不登校児の母
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記事:金子佳美(スビート・ライティングゼミ)
遠い昔の話だ
私は高校2年生の時、に学校に行くのをやめた
その当時は「不登校」という言葉は使われていなかった
なんて言われていたかというと、「登校拒否」大当たり! まさにそんな心境であった
それから四半世紀過ぎて、登校拒否学生は減ったのだろうか?
年々増加する一方だ。そんな中で「登校拒否」というよりも言葉を柔らかくして
「不登校」と世間様は、該当する人たちを柔らかい布で、包んで言いまわしてくれるようになった。
なぜか? その言葉の裏には学校へ行けない、学校へ行かないという不安感 罪悪感 世間体が蔓延しているからに違いない。
学校へ行かないのは、良くないことという風呂敷でくるんでいるからだ。
学校へも行かないでどう生きていくの?という将来の不安。
皆と違う行動をしている不安感。
怠けているのではないかかと思う罪悪感。
学生という身分で働きもしないでさぼっている罪悪感。
「あなたのお子さん不登校なのね」と言われたくない世間の目、世間体を気にしている。
これらはだれが抱いているのだろうか? もちろん当の本人も抱いているが、
母親がそう思っていることのほうが多い。
私は自分が不登校経験をしているにも関わらず、自分の子が小学校低学年で学校に行かなくなってしまった時は、うろたえていた。
不登校する側の子供と不登校される側の親の心境は別物だと知った。
「あの時私の母親はどれだけ心配したのだろう」と回想してみた。
しかし思い出して想像したところで問題は解決しなかった。
公的機関を使ってあの手この手でその場を乗り越えて、10か月後には学校に行くようになって安心した
しかし、数年たって別の子が不登校になった。
一度は不登校の子を持つ母親を体験しているのに、またパニックになった。
不安感と罪悪感と世間体が真っ先に天から降ってきた。
「もう学ばなければわからない」そう思った私は、無料の公的機関の相談ではなく
受講料を支払って心理学を学び始めた。
そして年々増え続ける不登校の実態を知ることができた。
日本が戦争に負けて、復興し、生産性をあげていくために、人は一つのコマのように働いていかねばならなかった。
そこで自分の考えを言い始めたら集団はまとまらなかったし、高度成長期と言われた時代は来なかったと思う。
日本が成長するための教育だったのだ。
集団を重視して、まとまりやすくして、個性を埋没させたほうが、コマのように人は動き、たくさんの物が作り出されていった。
個性を発揮するのは一部の起業家だけでよかったのだ。
紺色の制服はそんな意味が含まれている。紺は、自分を抑える心理が働くらしい。
しかし、21世紀は違ってきた。自分を大切にし、自分の使命にめざめ、自分の好きなことを追求していく時代の流れが始まった。
今のままの教育はどんどん取り残されていくだろう。その証拠に公立の校長先生クラスが、校則をなくし始めている。昭和では考えられないことか起き始めている
学校へ行かない子は、もうその流れを感じとっているのだ。
だから不安になることも、罪悪感を抱くことも、世間体を気にすることも何もないのだ。
むしろ今の時代に、無遅刻無欠席で学校にいく笑顔のない子を気にかけていく必要があると感じる
子供が学校に行かなくなった最初の不登校で、私は馬車馬のように働いていた仕事を辞めた。
辞めたというより、子供が学校へ行かなくなってくれたおかげで、辞めることができたのだ。
「鏡の法則」という本を読んだことがある、目の前に起こる現象はメッセージであり、自分の写し鏡なのだという。
その当時、私は仕事を辞めたいと思っていた。心の奥底で……けれど「辞めたいといえなかった」だから子供を通して辞めるチャンスをくれたのだと今になって実感する。
それは、今は当時とは全くちがった仕事をしているからだ。
それもワクワク楽しんでいるのである。そんな私の姿をみて、学校へ行かなくなったもう一人の子は、
「ママの年でよくそんなに夢中になることがあるね?」と不思議そうに言う
将来どう生きていくか? と10代で問われても、どれだけの人が答えられるだろう?
何が楽しくて、どう生きて生きたいか? わからないながらも、生きているのが10代だ。
競争に勝つために、親の顔色を伺ったり、人に褒められるために、成果を上げて認められるために心からやりたくてやっていなかったら、本当にそれでいいの?
集団の中に身を置いて、皆と同じことをして、そうしていることで、安心している若者が多いのは、自分が本当にやりたいことを見つけられないだけなのではないか。
心がワクワクしてやらずにはいられないことだったら、どんなことでもやる気がわいて人生楽しくなる。そうなると、世間体も学歴も不安感も罪悪感も、特大ほうきが一掃してくれるだろう。
学校へ行かない選択をする子供たちは、その第一歩をふみだしているのだ。逃げているのでもなく、根性がないわけでもなく、はっきりと「違う」と感じているのだ
だから、学校へ行かなくなった子を私は誇りに思う。
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