コロナの悪いところの良いところ
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:綿谷しふみ(ライティング・ゼミ超通信コース)
ほんの少し前まで感染症のパンデミックは歴史の教科書か小説にだけ存在するものだと思っていた。
こう感じているのは、私だけでなく誰もが感じていることではないだろうか。そして感染症は、病だけでなく、物凄く早いスピードで今までの常識をひっくり返し、新しい価値観を運んできた。
目まぐるしく回転しながら進んで行く世界について行けず戸惑っているのは、私だけではないはずである。
約1年前、緊急事態宣言が発令され日本中の動きがストップする直前まで、マスクを着けていない人が沢山いたいし、会社の食堂でも対面でおしゃべりしながらランチを取っていた記憶がある。
それが一転、マスクは必須で黙食をしいられている。コロナ前だと暑い時期にマスクをしていたり、夜マスクをしていたりすると、めちゃくちゃ怪しくて、職務質問されるに違いない。
けれど今は、着けてないと逆に怪しい。本当に今までの価値観が変わってしまったなと感じる。
不安と恐怖に加え常識や価値観の変化でうつ病を発症する人も多いと聞く。けれども感染症の怖さを体験してしまった以上、知らなかったあの頃には戻れないわけだから、もはや共存していくしかないのだ。
ビルゲイツもこれからの時代は感染症との戦いになると言っていたし、コロナが去ってもまた別の感染症がやってくるかもしれない。
ということは、コロナで変わってしまった世界を受けいれて、その中で新しい常識や価値観を楽しむことが大切なのだろうと思う。
マイナス面ばかりが取りざたされるコロナだけれど、よかった事はないのかと、ふと考えてみた。
そうしてこの1年を振り返ってみたところ、意外な事にとても充実した毎日だったことに驚いた。
なんと、新しい出会いで世界が広がったのだ。といっても出会い系ではない。地域活性化プロジェクトに参加したのだ。
3か月間毎週土曜日にオンライン上で、課題について話し合い解決策を探る。チームメンバーのキャリアは様々で、思いもしなかった視点から意見があがる。
凝り固まった視野が広がるのはとてもありがたい経験だった。
地方が抱える悩みや問題点を知ることで、自分がいかに井の中の蛙だったのかと恥ずかしく思いもした。
私にとって、とても有意義なプロジェクトだった。
けれども、このプロジェクトへの参加は制約があるからこそ実現したのだと思っている。何故かと言うと、3か月もの間、毎週土曜日、半日拘束されるのだ。
楽しい土曜日がプロジェクトでつぶれるのはどうなんだろうと、悩みに悩んだのだけど、よく考えてみると、コロナのせいで、いつも暇なわけだから、悩むことなんてないのだ。ということに気付き、早々とプロジェクトへの参加を決めた。
もしも、通常モードの世界なら、プロジェクトには参加しなかったかもしれない。毎週土曜日半日つぶれるのは嫌だし、コロナでなければオンライン開催ではなかったはずだから。
毎週毎週、時間と交通費をかけて集合するなんて効率が悪すぎる。
コロナのおかげでオンラインが当たり前になり、開催場所までの時間と交通費が節約できるようになった。これはホントに歓迎すべきことである。
あっ、それと忘れてはいけないことがまだあった。人を大切に思うようになったこと。今まで大切に思っていなかったわけではなく、コロナでは他人との距離を取ることが強いられる。私も高齢の母に会えずにいたし、友人とも頻繁に会えなくなった。だからこそ一期一会の気持ちが今まで以上に芽生えてきたのだ。
次に2つ目の新しい出会いは人ではない。コロナでジムに行けなくなりどうしようかと悩んでいた時に、VRと出会ったのだ。VRとはゴーグルを着けて仮想空間でゲームなどを楽しむ装置のことである。
このVRタダモノではなく、ジムさながらの運動をすることができる。ゴーグルを着ければすぐに始められるので、ジムに行く準備はいらないし、着替えも必要ない。ジムまでの時間と会費も節約できかなりコスパがいい。
ゲームの類には全く興味がないため、コロナがなければVRに反応することは絶対になかったと断言できる。
コロナのせいで、日常の行動が制限されたおかげで、私にとって未知の世界であるVRと出会うことができたのだ。
災いをもたらすコロナに感謝するわけにはいかない。けれども世界が一変してしまった今、元には戻れない事を受け入れ、ストレスである変化を素敵な出会いに代えることはできるのではないだろうか。
コロナの良いところを見つける記事を書いてしまったけれど、コロナで良かったと言っているわけではない。たとえコロナが収束しても変化した世界は加速したままなのだ。
であれば、変化に飛び乗って新しい世界を自分なりに開拓する方が幸せなのではないだろうか。
コロナの早い収束を願いつつ変化した世界を楽しみたいと思っている。
***
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