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自分で考えたことが答えになる


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:川﨑 裕子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「やっぱりちょっとシンドイな」
薄々分かっていたこととはいえ、ハッキリ言われると、こんな気持ちになる。7歳の娘が通っている学校は、自宅学習の期間を延長することになったのだ。つまり、このまま夏休みに突入してしまう……。周りは分散登校が始まっているだけに尚更辛い。
 
3月から娘が自宅にいる生活が始まって、自分の仕事の一部をストップした。娘が毎日家にいる状況では、今まで通りのライフスタイルを変えざるを得なかった。
 
私は、新卒から18年間続けた仕事を数年前に辞めた。夫の仕事の事情だったので、働きたいと右往左往していた。試行錯誤の末、昨年はなんとか仕事をスタートできた。やっと「コレだ!」というものを見つけて、軌道に乗り始めた頃にコロナの流行が始まった。
 
「私が家にいる時は仕事をしないで!」と娘は言う。娘の学校は遠隔授業があるのだが、その間はずっと隣に座っていて欲しいのだそうだ。そうキッパリ言える娘が眩しくも感じる。
 
娘の気持ちも痛いほどよく分かる。私が亡き母のことで思い出すのが、「あの時、一緒にいてくれても良かっただろう」なのだ。
 
でも、自宅で子どもの相手をしながら仕事をする立場となった今では、母の気持ちも分かるようになった。子どものそばにいてあげたいし、仕事も大事にしたい。母は母なりに折り合いをつけて、なんとか着地点を見つけてきたのだと思う。
 
コロナで仕事を一部ストップした時は、本当に苦しかった。子どもがいても仕事を続けている人はたくさんいる。私ももっと工夫すれば、ちゃんとできるのかもしれない。自分は努力が足りないのかなと思ったり、夫と協力できる関係がイマイチなのかなとも思ったりした。家族のために私が自己犠牲を払い過ぎているかなと自分を責めたくもなった。
 
一方で、娘の要求に応え、できるだけそばにいたいと思う自分もいる。毎日のように「コロナ、やだー」と娘は言っている。幼いながらにコロナに対して漠然とした不安を抱えているだろう。せっかくお友達もできて学校に行くのが楽しいこの時期に、自宅学習をしなければならないストレスもあるだろう。
 
でも、やっぱり私の人生もある。この堂々巡りを解消したかった。
 
そんな時、あるイベントで知り合いになった方からメッセンジャーをもらった。社会人大学生の彼女たち。私がしている活動についてインタビューしてくださった。
 
今の仕事と出会った経緯などを話していたら、楽しくなってきた。なんとか工夫してちょっと仕事を再開してみようかなという気分になってきた。
 
娘は遠隔授業、夫は仕事の平日の昼間はできない。
家族で相談して、土曜日の夜に開講してみることにした。
 
私にべったりな娘も「ママ、zoomやっていいよ」と言ってくれた。
 
人生は正解のない旅に出ているようなものだ。時代の状況によって、良いとされるものも悪いとされるものも変わることもある。だから、何が良いか悪いかの問題ではないのだと思う。置かれた状況は人それぞれだ。ジレンマを抱えながらも、今の自分ができることを精一杯やっていくしかない。
 
そう、「家族か仕事か」なんて、白黒つけて解決できる問題ではないのだ。「私と仕事、どっちを取るの!」なんて詰め寄るドラマが昔はあった。けど、今の世の中で答えを一つしか選べないなんてナンセンスな話だ。
 
私は、家族と仕事を天秤にはかけられない。仕事をしてないと社会の役に立っていないような焦燥感に駆られる。かと言って遠隔授業を受けている子どもをずっとほったらかしにもできない。だから私自身は娘との時間を大切にしながらも、やれる仕事はできるだけ続けるというスタンスを取ってみたのだ。
 
迷っていても、コロナで自宅待機していても時間は進む。モヤモヤしている暇があったら、とにかく今はバランスを取ってやってみよう。そう思うようになった。
 
2020年の今の私にできるベストな方法を選んでみたつもりだ。これが正解なのかは分からないけれど、自分なりに精一杯やっている。
 
結果を急いで求める必要はないのだと思う。未来がどうなるかなんて誰にも分からないのだから。
 
今分かっていることは、夏休みまで娘の自宅学習が続くということ。だから今は、あの時の母のように、私にできることをして生きていきたい。完璧ではないかもしれないし、何かが足りないかもしれないけれど、それでも自分なりに考えて決めていきたい。
 
生きている限り、この正解のない旅は続いていく。その時その時の自分が最善を尽くしそれが素敵な未来をつながっていくと信じて、一歩一歩進んでいきたい。
 
 
 
 
***
 
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2020-06-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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