私が小さな字でメモする理由
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記事：大津ゆり（ライティングゼミ・平日コース）
「ちっさ！」
私のメモをした紙を見た人は、みんなそう思うだろう。
そう思ってしまうのも、しょうがない。
だって実際、とてもとてもちっさい。
さっき測ってみたら、どの文字も平均4ミリぐらいしかなかった。
実際字の大きさを測ったのは初めてだったが、
「こんなに小さかったんだ！！」
と自分のことながら、驚いた。
こんなに字が小さいと
「精神的な問題があって字が小さいのかな……かわいそうに」
と思われる方も多いだろう。
そんなことはない。
私は、心身ともに健康だ。
しかも、元々こんなに字を小さく書く方ではなかった。
二年ほど前までは、どちらかというと字は大きい方だった。
また、ちゃんと書こうと思えば、大きな字で書くことができる。正式な文書等など多くの人の目に触れる時は、大きな字で書くようにしている。
人目がある時だけ大きな字で書くのは、多くのいらぬ憶測をされてしまうことを避ける為だ。
こんな私が、小さな字でメモをとるようになったのには理由がある。
いろいろと考えに考えて、普通より小さな字でメモを取った方が、私に多くのメリットがあると考えたからだ。
それを行動に移して、続けているだけなのだ。
そのメリットのいくつかを挙げてみようと思う。
まず、私が小さな字でメモをする一番の理由は、早く書けるからだ。
実際に小さな字を書く様子を想像してみてほしい。
小さく書くことで一画一画が短くなり、次の一画までの距離も短くなる。
「たかが一秒程度でしょ」
と笑う人もいるかもしれない。
ちりも積もれば山となるとはまさにこのこと。
早く書けることで少しずつだが、その分を他のことに時間をさける。
一年も続ければ、結構な時間を節約することができる。
私の場合、
「ちょっと頭の中を整理したい！」
と思った時はメモを取り出すことが多い。
考えてたことをメモ用紙に書き出しながら、考える。
小さな字でメモをすれば、早く書ける。その分考えられる。
ただ小さく書くだけで、考えごとがはかどるのだ。
他にも早く書けることで
大切な話を聞き漏らしにくくなるし、
話している方にメモをとる印象を残しつつ、話を聞いている印象も強められる。
早く書けることは、文字を小さく書くことの一番の利点だ。
次に、小さな字で書くことは、読まれにくい点もありがたい。
私の仕事は基本デスクワークだ。
しかし、遠くから
「すみません、ちょっといいですかー？」
と呼ばれて
「はーい」
と机を離れて対応すると、メモしている最中に席から離れてしまうことがある。
その際に、メモを閉じ忘れてしまうことメモしていた内容を通りがかった方の目にさらされてしまう。
別に見られちゃいけないものを書いている訳ではないから、人目にさらされても問題はない。でも不特定多数の人に見られるというのは、気分的にいいものではない。
ちいさな字で書いていれば、小さいので近づかないとみえない。
何となく見た人が、内容を読んでしまう確率を一気に落とすことができる。
最後に、小さな字でメモをとることで、同じスペースにたくさん書ける。
ここで一つ質問をしたい。
「何のためにメモを取っているのだろうか？」
メモをとる一番の目的は、「間違えないようにすること」ではないだろうか？
人間の頭はよくできているが、記憶に関しては曖昧だと日々痛感している。
特に
「私の記憶力はかなり低いんじゃないか」
と自負している。
実際、私の頭は数分前に聞いたことすらも不確かだったりするからだ。
そんな私でも
「メモを後で見返して確認する」
ただそれだけで、曖昧な記憶のみに頼ることなく、間違いを防ぐことができる。
この「メモを後で見返して確認する」時は、小さな字の方がメリットが大きい。
メモが長くならないので、検索性が増す。
物理的に小さいので、持ち運べるメモの量が増える。
紙自体のサイズを小さくできるので、どこでも出しやすくなる。
これだけ利点がある。
仕事中に、
「あのときどうやったか覚えてる？」
と操作の仕方を聞かれ、
「あれ覚えていない……」
と思ったその瞬間が、メモの出番である。
そんな瞬間に
「メモが重いので持ってきていなかった！」
「知りたい部分のメモが手元になかった！」
「確かに書いたはずだけどどこに行ったんだろう……」
では話にならない。
小さな字でメモをする事で、そういったことが減るだろう。
メモの本来の目的を、なお一層果たしやすくなる。
小さな文字でメモをとるメリットの一部を、紹介してみた。
このように小さな字でメモをとることは、意外と利点がある。
自分が確認する為のメモなので、自由に書いてかまわない。ルールなんてない。
ちょっと字を小さめに書くだけで、これだけの恩恵を受けられるなら、小さな字でメモを取ってみるのも悪くないんじゃないかと思いませんか？
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