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仕事を辞めて世界一周する必要がなくなった話


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記事:Hiroki(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
どうしよう、困ったことになった。
順調に進んでいたはずの計画が狂ったのだ。
 
本当なら、2年後には仕事を辞めて世界一周しているはずだったのに。
 
大学生の頃から、海外は好きだった。
 
何が好きなのかと聞かれると上手く言えないけど、あの空港の独特の感じとか、日本語の通じない世界とか、同じようなものでも微妙に味付けが違う食べものとか、そういった海外独特の何とも言えない感じが好きだった。
 
なので、大学を休学して世界一周の旅に出るというのも考えたことはあった。
でも、これ以上親にお金を出してもらうわけにもいかないし、「世界」というものに憧れは感じつつも海外に行くのは旅行くらいで大学生活が過ぎていった。
 
そうしているうちに、大学を卒業して就職することになった。
 
「社会人になったら海外にはなかなか行けないぞ」
昔、先輩がそう言っていた。
 
実際にその通り、就職してからは海外には年に1度いければ良いほうの状態だった。
 
でもなんとなく、1年くらい旅して「思いっきり海外に触れる」といった漠然とした目標みたいなものが自分のなかにあって、諦めきれずにいた。
 
そんな中、社会人になって2~3年立つと、周囲でも仕事を辞めて世界一周の旅に出る友人や、ワーキングホリデーで1年くらい海外に住む友人が出てきた。
 
それに影響もされて、自分もあと3年くらい働いたら仕事を辞めて世界一周の旅に出ようかな、とそう思うようになった。
 
そして貯金も始め、どのタイミングで行くか考えるなど計画を具体的にしていった。
 
そんなことを考え始めて1年がたつ、お金も貯まってきたし、計画は順調に進んでいた。
 
しかし、その計画は崩れることになった。
というより、もう仕事を辞めて世界一周する必要がなくなってしまったのだ。
 
きっかけはとあるブログ記事だった。
 
「週末だけで世界一周!」
そんな言葉とともに、普通に働いている会社員が週末だけで世界の様々な国に行っている旅行記が載っていた。
 
韓国や台湾はもちろん、タイやベトナム、アメリカやオーストラリアだって3連休があれば行けてしまうらしい。
 
実際にフライトを見てみると、確かに仕事が終わって夜に出発して、朝に現地に着ける便を使えば行くことができそうだ。
 
でも、そんな短時間で楽しめるわけがない。時間をかけて、現地の空気と文化に触れることこそが海外の醍醐味なはずだ。
 
そんな気持ちもあったが、ちょうど3連休があったので、オーストラリアに行ってみることにした。
 
オーストラリアの中でも有名どころを制覇しようと思って、シドニーとエアーズロックに行くことにした。
 
無事に仕事を終わらせて空港に向かい、飛行機に乗り、現地に向かう。
 
機内でもぐっすり眠れて、朝起きたらもうシドニーだった。
たしかに、これなら夜行バス感覚で行くことができる。
日本とオーストラリアだと時差もないので、思ったより体調もよい。
 
その日はシドニーで、オペラハウスやハーバーブリッジを見に行った。
おしゃれなオープンカフェでカンガルーの肉を食べ、スイカケーキも食べることができた。
ハーバーブリッジの夜景も堪能した。
 
まだ初日だけど、思い切りシドニーを楽しむことができた。
 
そして次の日はエアーズロックに向かった。オーストラリアは広いので、シドニーからエアーズロックも意外と遠くて飛行機で3時間くらいかかる。
それでも、昼にはもうエアーズロックに到着だ。
 
2日目、3日目はエアーズロックで過ごした。
サンライズやサンセットの鑑賞もあって、まさに朝から夜まで思い切り楽しむことができた。
 
ツアーに参加して歴史の話を聞くことや、周辺の景色もすべてが刺激的だった。
 
そして、3日目の夜にシドニー経由で日本に向かう。
遊び疲れて帰りの飛行機もぐっすり眠ることができた。
 
次の日の朝、日本に着くと仕事だったが、若干疲れは残るもののやはり普通に働くことができた。
 
長期休暇でもなく、有給すら使わないオーストラリアの旅は意外にも簡単で快適なものだった。思っていたようなせわしない感じもなく、現地の空気に触れてしっかりと楽しむことができた。
 
「週末だけでも、仕事を続けながらでも、存分に海外を満喫できる」
 
この旅をきっかけに、そう気づいてしまった。
 
そして週末や3連休を利用して、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシアなど気づいたら毎月のように海外に行くことができるようになっていた。
 
3日間で、オーストラリアのタスマニアにも行った。
 
そのうちに、「週末だけで海外を楽しめる」ことは自分にとって当たり前になっていた。
 
「週末だけでも自由に海外に行くことができる」
「仕事をしながらでも存分に旅を楽しめる」
 
それなら、わざわざ1年間も仕事を辞めて世界一周の旅に出ることなんてないのではないか。
 
行きにくいところだけ長期休暇で行き、あとは週末だけで行ってしまえば実質世界一周することだってできてしまう。
 
それなら、今の仕事は好きだし、わざわざ仕事を辞める必要はない。
 
世界一周に憧れ、具体的に計画をして貯金までした。
でも、「仕事を辞めて世界一周する旅」はもはや必要なくなってしまった。
 
だって、仕事を辞めなくても世界を旅することができるのだから。
 
順調に進んでいたはずの計画は、そんな意外なところで崩れ去ってしまったのだ。
 
自分が憧れていた「世界を自由に旅する」ことは、仕事を辞めなくてもすぐに手に入れることができてしまった。
 
だから、これからは仕事も旅もめいっぱい楽しんでいきたい。
 
そして、旅や仕事だけじゃなく、何かをするために何かを辞める必要はなくて、やりたいことは全部挑戦して、貪欲にいこうと思う。
 
とりあえず、今度の3連休はハワイにでも行こうかな。
 
 
 
 
***
 
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2020-07-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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