なぜ、ハゲている方が人生豊かになるのか
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:郡山秀太(ライティング・ゼミ日曜コース)
僕は、ハゲている。
福岡在住だった僕はある休日ランチにでかけた。
福岡市中央区にある大名といわれるエリアは飯屋がひしめいている。
さてさて今日は日替わりステーキにでもしようか。
愛車の自転車を停めるべく、駐輪場を探した。
道路の脇に駐車すると、すーぐ違法駐輪回収車に持っていかれちゃうので駐輪場に停めるのが無難だった。
お、いい駐輪場があるやん。
不思議と他の自転車はあまり停まっていない。
ラッキー!
「おおおおい! 停めんじゃねえよ!」
自転車を停めたとたんだった。
男の人に、すごい勢いで怒鳴られた。
「ここはヘアサロン○○の駐輪場なんだよ!」(看板を指差す)
確かに。ここヘアサロン○○の駐輪場らしい。
そしてこの男の人はその店の店員なんだろう。
「お前客じゃねえだろぉ!」
ごもっとも。ステーキランチ食べに来ただけですもの。
美容室専用駐輪場だったことは看板をよく読めばわかることだった。
そこに、客じゃないのに、自転車を停めようとした僕が悪いんです。
ごめんなさい。
そう言って移動した。
確かに。
僕はヘアサロン○○の客じゃない。
でもさ。ちょっと、おかしくない?
客かもしれないじゃん。
なにで判断したの?
ひとつしかないけどさ。
きっと、ヘアサロン○○の彼は一瞬で判断したのだ。
ハゲなど、ヘアサロンに来ないと。
きっと利用客じゃない人が停めることが多いのだろう。
たぶん少し離れたところから、自転車を押してウロウロしていたのを少し離れたところから見ていたに違いない。
うんうん。その気持ち、わかるよ。
でもちょっとへこんじゃった。
こんな怒鳴られたの、ひさしぶりだよ。
しかし、ボクはニヤリとする。
この話は鉄板トークのひとつだ。(おもしろくないっていわないで)
ハゲは父親譲り。DNAに刻まれているからどうしようもない。
高校1年の時はまだ髪はあった。ワックスをつけて毛先で遊ぶくらいには。
ただ父の背中を見ている僕は背中と一緒に見える後頭部・頭頂部について危機感を覚えていた。
高校3年のときだ。
友達がふざけて僕の頭をつかんだことは一生忘れない。
ただ頭をつかんだだけなのに、友達の手には5本以上抜けた僕の髪の毛が、からまっていたのだ。
さっきまでウフフと笑顔だった彼の表情は固まった。
「なんか、ごめん」
いや、謝るな。悲しいから。
ぱねぇ。
高校3年の時にはもう抜け毛が半端なかった。
僕は抵抗しなかったわけではない。
高校1年の初めてのバイトで、初めてもらった給料を迷わず育毛剤へ投資した。
小さいシャンプーぐらいの量が5000円ほどもした。
フサフサの人にはわからないと思うけど、育毛剤は高いのよ!
髪は熱に弱いと聞きけば、ドライヤーを使うことを自分に禁止した。
確かにドライヤーを使い終わった後はなんだか抜け毛が多い気がしていた。
髪が熱に弱い、その噂を聞いた瞬間、悔いたね。
郡山家の頭皮は、か弱いのだ。マッチ売りの少女のように。
なぜもっと暖かく手厚く保護していなかったのだろう。
もう後の祭だった。毛根は痛み死んでいった。
高校3年の「抜け毛約10本事件」以来、俺は決心した。
ボウズにしよう。要は丸刈りだ。
はじめに試したのは、かの有名な五厘。0.5mmのボウズだ。
これはビジュアルにかなりインパクトがあった。
見た目もいかつくなり、クラスの女子に話しかけられなくなった。(もともとだろ)
今度は3mmを試し、しっくりきた。
3mmと0.5mmのボウズの違いはわかるかい?
個人的感覚だが、0.5mmはなんだか悪いことしたような、無理やり刈られたような印象。
3mmは、みずからボウズになりましたよ。
そう、オシャレなのよ。
圧倒的にやわらかいイメージのボウズ。
それ以来、僕は3mmだ。
僕は3mmのボウズで薄毛だった。
ボウズは経済的にもいい。自分でカットできる。
「自分でカットしてるの?」といわれ「ああ、そうさ」と鼻息荒く得意げに答える。
散髪屋には15年は行ってない。ましてや美容室なぞ、皆無である。
1,000円カットが月一回だとして、年12,000円だぞ。
僕は、ポジティブだ。
ガラスの10代、確かにハゲに悩んでいた。
しかし、その悩みがいまの僕を作ったといっても過言ではない。
ハゲによるスパーリング。ハートをたくましくポジティブに育ててくれた。
ハゲていることは、人と少しだけ違う経験を与えてくれる。
先に話したような摩訶不思議エピソードだって味わえる。
話のネタにもできる。
さあ、ともにハゲライフを楽しもうではないか。
ってハゲライフなんや!
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