「記憶力をUPさせる、簡単だけど気づきにくい方法」
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:なかはらあき(ライティング・ゼミ4月コース)
英語コーチをしていると、「記憶力がなくて、単語が覚えられない」という生徒さんに良く出会います。「年だから覚えられない」とおっしゃる方もいらっしゃいます。でも、大抵の場合、問題なのは実は「記憶力」ではなかったりします。
「覚えられないのは記憶力のせいではない」という話をするとき、高校の同級生が教えてくれた「同窓会で実際に聞いた素敵な話」をすることがあります。ハッピーエンドでもあるので、生徒さんは皆さん、楽しそうに聞いてくださいます。
ある日合コンで出会った、会社員の若い男性と女性がいました。話しているうちにお互いに共通点も多く、とても気が合うことに気づきました。そしてまた会う約束をしました。
再会して、話をする間に、お互いにとても気が合うという印象は確信に変わっていったそうです。そしてお互いの話を聞きあっているうちに、お互いの実家が近いという事実に気づきます。
お二人は同い年でしたので、もしかしたら……と、ドキドキしながら、小学校、中学校はどこだったかとか、地元の話などをしていったそうです。その話の流れの中で、お二人とも同じ高校に通っていたことわかります。
ただでさえ気が合うお二人、歓声があがるほど盛り上がったそうです。
お二人は、学校での懐かしい思い出をお互いに話し始めます。そして、「1年の時の担任が誰だった?」という話になります。
「あの先生懐かしいねえ~」、「こんな授業していたよね~」と、先生の話題でも盛り上がり、「2年の担任の先生は誰だったか?」に続き、「3年の時の担任の先生が誰だったか?」という話になりました。
そして、お二人は驚愕することになります。担任の先生はなんと、同じ先生でした。
お二人は実はかつてクラスメイトだった時期があったのです。1年間一緒に過ごしたにも関わらず、お二人ともその時点になっても、お互いのことを全く思い出せずにいたそうです。
お二人の名誉の為に少し解説をすると、その学校では3年になると、ほぼ午前中で授業が終わったそうです。午後の授業も、それぞれが受験したい科目を中心に選択授業を受けるため、同じ空間にいない時間が他の学年に比べて比較的多かったのです。
もちろん学園祭、スポーツ大会など色々イベントもありましたが、女子と男子では仲良しグループが違うことは良くある事で、お二人が当時お互いにあまり話をしなかったとしても全く不思議ではありません。
その結果、合コンではお互いのことを「全く知らない人だ」と思って再会し、人生でこんなにも気が合う人がいるのだ、と思って再会を約束し、更に実は高校時代の同級生同士で、しかも同じクラスで一年過ごしていた事実に気づいたお二人は、お互いにこう思ったそうです。
「これは運命の出会いだ」
お二人はその後めでたくご結婚されました。最初に「結婚した」という話だけ聞いた友人は、お二人が当然高校時代からのお付き合いなのだろうと思っていたので、衝撃を受けたそうです。その衝撃度が高く、更に幸せなお話でもあったため、私の耳にも届いたというわけです。
ここで記憶の話に戻ります。
お二人がお互いの存在を全く思い出せなかった理由はいくつか考えられます。
一緒に過ごす時間が他の学年に比べて少なかったこと、同じクラスにいた頃はあまり話したことがなかったことも理由にはなります。でも一番の理由は、別にあると私は考えています。
忘れてしまった一番の原因は、同窓会などでお互いに顔を合わせて話をする機会がなかったことだったのではないでしょうか。
実際お二人のクラスでは同窓会は殆どなく、あったとしてもお互いに同時に同窓会で合う機会もなかったようです。もしお互いの存在を思い出す機会が3年おきくらいにあったらどうでしょうか……? おそらく合コンで出会ったときに「見覚えがあるなあ」、くらいにはなったのではないでしょうか。
「記憶力がない」について考える時、それは実は「能力」ではなく「繰り返しが不足している」ことが原因、と私は考えます。
繰り返しがないと、このお二人の例のように、例えかつて教室で日々数時間を一緒に過ごしていたとしても、当時は知っていたはずのお互いの存在を、きれいさっぱり忘れてしまうことがあるのです。(お二人のケースでは忘れていたことが運命出会いに繋がりましたが……)
ですので、忘れる前に「繰り返し」見る事が、人の記憶をサポートしてくれる大切な要素だと私は考えています。
この話を聞いた単語の暗記に悩める生徒さんの多くは、「記憶力」という名の能力のせいにするのをやめ、繰り返しの大切さを理解してくださいます。そして、単語を覚えるのが得意になっていったりします。
「記憶力をUPさせる簡単だけど気づきにくい方法」とは、「忘れる前に繰り返し見る」だったりするのです。
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