「好きこそものの上手なれ」 幻想に惑わされず 「好き」を生きる
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:さくらしおり(ライティング・ゼミ5月開講通信限定コース)
ふと、気づくと、明日が、自分の誕生日だった。
最近は、自分の誕生日ですら、うっかり忘れてしまいがちになる。
幼い頃は、誕生日と言えば、年に一度の一大イベントだったのに。
30歳を過ぎた頃だろうか。
日常生活が慌しくなったのをきっかけに、誕生日を、あまり意識しなくなった。
ある時、友人と旅行に行った先で、年齢を記入しなければならないことがあった。
隣を見ると、同い年のはずの友人が書いている年齢と、私が書いている年齢が違う。
私が、一歳、多く間違えていたのだ。
その時、「私は、本当に、年齢に興味がないのだな」と思った。
「はて、今は、何歳だっただろうか?」
いつも、1歳、多かったか、少なかったか、あやふやになる。
そんな時を、随分長く過ごしていた。
けれども、今年は、そんな私にとっても特別な年。
誕生日を忘れそうにはなったが、何を隠そう、今年は節目の歳だ。
今働いている会社では、節目とされる年齢になると、長期休暇を取得できる。
自らの今後の人生を考える機会にあてるのが目的だ。
1ヶ月の休暇を取得予定だったので、海外旅行をして視野を広げようか、趣味の習い事を極めようか、色々と検討していた。
けれども、コロナ禍によって、計画が狂ってしまい、休暇は延期することに・・・・・・。
来年度は、無事取得できるだろうか。
とはいえ、今年が、私にとって節目の年であることには変わりがない。
「これからどう生きたいのか?」
「どんな人生を過ごしたいのか?」
休暇は取れないが、考えてみる。
振り返ると、今までは、人のことばかりに、力を入れすぎていたように思う。
人のことに、時間も労力も使い、ヘトヘトになって、自分のことが、後回しになっていた。
また、人の目を気にしすぎて、自分を押し殺していたとも思う。
何事においても、「世間の常識」が基準だった。
「~しなければならない」、「~した方が良い」というのが口癖。
「しかし、そんな調子で、人生が終わってしまっても良いのか?」
「一度きりのこの人生、死ぬ間際に、それで後悔しないのか?」
自分の心に、聞いてみた。
すると、答えは、「NO」だった。
きっと、今のままでは後悔する。
「私は、これからどう生きたいのか?」
「私は、どんな人生を過ごしたいのか?」
今までの「こびりついた考え方」を変えるため、まずは、主語を「私」にしてみる。
そして、「~なければならない」「~した方が良い」は使わず、「~したい」を使ってみる。
しばらく考えて、返ってきたのは、
「誰でもない自分の人生だから、自分が主役の人生を生きたい」
「自分の一番身近にいる自分が、自分を一番大切にしたい」
という言葉だった。
自分が主役といっても、自分さえ良ければ良いと、自己中心的になるのではない。
あれがしたい、これはしたくないと、我がままになるのでもない。
周りの意見も耳に入れる。
けれども、周りに遠慮して、周りの声を優先して、自分だけを犠牲にするのは、もう違うと感じる。
周りも良い、自分も良いの「WINーWIN」の関係が理想的。
そんな風に生きたいと思った。
そして、つい忘れてしまいがちなこと。
それは、私たちの命は、限られているということ。
人生が終わるのは、明日かもしれないし、10年後、20年後かもしれない。
分からないから、いつまでもあるように、錯覚してしまう。
平均寿命くらいまでは生きられるだろう、なんて都合よく思ってしまう。
けれども、生まれたからには、皆、いつかは死ぬ。
いつまでかは分からないが、限りがある人生という舞台に立っているのだと思う。
それならば、「~しなければならない」「~した方がいい」に、嫌々、時間を使いたくはない。
「~したい」という気持ちが湧き上るもの、「好き」や「楽しい」に、より多くの時間を使いたい。
「好きこそものの上手なれ」という諺がある。
どんな事であっても、人は好きなものに対しては、熱心に努力するので、上達も早いという意味だ。
「好きこそものの上手なれ」で、自分の好きや得意を、伸ばす。
そして、自分が好きなこと、得意なことで、人の役に立ったり、喜んでもらえるのであれば、とても幸せだ。
誤解を恐れずに言うと、自分が苦手なことを、克服したい、やり遂げたいと思ってやるのなら別だが、嫌々、無理やりするのであれば、その時間はもったいない。
苦手なことは、自分がやらなくても、どこかに得意な人がいる。
どうしてもやりたくない、出来なければ、自分は、自分が出来ることをして、出来ないことは、出来る人に任せる方法もある。
主婦は、家事が出来なければならない、一家の主は、外で働かなければならない。
女性は、こうでなければならない、男性は、こうでなければならない・・・・・・。
これらは、すべて社会が作った幻想ではないだろうか。
また、何もかも出来る「万能」が素晴らしいと思われているが、果たして、「万能」を目指す必要はあるのか?
出来る、出来ないのデコボコがあっても、それが個性なのだから。
個性があるから、補いあえる。
それぞれの好きや得意で補いあって、社会が回るなら、それで良いんじゃないか。
そうすれば、もっと、生きやすくなるのではないか。
そんな風に、思ったりする。
残りの人生、私は、私の好きなことに、より多くの時間を使って生きたい。
そして、それが、いつか人に喜んでもらったり、人の役に立てれば、とても幸せだ。
節目の誕生日を前に。
社会の幻想に惑わされず、自分の「好き」を生きる決意を新たにする。
***
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