日本のサブカルチャーは世界をつなぐ
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記事:ごうだ さとし(ライティング・ゼミ日曜コース)
授業中、若者たちが目を輝かせて口々に言う。
「進撃の巨人は面白い!」
「ドラゴンボールが好き!」
「1リットルの涙は泣ける」
「ジブリ作品は大好き、特に千と千尋の神隠しは傑作だよ!」
「やっぱりポケモンだろ!」
普段、漫画やアニメやゲームにさほど興味がない私にとっては、背中に嫌な汗が流れる話題だ。
幸いジブリ作品や進撃の巨人は少しは話を合わせることができたが、1リットルの涙はタイトルしか知らず、適当に受け流した。
ドラゴンボールですら実はほとんど読んだことがないし、ゲームについては皆無だ……。
楽しそうに語る若者たちは、スペイン、イタリア、サウジアラビア、UAE、ブラジルなどから、英国の語学学校に集まった留学生だ。
世界のカルチャーについて論じ合う授業の中で、最もクラスの空気が盛り上がった瞬間だった。
彼らは唯一の日本人留学生である私に、同意を求めるかのように視線を送りながら、声のトーンを上げて
自分が知っている日本のサブカルチャーを語り続ける。
そういえば短期留学で滞在したこの英国の地方都市でも、数日前に立ち寄った書店には日本の漫画コーナーが設けられていて、「ONE PIECE」や「ジョジョの奇妙な冒険」をはじめ、何十種類もの単行本が翻訳されて棚を埋め尽くしていた。
さらに映画館では、ちょうどポケットモンスターの実写版映画が華々しく封切られていた。
こんなにも日本の漫画やアニメが、世界各国で認知されているとは思いもしなかった。
好き嫌いとか関係なく、もう少し漫画の大まかなストーリーや、ゲームのキャラクターぐらいの知識は入れておけば良かった……と痛感した。
それは逆の立場になって考えてみれば分かる。
例えばアメリカ人に「アベンジャーズ大好きなんだよ!」とノリノリで話を振ったのに、「私は観たことないんだ、ソーリー」と言われたらガッカリするだろう。
スペイン人に「レアルマドリーとバルセロナ、どっちが好き?」と訊いて、「サッカーはよく知らないんだ、ぺルドン」と答えられたらもう黙るしかない。
特に若い世代の人たちの間では、日本でイメージするものとして、漫画ややゲームは大きな役割を占めているのだ。
コミュニケーションを図るには欠かせない知識であり、ツールだ。
「あなたは何処の国の人ですか?」
海外に出れば、誰もがまず当たり前に尋ねられるだろう。
いきなり「何かスポーツやってた?」、「歳はいくつ?」なんて訊いてくる人はいない。
私が「JAPAN」と答える。
すると相手は、そこが北朝鮮でもない限り、表情が緩んだり目を輝かせることの方が総じて多い。
日本が多くの国や地域で知られ、好印象を持たれている証拠だ。
もっと言えば、JAPANと答える自分の声や気持ちも、一点の曇りもなくどこか誇らしげだ。
内情はどうあれ、世界において日本という国は、それなりに尊敬や憧れを持たれる国であることは疑いない。
かつての戦争や、バブル期に爆買い豪遊していた時代から、記憶はすっかり変換された。
そこから日本の話題が膨らんでいく。
こうした場面で上がる話題は、大概3つぐらいに絞られる。
場所、食べ物、サブカルチャーだ。
まずは場所。
東京や大阪、京都、北海道などは、観光地としても有名だ。
この質問に慣れたら、JAPANと答えると同時に、「TOKYO」と付け加えるのが親切だろう。
相手が日本を訪れたことがあるかどうかで、この話題の深度は変わってくる。
現地の観光ツアーに参加すると、旅の経験が豊富だったり、日本の情報に詳しい人もいて、日本人の自分ですら行ったことがない地名を言われて面食らうことがある。
日本をよく知ってくれていることに嬉しい反面、詳しく答えられないもどかしさを感じる瞬間だ。
思い返せば、日本の風景の象徴ともいえる富士山や、京都の仏閣などには、もう何年も行ってない。
実はいまだに伊勢神宮、出雲大社、原爆ドームも行ったことがない。
お恥ずかしながら、沖縄ですらない。
次に食べ物。
寿司、ラーメン、鉄板焼きなど、日本料理の店は今や世界中に展開されていて人気も高い。
特にニューヨークやロンドンといった大都市では、どこも一杯で入れないほどだった。
やはり日本の料理は、美味しく、見た目も良くて、安全で健康にも良いというイメージが定着していて、世界で求められているのだとつくづく感じる。
仮に海外からの客人を日本でもてなす場合に、レクチャーできる料理や、案内できる美味しい店ぐらいは、いくつかストックしておくのは賢明だ。
そしてもう一つは冒頭で述べた、漫画やアニメ、ゲームだ。
私にとっては苦手なジャンルだが、今後のためにも少しぐらいは勉強しておこう。
なぜなら言葉は通じなくとも、それぞれの国で背景や環境は違えども、漫画やゲームは確実に人と人とを繋ぐ架け橋になっているからだ。
よりグローバルに世界が広がってそれぞれの距離が近くなり、海外から日本にも多くの人々が訪れる時代になった今、せっかく興味を持ってくれた他国の人に、母国の魅力をアピールできないのは、とても勿体ないことだと思う。
昨年ラグビーのワールドカップが成功し、コロナで延期にはなったが、来年オリンピックが東京で開催される。
日本を訪れる多くの人たちに、日本を深く知り、楽しんで良い思い出を持ち帰ってもらおう。
そのために自分の国の歴史、地域、文化を知ろう。
ここで生み出され、世界で評価されるコンテンツを知ろう。
そうすることで、世界は互いに理解し合えるのだから。
***
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