自転車に乗れるなら素敵なフラワーアレンジメントを作る素質がある
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:中村はるみ(ライティング・ゼミ平日コース)
「私、センスないから……」
うちのフラワーアレンジメント教室に来る生徒さんが、必ず1回は言うセリフです。
素敵な花の作品を作りたいけど、イメージ通りにアレンジできなくて自信をなくしている生徒さん。
そんな生徒さんへは、決まって次の質問をします。
「自転車に乗れますか?」
たいていの生徒さんはキョトンとした顔をしながら、乗れると答えます。
乗れないと答えた生徒さんへは、「目を開けたままでいいので、片足で3秒立てますか?」と質問します。
今までのところ、全員の生徒さんが2つの質問のどちらかに、「はい」と答えました。
フラワーアレンジメントの悩みを相談しているのに、自転車の質問をされた生徒さんは不思議そうな顔をしています。
そんな生徒さんへ、私はゆっくり説明を始めます。
「自転車に乗れるか片足で3秒立てれば、素敵なフラワーアレンジメントが作れるようになれますよ」、と。
素敵なフラワーアレンジメントを作るために必要なセンスの正体は、“バランス感覚”であると私は考えています。
花のセンスとは色のバランス、花の大きさのバランス、花の向きのバランスなどを整えるバランス感覚です。
私達は日常生活の中で、無意識にいろいろなバランス感覚を発揮しています。
料理する時には栄養バランスを考えて献立を決め、味を調え、美味しそうな色合いになるよう盛り付ける。
これだけたくさんのバランス感覚を、それと知らずに使っています。
自転車や片足立ちができるなら、その生徒さんは基本的なバランス感覚を持っているということです。
つまり年齢や性別を問わず、たいていの方には素敵なアレンジを作る素質がすでにあるということになります。
だから私は自信をなくした生徒さんへ、この2つの質問をしています。
私がおすすめしているフラワーアレンジメントの挿し方は、基本型の中から一つの型を選び、全体のイメージを掴むために大まかに軸となる花を挿す方法です。
家を建てる時のように、選んだ基本形の大黒柱となる軸の花を先に挿して、全体の大きさや形を決めるのです。
そして色や花の配置など細部のバランスを整えて、アレンジを仕上げていきます。
最初から最後までバランス感覚を使っていくのです。
バランス感覚は人それぞれなので、その違いが個性として表現されます。
フラワーアレンジメントは個性の表現なので正解がなく、それが楽しみでもあります。
でも自分のセンスに自信がないと、この楽しみを堪能できません。
では、たいていの方にバランス感覚があるのに、どうして花のセンスに自信を持てないのでしょうか?
じつは花のセンスは持っているだけでは、なんの効力もありません。
ダイヤモンドの原石のように、磨かないと光らないのです。
花のセンス、つまり花に関するバランス感覚は鍛えないと発揮できないということです。
そして頻繁に使っていないと、すぐ感覚が鈍ってしまいます。
フラワーアレンジメントで使うバランス感覚は花の色や大きさに関係するものなので、一般の人で毎日使っている方はほとんどいないでしょう。
これまでの日常生活でもあまり使ってこなかった人の方が多いと思います。
そんな私達が、いきなり素敵なフラワーアレンジメントを作るなんて無理な話です。
花のセンスは実際に花を挿すことで初めて感覚が磨かれます。
多くの生徒さんにとって、完成形をイメージすることさえ最初は難しいと思います。
しかも花のバランス感覚は磨き続けないと維持できないもの。
ですから、「納得いくアレンジメントができないのは、あなたにセンスがないからではありません」と質問した後に生徒さん達にお話ししています。
ただセンスを磨く方法を知らなくいので、生徒さんはモヤモヤします。
頭の中のイメージを表現できなくてイライラしてしまいます。
そんな状況から生徒さんを脱出させてあげるのも講師の役目です。
誰もが花のセンスを持っていること、そしてセンスの正体であるバランス感覚を磨く練習が必要なことを伝えています。
ここまで説明すると、たいていの生徒さんは、自転車の乗れるなら素敵なフラワーアレンジメントが作れることを理解してくれます。
時に自分のイメージ通りに花が挿せなくて、自信をなくすこともあるでしょう。
でも忘れないでください。
自転車に乗れるか片足立ちができるのなら、あなたには素敵なフラワーアレンジメントを作る素質があるということを。
あなたに才能がなくて、満足いくアレンジが作れないのではありません。
普段使っていないバランス感覚を磨く練習と経験が足りないだけです。
フラワーアレンジメントを楽しみながら上達したいのなら、花のバランス感覚を磨きましょう。
もし自信をなくしそうになったら、自転車に乗って気分転換をしてください。
その気分転換が花のセンスを磨き、アレンジの上達につながります。
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