マザコン男との結婚は、時限爆弾のようだった
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記事:川島智賀(ライティング・ゼミ平日コース)
「お母さんとは、仲いいの?」
彼氏がマザコンかどうかの判断に、聞いてみる言葉だそうだ。
これにより必要以上に母親のことを話してくるようなら、マザコンの可能性は高い。
その前に真のマザコン男は普段から、聞いてもいないのに母親の自慢話やらを会話の中に挟んでくるらしい。
そして母親のことを「ママ」と呼ぶのだそうだ。
こういったネット上の情報を読んで「やっぱりなー」と腑に落ちている私の夫は、真のマザコン男だった。
結婚前から、ムードあるデートをしていても、ちょくちょく会話の中に母親が登場していた。
「きれいな景色ね~ なんか吸い込まれそうなくらい!」
「そうだね、昔、家族旅行したとき綺麗な景色を見て、ママさんもそう言ってたよ」
「……」
ここで気付くべきだった。
もっと分かりやすいのは、デート中に、
「今日はママさんが家に一人でいるから、もう帰るね!」
「……」
と、夕方にさっさと帰ってしまった。
いや、さすがの私もこれには納得がいかず、友達に相談をしたりしたが、もちろん友達は「そんなマザコン男はやめておけ」と忠告をしてくれたのだが、
恋は盲目なのか……
惚れた私がバカで結婚してしまった。
この時点で、時限爆弾のタイマーがスタートした。
結婚後は、いろんなアクシデントがあり結局、義母と三人で暮らすことになってしまった。
そのことに関しては致し方ないと思っている。
とりあえず子供が生まれるまでは、それなりに体裁を繕うように暮らしていた。
そんな日常の中で例えば、お茶菓子があって三人でお茶を飲むことになり、義母がお茶を入れてくれるというので、私はお言葉に甘えて待っていたら、義母は湯飲みを二つしか持ってこなかった。
あっ、自分の分は自分で入れなさいということだったのね、と思ったら義母は私のところに湯飲みを置いた。
どういうことか、つまり義母と夫は一つの湯飲みを共有してお茶を飲むということなのだ。
「親子で間接キスか!」
と正直思ったが、この程度のことでは驚かない、ある意味、異様な家族関係の毎日が普通になっていた。
時は過ぎ、私たち夫婦に二人の子供が授けられた。
今思えば幸せな日があったように思う。特に一人目の子供が生まれた時は、三人が協力し合って小さな命を育てていた。いつも四人が一緒にいた。
そして翌年、二人目が生まれ、小さな子供二人が家の中を駆け回る賑やかな日々が続いたが、不穏な気配は確実に忍び寄っていた。
夫は、私が実家に帰るのを良く思わない人だった。
今の時代では考えられないが、当時でも珍しい昔気質というか、女が嫁いだからには、よほどの事がない限り実家の敷居をまたぐな、という考えの希少な人間だった。
そう、面倒くさい人だったのだ。
そんな夫が、ある日、突然、
「実家のご両親に子供たちの顔を見せに行って来たら」
と言ったのだ。
「どういう風の吹き回し?」
と思ったが、私の親も大きくなった孫の顔を見たいと言っていたので、そうさせてもらった。
「久しぶりに帰るのだから、ゆっくりしておいで」
夫の優しい言葉に、うっすら涙さえ滲んだが、これがすべての始まりだった。
二週間の予定で帰っていた。
一週間が過ぎ、こちらの様子を伝えようと婚家に電話を掛けたが繋がらない。
朝掛けても、夜中掛けても、繋がらなかった。
心配になったと同時に不吉な予感がした。
この不吉な予感とは、一般に言う、何かあったのではないか、ということではない。
予感は的中した。
当時、婚家では犬を飼っており、家を空けるときは決まったペットホテルに預けていた。
私はそこに電話を掛けた。
「ご旅行にお出かけということでХ曜日まで、お預かりしておりますが……」
結婚して以来、夫と二人で出かけたことなどない。いつも三人でいた。
新婚なのにな~ と何度も思ったが、夫は義母を一人にはさせなかった。
たまには二人だけで出かけたいと、言ってみたが、
「ママさんが可哀想だろ」
「……」
もちろん、それは分かっていて結婚したのだ。
しかし、
しかし、
涙が止まらなかった。悔しかった。
どうして私や子供たちより、義母を大切に思うのか理解が出来なかった。
『それがマザコン男なのだよ!』
時限爆弾のタイマーが「0」になった。
この結婚は別れるべくして、別れたのだ。
マザコン男との結婚は、遅かれ早かれ離婚の道を辿るであろう。
今、結婚を前提にお付き合いされている彼がいるなら、マザコンか否かチェックすることをお勧めする。
普段から母親の話をしていないか
さりげなく母親の話を振ってみて、食いついてこないか
大事な決断はもちろん、小さな決断も母親に委ねていないか
最低これくらいのチェックは必要だ。
とにかくマザコン男は、母親を中心に世の中が回っている。
離婚した私は今、第二の人生を謳歌している。
一人でいることの気楽さや自由さは、病みつきになるので要注意! 笑
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