明氏なら、きっと、次の「第二マーケティング攻撃」も考えていることでしょう。

そんなこんなで、僕は、あのエンドロールの宣伝のところにあった「庵野秀明」という名前を見た衝撃は、一生消えないだろうと思うのです。あの衝撃だけでも、観た価値はあった。

そして、僕のクリエーターとしての仕事にも大いに参考にしたいと考えています。

そうです。今、用意している本は、すべて「コンテンツ至上主義」で行こうと決めました。

つまり、お客さんの目と感覚を信じればいい時代になった。

本当にいい作品さえ作れば、お客さんが広げてくれる。

そう信じて、僕も作品を作っていこうと思いました。

そうそう、最後に、ネタバレしない程度に本編の内容に触れたいと思います。

石原さとみの後ろ姿が最高でした笑。

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