メディアグランプリ

運命のダイエット法は、意外な場所に落ちていた。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:かなたあきこ(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
残暑厳しい、8月下旬の某日。ついに私は“運命のダイエット法”に出会ってしまった――!
 
アラフォーと呼ばれる年代に差し掛かった頃から、炭水化物と糖質をできるだけ制限する、いわゆる糖質制限ダイエットを始めてかなりの年月になる。「1食抜くと、1kg落ちる」なんて、そんな時代は当の昔に過ぎ去り、以前よりかなり食事の量も減らしているにも関わらず、体重が減らないばかりか増える一方。基礎代謝が落ちるとはこのことかと、まざまざと実感させられる日々が続いていた。
 
そこへ、この春のコロナ禍である。
育ち盛りの小学生の子供二人と夫が在宅となり、家族四人がそろってお昼ご飯を食べなければならなくなったのだ。それまではおひとり様ランチをいいことに、糖質ゼロ麺などのダイエット食材が中心だった私の昼食事情が一変した。
子供が好んでパパっと用意できるお昼ご飯といえば、やっぱり麺料理一択である。うどん、パスタ、焼きそば、ラーメン。これらを家族全員分日替わりでこしらえるだけでへとへとで、さらに自分専用のダイエットメニューを作る気には到底なれない。
 
早々に白旗をあげた私は、「どこにも行けず、食べるしか楽しみがない」という大義名分を引っ提げて、ランチで炭水化物を大量摂取し続けた。コロナ禍という未曾有の出来事に、当時はちょっと精神をやられていたのかもしれない。ダイエットなぞ何のその、とことんゆるゆるの自分がいて、比例してお腹の肉もゆるゆるになっていく自分を甘んじて眺めていたような気がする。
 
そして6月。ステイホーム期間が明け、子供の学校が再開し、夫も週に何日かは会社へ。私も仕事で出かけたり、久しぶりにママ友と会ったりという日常が戻ってきた。
いざとばかりにウエストゴムの部屋着ズボンを脱ぎすて、スラックスのボタンを合わせてみると、見事にはまらない。鏡を見れば、ムチムチの二の腕とむくんだ顔が映る。約2カ月間の“炭水化物祭り”のなれの果てだ。
このままではせっかく自粛が終わったのに、誰にも会えない! いや会いたくない! あんなに外に出たかったはずなのに……!
 
あわててこれまで以上に厳しい糖質制限をかけた食事スタイルに戻し、猛暑日のビールもギリギリまで減らしたにもかかわらず、そう簡単には減らない体重。ジリジリとした焦燥感と戦いつつ8月も終わろうとしていた某日、ふと目に留まったのが、現在ライティング・ゼミコースを受講中の天狼院書店のFacebookだった。
そこには、誰でも速く書けるようになる、を謳い文句にした「スピード・ライティング」の特別講座の案内が表示されていた。一応私は、原稿を書いてお金をいただいているフリーランスライターの端くれである。“一文字いくら”で仕事をしている以上、もちろん速く書けるに越したことはない。ダイエットが上手くいかない以上、せめて仕事だけでも満足のいく結果が出れば……!
 
そうして速攻申し込んだ「スピード・ライティング」特講であったが、受講のレジュメを読んでいるうちに、驚くべき文言が目に飛び込んできた。
――「糖質制限している人はスピード・ライティングに向いていない」
最初は見間違いかと思ったほどである。だって、原稿を書くのとダイエット、関係ないでしょ? 私が終始ダイエットに取りつかれているから、錯覚を起こしちゃったのかなぁ。
しかし講義当日の夜がやってきて、講師の三浦店主の話が進むにつれ、次々とその概要が明らかになっていった。
 
スピード・ライティングとは、40分という短時間で5,000字の原稿を一気に書き上げる技術のことだが、実践するには多大なエネルギーを要するという。“超”集中状態で脳みそを絞りに絞って書かなければならないため、脳は次から次へと糖分を欲し、糖が足りないととたんに頭が回らなくなる。だから糖質制限はやめなさい。要はこういう話だったのだが、必死で糖質オフダイエットに取り組んでいる身としては、正直「じゃあ、どーせーっちゅうの!」と悪態をつきたくなってしまった。
そうかそうか、私が原稿書くのが遅いのは、糖質制限のせいだったか。でもじゃあ他にある? フリーランスでコロナの前から在宅勤務が中心、おかげで万年運動不足、年々代謝が落ちて体重が減らなくなっている。ナイナイ尽くしの私にとって、最適なダイエット法って――。
 
ここではたと気が付いた。ダイエットの基本中の基本、摂取した分より燃焼したカロリーの方が多ければ、人は必ずやせていくのだ。ということは、スピード・ライティングでガンガンエネルギーを使えば、実は何を食べてもやせるのでは? スピード・ライティングこそが、私を体重減少に導いてくれる運命のダイエット法なのではないか?
在宅勤務だから、ずっとデスクワークだから、仕事中に大量のエネルギーを消費するのは無理だと思い込んできたが、そうではないのかもしれない。生半可なダラダラ作業じゃなくて、短時間に自分を追い込んで脳を絞りつくす! エネルギーを燃焼させる! その上仕事が早く片付いて自由時間が増える!
 
スピード・ライティング、まじ最高じゃないですか。実はこの記事を書いている最中も、いつもより胸が高鳴って脂肪が燃えてる、って感じがします。まさかのダイエット方法に、まさかの場所で出会うことになったけれども、しばらく天狼院を信じて続けてみたいと思います。
さあ今週の課題も一刻も早く書き終えて、ずっと我慢してきたチョコアイスでも食べようかな。
 
***
 
 
 
 
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2020-09-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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