幸せは目の前にある
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:後藤 修 (ライティング・ゼミ超通信コース)
「ああ、幸せなんだな…… 」
みなさんはこんな風に感じる時はどんな時だろうか?
お風呂に入った時、恋人と過ごす時と人によって様々あるだろう。
僕が1番幸せを感じる時は家族と一緒にいる時だ。このような感じ方を根付かせてくれたのは大学生の時に出会った人のある言葉だった。
彼女の言葉はまさに魔法だった。
僕は大学3年の時に、友達に百貨店のバイトを紹介してもらった。僕はお菓子の販売員として
働き始め、彼女は隣のお菓子屋さんのパートさんだった。
僕は彼女に会った時、第一印象は‘少し怖い’だった。だから、隣の販売所にいながらはじめのうちはあまり話をすることはなかった。
しかし、ある会話がきっかけになり、よく話をするようになった。
それは僕がバイトに入ったある日のこと。その時、僕は1人で菓子を販売していたが、その日は客が少なかった。たまたま隣の販売所にいた彼女に「ご家族は何人いらっしゃいますか?」と何気なく話し掛けた。
すると、彼女は「うん。息子がいるんだけど、旦那だった人のお母さんに預けているんだ。私は今、付き合っている人と住んでいるの。」僕はこれを聞いて、はっとした。
彼女はかなり複雑な家庭環境をお持ちなのだと悟った。僕は尋ねたことに少し後悔をした。
しかし、彼女の表情はなぜか柔和な感じだった。僕はそれから、彼女に親近感を感じ
接するようになった。
僕がバイトに慣れてきた頃、彼女と話した時にこんなことを頼まれた。
「ねえ、私の息子が今度、高校受験するんだけど、息子に勉強を教えてやってくれない?」
僕は驚いた。それは今まで、僕は何か誰かに教える経験がなかった。こんな僕でいいのだろうかと思った。しかし、彼女の話しぶりからとても僕を信頼してくれることが分かった。だから、彼女の思いに応えるために快諾した。
僕は、彼女の息子に英語を半年ほど教え続けた。
週2回、彼女の息子が住むマンションに行き、2時間ほど英語をレクチャーした。息子は彼女の旦那さんだったお母さんと一緒に住んでいた。息子は複雑の環境にいるにも関わらず、僕に楽しそうに話しかけてくれた。僕はとても優しい子だなと思った。そして、時折、息子は彼女の話を楽しそうに話した。
改めて、彼女が子供に対して、家族に対してどんな立場になっても、息子に対して優しく接し続けていることを感じた。そして、息子は高校に合格。彼女はほっとしていた。僕も安堵した。
僕はそれから、1年後に地元へ戻って社会人として働き始めた、だから、彼女と会わなくなった。が、しばらくして、僕はあることが起こり、彼女へ連絡をとることになった。そして、その時、彼女から僕の心に今も刻まれる言葉を投げた。
それは僕の父が亡くなった時。父のお葬式を終えた後に、僕は彼女のことを思い出した。
そして、彼女に電話を掛けた。
彼女が電話に出た。僕は「父がこの間、亡くなったんです。何とも言えない気持ちになります…… 」僕は彼女に自分の感じていることを素直に話したくなったのだ。何かを期待していたように。
彼女は僕にこう言ってくれた。
「あなたの言う通りだね。幸せは失ってから気づくものなんだよね」
僕はその言葉が頭の中でこだまするように響いたことを感じた。
今まで、僕は特にうちの生活はお金がなくて困っているとか、家族が喧嘩ばかりするという時間を送ったことはなく、平穏な生活が当たり前だったのだ。だが、彼女の言葉でそれは、父をはじめ家族が何も起こらないように頑張っていたのだと。平穏をくれていたのだと。幸せをいつも見えない形で届けてくれていたのだと。
僕はこの時、地元へ帰って間もないこともあり、家族と過ごすことがどれだけ尊いかを自覚していなかった。
だから、彼女が発した言葉はどれだけ自分が家族に対して、どれだけ感謝を感じずに生きてきたかを反省することにつながった。
僕は彼女から本当に大事なことを気づかせてくれる言葉をいただいたのだ。
僕は今、母親と一緒に過ごしている。母とは、仲がいい。たまに、すれ違うことがあるが心がざわめく時がある。けれど、こういう時は彼女がくれた言葉が‘魔法’をかけて、僕の心は穏やかになれる。。
その言葉が‘家族と過ごす時間を大切にしなさい’と語り掛けてくれるように。
そして、隣町には兄、義理の姉、そして、甥が2人いて、1人は社会人2年目で、もう1人は大学院で研究に頑張っている。
僕らは1年に一度、みんなで会って、食事をしてお互いのことを楽しく話し合うことが恒例になっている。そんな時は本当に心の底から幸せが目の前にあることを感じながら過ごしている。
これからも、家族と過ごす時間は尊いことを教えてくれた彼女の言葉を忘れずに
持ち続けよう。そうすれば、家族と過ごす時間はいつまでも幸せに感じられるだろう。
そう思える僕でいられるように、日々努力しよう。
さて、みなさんはどんな時に1番幸せを感じますか?
***
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