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今、だからこそ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事;布施京(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「あんたには、絶対無理よ」
 
大学卒業後の進路を親に聞かれ、勇気を出して「教師になりたい」と伝えた時の、両親からの言葉だ。
何気ない、親のそんな一言に、傷つく子どもは多いはずだ。
私もその一人だった。
 
私は、いつも自分に自信がなかった。
家では、末っ子の味噌っかす的な存在だった。
いつも、できのいい姉と比べられていると思っていた。
だから、やりたいことを堂々と言うことができなかった。
恥ずかしい。馬鹿にされるかもしれない。
私は、そんなふうにしか考えられない、小さな人間だった。
 
だから、家族から離れたくて、海外で働く仕事を選んだ。
 
「あんたは、逃げている」
 
姉に言われた言葉だ。
図星だった。私は、逃げていた。比べられたくなかったのだ。
 
それでも、海外の生活は心地よかった。
だから、私は10年間、海外で日本語教師として働いた。
ボランティア的要素も大きいが、やりがいはとても大きく、学生たちが一生懸命学んでくれるほど、のめり込んでいった。
しかし、結婚を機に日本に戻った。
 
子どもが生まれ、家族を養う、ということに重点が置かれる生活になった。
そして、また、比較される生活が始まった。そう思っていた。
 
帰国後、希望していない仕事に就いた。
家族を養うために働く。
それは、当たり前のことだ。
そう言い聞かせて、自分を鼓舞した。
 
「流されている」その表現がぴったりの生活だった。
ただ、仕事は忙しく、時間だけが急速に流れていった。
 
仕事を辞めるか否か、という選択の岐路に何回か立ったが、自分では選べなかった。
「今は、流される時なんだ」そう、思い聞かせていた。
 
やりがいのある仕事をしたい、目標を見つけて突き進んでいきたい、そういう気持ちはずっとあった。
しかし、家族のこと、稼ぎのこと、その他諸々を考えると、安定した職に就き、働き続けるしかなかった。そうやって、私は、逃げていた。
 
昨年、師走。
友人が、天狼院のライティングゼミを受講するから一緒にどうか、と誘ってくれた。
私は、いつか小説を書きたいという気持ちを、ずっと心の奥底に隠していた。
 
「これも、流されてみようか」
 
いつもとは違う流され方に、ちょっと楽しい気分で、家路についたのを覚えている。
翌日、私は、家族に相談もせずに、ライティングゼミに申し込んだ。
 
ライティングゼミは、通信でも受講可能なので、家族が寝ている早朝に受講した。週1回、2,000文字の記事を書く課題があった。自由課題なので、今までの自分の経験や思いが整理されて、私の日々の良いはけ口になっていた。そして、同時に、小説を書きたい気持ちが私の体を少しずつ蝕んでいった。
 
そんな時、ライティングゼミの次のステップにあたる、「ライターズ倶楽部」に入るための試験を受けてみてはどうか、と連絡を受けた。力だめしに受けてみると、思いがけず合格という連絡が来た。
 
どうするか。
 
夫に言ったら、きっと反対されるに違いなかった。
ライターズ倶楽部に入ると、毎週、5,000文字の課題提出があった。こっそり書くには難しい。「やっていけるだろうか」と考えたが、「やってみたい」気持ちが勝っていた。そして、天狼院には「小説家養成ゼミ」もあった。もう、学びたい気持ちでいっぱいになった。私は、全身でそれを求めていた。
 
新型コロナウィルス感染症の影響で、在宅ワークになり、残業がなくなった。
作ろうと思えば、自分の時間はもっと作れる。
今だからこそ、自分に投資をする時だ。
そして、自分を信じていれば、この投資の価値はものすごく上がる。
 
今を逃がしてどうするんだ!
 
だが、「小説家になる」なんて、それこそ馬鹿にされそうで、家族には言えない。
いつもの弱気な自分が顔を出した。
だけど、家族の了解を得て、ゼミを受けて、家で堂々と快く書きたい。
 
そして、自分を変えたい。
 
夜中2時。寝ている夫にLINEを送った。
自分の思いを伝えた。
 
小説家になりたくて、学ぶんじゃない。
小説家になるために、学ぶということ。
 
目標は定まった。それに向かって、突き進むだけだ。
久しぶりの充実感だった。
 
海外で、自分が日本語を教えることで、学生たちが、楽しそうに学んでくれるのがうれしくて、やりがいをいつも感じていた。あのときの、晴れ渡った充実感が蘇ってきた。
 
海外だから、居心地がよかったわけではなかったのだ。
自分が自分を認めてあげる。居心地いい場所を、自分が作ればよかったのだ。
 
そして、「周りと比べているのは、自分自身だったのかもしれない」そう思った。
 
本当は、誰も比べてはいなかった。
 
いつも、逃げていた自分。
その後ろめたさを、人のせいにしていたのかもしれない。
 
これからは、なりたい自分に、なる。
ただ、それだけだ。
 
 
 
 
***
 
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2020-05-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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