お金をかけずに南フランスに行きたくて
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか？賞を取れるのか？プロも通うのか？〜
記事：吉川和美（ライティング・ライブ大阪会場）
あなたの夢はなんですか、と、聞かれたときに、一生に1回は行ってみたい海外旅行先、というのが、誰にでもあるのではないか。
私にとってはその一つが、南フランスだった。特に画家のゴッホが描いたアルルの星空の下、人でにぎわうカフェが描かれている「夜のカフェテラス」を見てから、いつか南仏を訪問し、ゴッホの絵を現地で見てみたかった。
別に、日本でもゴッホの絵を見れる機会は探せばあると思う。でもそういうことじゃない。アルルとかコートダジュールとかいった地域で地中海の風に吹かれてみたいの。そういうこと？だ。
いつか時間ができたら行きたい、と思っていた南仏に、こんなに簡単に行けなくなってしまうとは思いもしなかった。
コロナウィルスの流行、ロシア情勢による燃油サーチャージ高騰、さらに1ドル140円レベルの円安になるとは思いもしなかった。ロシアも、香港も、台湾も情勢が不安定で訪問できないし、お隣の韓国でも入国時にビザが必要となるなど、一気に海外が遠くなった。休みが取れたら行こうと後回しにしていたのが悔やまれる。
最近になってようやく入国制限も緩和されつつあるため、そろそろいけるのでは、と、ゆるゆると南仏調査を開始した。
で、調べたが、高い。
日本とヨーロッパ間のフライト代がエコノミークラス利用で20万代から。さらに燃油サーチャージ代が10万円以上かかってしまう。そこに滞在費が上乗せされる。高すぎる。何とかならないか。
そういえば日本航空、JALのマイレージを今までコツコツとためていたことを思い出した。使う機会がなかったので積みあがっていたのだ。マイレージは航空チケットに替えることができる。これ、使えるのではないか。
調べてみたところ、あと1万3千マイルあれば日本ヨーロッパ間を往復できそうだ。マイレージが欲しい。切実に思った。
マイレージを短期で貯める方法としては、王道は飛行機に乗ることだが、「陸マイラー」といって、お買い物や商品モニターなどをすることによって獲得したポイントをマイルに変換するという「裏ワザ」がある。これをやってみよう。
調べてみると、ポイントサイトはいくつもあって、どこもよく似たキャンペーンをやっている。特に手軽に大量のポイントがたまるのがクレジットカード発行で、1枚発行毎に1万から2万ポイントが提供される。どなたもクレジットカードはどこかのタイミングで1枚くらいは作るだろう。どうせ作るのであればポイントサイトを経由するだけで、1万円相当くらいは比較的容易にためることができる。そしてためたポイントは、2ポイント1マイルなどの換算率でマイレージに変換できる。結構簡単だな、と、思いつつ、いくつかの「案件」を申し込んだ。
やってみると、1万円相当くらいはなんとか獲得できるが、それ以上となるとなかなか難しい。クレジットカードはそんなにいくつも作れないし、その他のポイントが高い案件として、証券会社やFXの口座を開設するというのもハードルが高い。5万ポイントがたまるという投資不動産の営業担当との面談なんてもってのほかである。よい案件がないか、目を皿のようにして探すこと、いかにマイレージをためるかをずっと考えることは、わりとしんどい。また、ポイントはすぐには認定されず、認定まで少し時間がかかる。獲得できるかどうか待たなければならないというのもストレスに感じた。
これって結局、自分の信用情報と時間を切り売りするポイント獲得という仕事だよな、と思えた。
それでも、会社にお勤めされていて他のお仕事ができない方にとっては自宅でできるよい副業と言えるだろう。逆に自営業の方だと、その間に仕事を1つ獲得するほうが早いかもしれないが、ポイント獲得をゲームのように楽しめて、貯めたポイントやマイレージでお金をかけずに旅行に行く、そのプロセスを楽しめる方にとっては最高の手段といってよいかもしれない。
私の場合、手段は何でもよかった。南仏にリーズナブルに行きたい、それだけなのに、ついついポイントやマイレージ獲得にはまり込んでしまった。なんでも調べてはまり込むのは私の悪い癖だ。この調子だと南仏に行けるのはいつのことになるだろうか。
それでも、性懲りもせずポイントをためている。
今は、申請した2万6千ポイントが無事認定されれば次に進めるのでは、という気がしている。
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