ゴルゴ13と悟りをひらいた専業主婦は同じものを目指していた
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:西田千鶴(ライティング・ゼミ日曜コース)
ふうぅぅぅ。今回もなかなかの強敵だったぜ。額の汗を拭いながら、まるで暗殺者ゴルゴ13がミッションを終えたかのように私は独り言をつぶやいた。
現在、天狼院書店主催のライティングゼミを受講している。「人生を変えるライティングゼミ」という言葉に惹かれて、飛び込んだのだが、そこで待っていたのは、4か月間に渡って、毎週2000字程度の文章を提出し続けるという課題であった。
課題はただ出すだけではない。基準をクリアすれば、天狼院書店のサイトにアップされるのだ! ライティングのプロの方にチェックしてもらうこと。サイトに載せてもらうこと。そして、書いた文章に感想をいただくこと。今までにない経験に日々新鮮な喜びを感じている。
ところが私の場合、締め切りギリギリにならないとお尻に火が付かないのだ。締め切り当日になって、もぞもぞと動き出す。そして、日が暮れて暗くなってくると、ようやくスイッチが入る。その勢いのまま時間ギリギリに提出する、というサイクルを繰り返している。そのうちに、書く時にぐわーーーと怒涛のような集中力を発揮した後に、ポチっと送信ボタンを押して、出来上がった文章を送り出す、という流れが快感になってきた。まるで、ゴルゴが極限の集中力を使って標的を仕留めるように。
今回も、すっかりゴルゴ気分で締め切り10分前に提出をしたのだった。
「よし、今日も頑張った」
心地よい満足感に浸りながら提出した文章を読んでみる………と!???!!
文章を見て、全身の毛がよだった。
これじゃない!! これは私があれだけ気合を入れて送った文章じゃない!!!
目の前には提出したはずのもの全く違う文章が広がっているではないか。
心臓がバクバクする。あと、締め切りまで5分。私が書いた文章はどこだ? 焦って、自分が何をやっているのかわからない。指が汗で上滑りする。頭の中が真っ白になる。ああああ……。時計は無情にも締め切りの12時を指していた。
終わった。
がっくりと肩を落とした私の耳に悪魔のささやきが聞こえてきた。「まだ、12時になったばっかりだよ? しれっと再アップしてもいいんじゃないの?」「そうだよ、わかんないって。読んでもらえたらラッキーじゃん」
一瞬揺らぎかけたその時、最初のオリエンテーションで言われた言葉が割り込んできた。
「提出時間は厳守。1秒たりとも過ぎたら、読むことはありません」
そう。決まりは決まり。起こってしまった現実は変わらないのだ。
「おいおい、またそんなことで凹んでるの?」
ショックから立ち直れない私に、冷静な私が声をかけてきた。
そうだった。私には、8年をかけて叩きこまれた教訓があったのだ。
「結果が全て」
当時、3人の子育てをしていた専業主婦の私は、手に職をつけて社会復帰したいと願い、司法書士試験の勉強に励んでいた。その頃の口ぐせは、「だってしょうがない」だった。
「もっと勉強しなくちゃいけないけど、家事があるから、しょうがない」
「子供がぐずったら勉強ができなくなるから、しょうがない」
「勉強やりたいけど眠いから、しょうがない」
思うように勉強できない理由を並べて、自分を納得させようとしていたのだ。本人は大まじめに勉強しているつもりだったけど、無意識のうちに逃げる理由ばかり見つけようとしていた。
これじゃあ、いつまでたっても合格できるわけがない。
資格の勉強をするのなら試験に合格しなければ、勉強をしている意味がない。当日、採点者の前に出された答案のみが全てなのだ。
例え、体調が悪かったり、子供が熱を出して会場に行けなかったとしても関係ない。
「私、体調が悪かったんで、そこんとこ点数を考慮してもらえませんか?」とか、
「子供が熱を出したんで、日にちを変えてもらえませんか?」なんてことは一切考慮してもらえない。
当日に起こりうるトラブルさえも想定しながら、365日のうちのたった1日の試験日のために、1年をかけて、日々、勉強を積み重ねてエネルギーを貯めていく。だからこそ、本番で見えない力となって発揮されるのだ。
私は、一つの資格試験に7回落ち続け、8年目にして、ようやくそのことを悟った。
この世の中で生きていると、締め切りや合格点が目の前に立ちはだかることがある。
締め切りや合格点が制限となり、自分のやりたいことの邪魔をする。障害にしかならない。そう捉えると息苦しく感じる人も多いだろう。以前の私もそうだった。世の中、なんでこんなに制限があるんだろう。もっとやりたいことを自由にやらせてよ。と文句ばかりを言っていた。
だけど、もし、制限がなかったとしたらどうだっただろうか? おそらく私は、いつまで経っても、合格できる程の知識を積み重ねることは出来なかっただろうし、今のライティングゼミにしても、ゴルゴ並みの集中力を発揮することも出来なかっただろう。
制限があるからこそ、がんばれる。制限があるからこそ、自分らしさを発揮することができる。制限があるからこそ、力を蓄えて大きくジャンプすることができる。そして、乗り越えた時、そこには今までに想像もしていなかった世界が待っているのだ。だからこそ、大いに制限を楽しもうじゃないか!
今の私は、締め切りに間に合うべく、必死にこれを書いている。今日こそは、ちゃんと標的を仕留めることができますように。
***
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
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