人生を変えるライティングゼミ……? そんなんで人生変わるわけねーだろ
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:日下秀之(ライティング・ライブ大阪会場)
「人生を変えるライティングゼミ」
天狼院書店という書店で定期開催されている、文章教室の名前だ。
「人生を変える」とは、まあ大層な名前だと思う。
千と千尋の神隠しの湯婆婆よろしく、名前を奪いたくなる。
「贅沢な名前だねえ。今からお前の名前は夂だ。いいかい、夂だよ。分かったら返事をするんだ、夂!」
「変」の下の部分を取ってみた。
ちなみに「ふゆがしら」と読む。ふゆがしら。
軽くいじったが、僕はこのライティングゼミの受講生だ。
これを読んでいるあなたは「書くこと」にコンプレックスや、あるいは憧れがある人かもしれない。僕もそうだった。
僕は確かにこのライティングゼミで、人生が変わった。とてもいい方に。
通常価格44,000円の受講料に対して大幅に元を取った自信がある。
10万円でも安いかも知れない。
一方、申し込む前は「こんなんで人生変わるわけねーだろ」と思っていたのも事実だ。
ライティングゼミは通常4ヶ月間行われ、内容は主に以下二つだ。
・月1回のライティングの技法を習う講義が4回
・週1回の課題投稿(内容自由、2000字程度の文章を投稿)が16回
毎週の投稿に対し、スタッフの方から改善点や良かったところなど、フィードバックをいただけるとともに「掲載に値する」と判断されれば、天狼院書店のHPに掲載される。
つまり、今あなたがこの記事を読んでいるということは、僕の文章を天狼院書店の方が「フン……おもしれー記事(やつ)」と思ってくれたということになる。
そしてこの記事は、全16回の課題の、記念すべき最後の1回だ。
なので、最後は振り返りがてら、少しヨイショして終わろうと思う。
これが不掲載になったら笑うが、逆に公平な審査をしているという証拠だろう。
同じような記事はたくさんあるが、人が変われば視点も、届く人も変わるはずだ。
まず、なぜ自分が大金を払ってでもライティングを習いたいと思ったか。
多分あなたと同じだ。「書くこと」にコンプレックスを抱えていたからだ。
以前から文章を書くことに対しては強い憧れを持っていた。
小説家はもちろん、ユーモラスな文章を書くエッセイストにも憧れていた。
彼らのように、鮮やかに日常を切り取ってみたかった。書きたいテーマもたくさんあった。
ただ、とにかく筆が重かった。
約2,000字の文章を書こうとすると構想含めて最低24時間はかかった。
書こうとした途端「もっとこうした表現がいいんじゃないか」「本当はこうした話が書きたいんじゃないか」と違う考えが頭に浮かび、延々と書き直し、本当に言いたかったことを見失い、動けなくなる。
自分ももっと、noteとかで面白いエッセイとか連載したいのだ。
けれど、あまりにも書くのが遅すぎる。
それが嫌になって、結局書けなくなる。
文章の書き方をちゃんと習えば、何か型を身につければ、これを解消してくれるのでは。
すがるような思いで申し込んだ。
……で、結果解消されてしまった。
一体何が起きたのか。
ダントツで大きいのは毎週の課題と締切の存在だ。
この存在が、否応なしに書き続ける環境を与えてくれた。
上述の通りゼミでは毎週の課題投稿があるが、毎週締め切りが存在する。
これを1分でもすぎると受け付けてはもらえない。
締め切りはきっちり一週間ごとで、祝日でも三ヶ日だとしても等しく締め切りがある。
自分の性格上、1回でも投稿に穴を明けたら一気にやる気が無くなってしまう。
だから、なんとかかじりついた。
書くのが遅くても、間に合わせるように書くしかないのだ。
忙しい時期には仕事終わりに会社の近くで書き始め、なんとか提出したときには終電が無くなっていたこともある。
書くたびに少しずつスピードは上がり、同時に時間をかけても文章の質は対して上がらないことに気がつき始めた。
もちろんライティングの技術もたっぷり習うし、非常に有意義だ。
だが、結局は「書きつづけるしかない」のだ。
そして、書き続けると何が起きるか。
ネタ切れだ。
だが、このネタ切れこそが、人生を変える。
16の鉄板ネタを持っている人はそういない。
自分ももちろんネタ切れに苦しんだ。けれど締切はやってくる。
そうなると何をするか。
ネタ作りだ。
日常からネタの種を探し回ったり、自分でネタを作りに行ったり。
何でもない日常に目を光らせ、講義で習う技法を駆使して一本の記事に仕上げるのも面白い。
だが自分は「これを記事にしたら、どう書いたって面白い!」と言える人生経験を増やしていくのが、最高のネタ作りだと思っている。
ライティングゼミを受けていなかったらレーシック手術は多分受けていない。
クジラと泳ぐホエールスイミングにも、申し込んでいないかもしれない。
「何をすれば面白い記事になる?」という基準で人生を選択すれば、思い切った挑戦もできるし、間違いなく自分の人生が面白くなると思うのだ。
失敗しても大丈夫だ。それを記事にすればいいだけだ。
一方、受けて嬉しかったことばかりでもない。
自分の現在地を思い知らされるからだ。
例えば、当初書こうとしていたテーマを全部書けたか、というとそうでもない。
「この話は、まだ自分の実力では書ききれない」ことに気がつくからだ。
同じテーマで記事を書いている人の洞察の深さを思い知らされ、同時に自分の考えの浅さに恥ずかしくなったりする。
あるいは、ユーモラスな文章が書きたいのに、憧れの作家さんのように声を出して笑ってしまうような例えが思いつかず悶えたりする。
自分では「傑作だ……!」と思って書いた記事が「第三者が読んでも面白くない」と掲載不可になり凹んだりする。
けれど、書き続けるから、自分の現在地がわかるのだ。
現在地が分かるから、もっともっと改善できるのだ。
最終的に自分は16回すべての課題投稿をし、13回採用(この文章が採用されている前提で)された。
毎週発表される記事へのアクセスランキングでは、3回ほど週間1位を獲得した。
投稿数、掲載率、平均順位、自分で言うのも何だがかなり頑張った方だろう。
2,000字を16回。30,000字を超える文章を書いた。
手元に残ったものは自分を表現するたくさんの記事と「書ける」という自信だ。
「書きたいけれど書けない」から「書こうと思えば、いつでも書ける」になった。
まあ今でも調子次第で時間はかかるが、作文速度も、文章の質も上がり続けている。
そして今まで以上に「人生は面白い」と思うようになった。
ここで朗報だ。この変化は僕に限った話ではない。
30,000字書けば、誰だって自信はつく。
もちろん、毎週必死に書き続けないといけないけれど。
さあ、次はあなたの番だ。
明日も、人生をネタにしよう。
***
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
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