2015-12-01

【私的福岡】願ってばかりいる人へ。神様だって、努力しているんだ。

記事：Ryosuke Koike（ライティング・ラボ）

 

突然ですが皆さん、神社に行きますか？

私は、観光でも日常的にもよく神社にお参りをします。喧騒の中の都会にあっても、ひっそりとした森の中にあっても、神社の敷地に入ると急に雰囲気が変わるように感じ、心が落ち着きます。
初詣は、交通安全の祈願も兼ねて福岡県宗像市にある宗像大社に行き、日常的には山笠にゆかりのある博多区上川端町の櫛田神社にお参りに行きます。

皆さん、神社に何をしに行きますか？

同じようなことをしていると思いますが、拝殿の前までとことこ歩き、ちゃりーんとお賽銭を投げ入れ、からんからんと鈴を鳴らし、ぱんぱんと２礼２拍手１礼し、……ここからがスタートです。

抱えている仕事が滞りなく上手く行きますように。
人間ドッグで引っかかりませんように。
娘がたくさん寝てくれますように。
息子が風邪で保育園を休みませんように。
今日飲んで帰っても妻の機嫌が悪くありませんように。
宝くじの１等が前後賞も含めて当たりますように。
ライティング・ラボの記事がランクインしますように。

煩悩まみれの願いごとだらけです。

私はこうやって、あつかましくも一度に複数のことを神様にお願いするわけですが、必然か偶然か、これらの願いが叶うときもあれば、叶わないときもあります。

この違いは何なのでしょうか？
神様の機嫌なのか、願う頻度なのか。やっぱりあらかじめ定められた運命なのか。
いやいや、お賽銭の金額なのか。

違います。

外国の古いことわざに、「天は自ら助くるものを助く」というものがあります。
神様はよく見ています。
実現に向けて努力する者に対し、成果を与えてくれるのです（と、私は解釈しています）。
ただ願っているだけでは、何もはじまらない。
もちろん努力したからといって実現する保証はどこにもありません。
けれど、叶ったことを後でよくよく思い返してみると、全部が全部ではありませんが、意識してか無意識にか、何らかの行動をとっていたことが多いのです。

考えてもみてください。
普段は何もしないくせに、都合の悪いときだけ頼ってくる人がいるとします。
人間であるあなたなら、どう思いますか？
そういう人達が毎日毎日ひっきりなしに訪れてきたら、どう思いますか？
たとえ、神様であっても……。

最近になって、神様に対する願いごとは、「お願い」ではなく「決意表明」なのではないかと思うようになりました。
誓ったことの実現に向けて少しでも行動してみる。
そう考えた方が、願いごとが叶いそうな気がするのです。

さて、四六時中人間の願いごとばかり聞かされている神様の方はどうでしょうか。
困ったことがあったとき、どうしているのか。

さすが神様です。
ただ願っているだけでなく、やはり実現に向けて行動されています。

福岡市西区姪浜に、姪浜住吉神社という古い神社があります。
１０年以上福岡に住んでいる方なら覚えていると思いますが、福岡では２００５年に大きな地震が発生し、多くの家屋が倒壊したり、負傷者が出ました。
この神社も同様に、損傷を受けたようです。

修復するためには、神社とはいえもちろん費用がかかります。
さて、神社はどうしたか。

ここで、神社がとった行動は、当時テレビの人気番組であった、みのもんたが司会をしていた「クイズミリオネア」への出演でした。
なんと、そこで見事に１０００万円を獲得し、損傷を受けた鳥居などの修復の費用に充てたのです。

神様あろうが、人間だろうが関係ありません。
どれだけ願っても、願い続けても、叶わない。
そのような経験があるなら、実現するために少しでも行動してみてはいかがでしょう。

姪浜住吉神社は、風情な街並の続く旧唐津街道沿いにあります。
姪浜駅から徒歩約１０分、大通りから一本入った裏通りは往来も少なく（たまに車が通りますが）、おしゃれなカフェや飲食店、昔ながらの町家が並び、ゆったりとした時間が流れています。散歩にはちょうどよいコースです。

先日、神様の金運にあやかりたく、お参りしてきました。
何せ自ら資金を調達する神様ですから、その力は並外れたものでしょう。
一方、毎週宝くじを買っている私ですが、これまで全く当たる気配がありません。
１年以上買い続けているように、ちゃんと行動してるにもかかわらず、です。

私は、眠っている乳児の娘を抱っこひもで抱えたまま、他の神社でいつもやるようにお参りしました。
拝殿の前までとことこ歩き、ちゃりーんとお賽銭を投げ入れ、からんからんと鈴を鳴らし、パンパンと２礼２拍手１礼。

純粋なたった一つの願いごと。

今週こそ１等が当たりますように。
今週がダメなら来週１等が当たりますように。
来週もダメならせめて再来週にでも１等が当たりますように。

お参りを終え、帰ろうと歩きはじめたところで、娘の目が覚めました。
顔を覗き込んでみると、私のことをじっと見つめた後、にこっと笑ってくれました。

私は、お参りをやり直すことにしました。
決意表明なんだから、努力しないといけません。

これからも、家族全員仲良く過ごせますように！

 

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この記事は、ライティングラボにご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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