メディアグランプリ

まるで波紋~改めてブログを書き始めて気付いたこと


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記事:Masa(ライティングゼミ平日コース)
 
「さて、今日はどんなネタにしようかな」
私の一日が始まる。
平日は通勤時間に、スマホで、ニュース、Twitter、Facebook、と中国のSNSである微博をさっと眺め、自分が書いているブログへ寄せられたコメントの確認をする。
 
私は今、香港出身の俳優(男優)をテーマにしたブログを書いている。
 
10年ほど前にも、アジア映画関係のホームページを作ったりブログを書いたりしていた事があった。当時は毎日ネットで香港や台湾の新聞の芸能欄を覗いていた。思い返すと、気に入ったアイドルの近況などのリンクを貼ってただ自分の記録用にしていた感じだった気がする。それも、家族が病気になったのをキッカケに趣味に没頭している自分に罪悪感があった事や看病と仕事に集中するために、いつしか止めてしまっていた。
 
それから、芸能情報だけでなく、香港や台湾、中国の文化自体にも興味をもちはじめていた私に、2年ほど前、出会いが訪れた。
 
運命の相手となぜか中々出会えない。なぜかいつもすれ違い。そんなシーンをドラマで見かけたことはないだろうか。
 
偶然みたドラマの主人公だった香港出身の俳優(男優)、ウォレス・チョンを知った時、そんな気分になった。
 
私の場合は完璧な一方通行だけれども、彼を知った時、いつも近くにいたのに何故かずっと出会う機会がなかった、いつもすれ違っていた人に出会った気がした。
 
彼は芸歴20年のイケメン俳優。出身地の香港でドラマの主役としてデビュー。その2年後に台湾に渡り、歌手デビュー。その後アイドルドラマなどにも多く出演し、今は主に中国大陸で俳優や歌手、タレントとして活躍している。
 
なので、10年ほど前にネットで台湾や香港の芸能ニュースを追いかけていた頃に、彼は確実に台湾で活躍していたはずだった。
ドラマや映画の主役級になるアイドル、さらにイケメンならば、ほとんど、少なくとも名前くらいは知っていると自負していただけに、彼の存在を知った時に、名前さえ記憶になかったことに軽いショックを覚えた。
 
調べてみると、
彼の出演したドラマのタイトルは知っていたけれど、たまたま見ていなかった。
飛行機で彼が主役の映画を上映していたが、家族の感想がイマイチだったので見ないまま出演者にも気を留めていなかった。
また、主演映画を録画していたのにずっと見ていなかった。
特に驚いたのが、見ていた映画やドラマにちょっとした役で出演していたが、全然覚えていなかったことだった。まるでノーマーク。
私の意識の中で彼の部分だけが切り取られているのかのようだったし、まだまだ見ている世界が狭かった事も感じた。
 
知ってみると、彼の経歴はかなり興味深かった。香港、台湾、中国で幅広く活躍していたし、出演した作品の関係者も今まで見てきたドラマや映画などで見知った人が多かった。
それは私がずっと自分の中にため込んでいた情報とオーバーラップしていた。
 
そこで、彼を中心にして、再びブログを書こうと思い立った。
香港や台湾、中国の文化や歴史の情報、彼と共演した俳優や歌手についても幅広く書けそうで、彼自身がネタの宝庫のようだった。
おりしも、彼の出演したドラマが日本で放映され、目に留まった方には、彼の事や香港、台湾の楽しさなどが共有できるような気がした。
 
まずは彼のデビューからの経歴とエピソードを交えながら、コツコツ書き始めた。
 
日本語での彼のデータが少なかったので、久しぶりに中国語をじっくり読んで日本語へ変換していく。
手間はかかるが、まともな日本語にするには、パズルを解いているようでもある。香港、台湾、中国の文化や背景を補足しながら、あるいはドラマや映画では、その作品の時代背景や共演者、監督、原作者などについても話題は広がった。
 
さらに、彼は個展を開くほどカメラに凝っており、料理の腕もwebなどで披露している多趣味な人物だった。
なので、彼が撮影した写真集の見出しに書かれていた言葉を理解するために、カメラの専門用語を解説している中国語サイトを見つけ出し、日本語のカメラのサイトとにらめっこした事もあった。また、料理も、食材や調味料、その料理の歴史や背景などについて、料理のサイトを確認する。
本人のグラビアが出れば、そのロケ地や一緒に写っていた料理などについて調べる。
 
彼の中心にして、以前にブログを書いていた頃と違って、まるで水の波紋が広がっていくように、自分の領域が思っていた以上にどんどん広がっていく感じがした。
 
また、その広がりは、ブログに書かれたコメントもある。
投稿したブログ記事に、書き始めて2週間ほどして彼のファンの方達からコメントをいただくことが多くなった。そうなると他の方の意見や知見も加わり、さらに世界は広がっていく。
 
彼の誕生日が近づいた時には、彼の誕生日をファンだけで祝う会をしようということになった。ブログから直接会って誕生日会を企画するところまでの発展。
今まで何の接点もなかった方と一つの趣味から、知り合いになっていくのは、凄く不思議な感覚だ。
 
そして、2/16には、このブログを開設してから764日が経ち、1,080本の投稿をした。
ほぼ毎日、1回以上投稿している事になる。
楽しい事を誰かと共有したいという気持ちと、少し大げさではあるけれど、広がった世界の中で、鍛錬か修行を日々続けているような気分でもある。
 
そして、その作業は波紋の糸を抜いて布を織っていようにも感じる。
縦糸がブログの主役。そこに、香港や台湾、中国や、共演者の話題などを横糸にして、いただいたコメントも一緒に織り込んでいく。
あまり上手には、織れていないかもしれないけれど、色々な内容がまじりあった一つの布が日々出来上がり、また布を織るだけではない可能性も秘めている事を感じている。
 
この作業をいつまで続けるかは分からないが、もうしばらく続けてみたい。
そんな気がしている。
 
 
 
 
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2020-02-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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