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【内定ほぼ確実!?】街コン活動最前線


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記事:カワノフミノリ(ライティング・ゼミ)

昼飯を食べているとき、会社の同期の佐藤が

「一緒に街コン行かないか?」

と誘ってきた。ちょうどいいタイミングで、前回の彼女は1ヶ月前にフラレてしまい、今彼女はいない。

「いいよ、いつ?」

と、さして興味もなさそうなフリで返事を返す。
けれど心の中では、また頑張らないといけないな、と少し気合を入れていた。
街コンとひとくちに言っても様々な種類がある。
一緒に参加できる人数の制限、パーティー形式なのか、席を指定される形式なのか。
そもそもお酒を飲まずに一緒にスポーツしたり体験したりするだけのものなど様々。

私は、街コンという言葉を聞くたびにある言葉を思い出す。
それはまだ私が大学生だったとき、就職活動セミナーで聞いた講師の言葉だ。
大学3年生の9月、ちょうど就活を始めたくらいのとき、初めて就職活動対策セミナーを受けた。そのセミナーの最後にその言葉が出てきた。

「就活は恋愛と一緒だ」

当時はこの言葉がいまいち理解出来なかった。
けれど数年後、一度街コンを経験してから、妙に納得できた。
言葉に少しアレンジを加えたが。

「街コンは就活と一緒だ」

街コンは就活とよく似ている。
街コンには形を変えてはいるが、エントリーシート、面接、グループディスカッションが確かにある。それらをクリアしていく為に必要なことも共通している。

街コン当日。

今回佐藤が選んできたのは、ボルダリング街コンだった。
ボルダリングというスポーツを知っているだろうか?
高さ4~5mの壁に設置されたホールドという石を掴んで、一番上のゴールまで登るスポーツだ。今度のオリンピックから正式種目にもなっている。
佐藤も私も、最近よくボルダリングをしていて、実力は中級者クラスにはなっている。
格好良く登る姿を女性に見せて、ポイントを稼ごうという佐藤の作戦だった。

会場であるボルダリングのジムに着くとすぐに、街コンのスタッフの人からいくつかの書類を貰い、その中の自己紹介カードの記入を促される。
就活で言うところのエントリーシート!
職業や趣味はもちろんのこと、好きなタイプや自己PRを書くところまである。
自己PRなんて就活と同じで最も頭を悩ますところだが、下準備無しでは考えたところでうまいことが浮かぶわけはない。最近人気のあったドラマにハマっていたこと、動物が好きですと書いておく。ドラマを見ていた人は多いだろうから話題を繋げやすいし、動物好きも充分に話題を広げることができる。就活も街コンも事前によく調べて準備しておくことが大事なのだ。

書き終わってしばらく待っていると、会場には続々と人が集まってきて、最終的には男女20人ずつ、計40人ほどになった。
参加者全員が集まったのを見計らって、座っている女性の周りを男性がメリーゴーランドのように回る、自己紹介タイムが始まった。
就活でいうところの合同説明会だ!
自分のエントリーシートを持って1分ごとに回り続ける。会社パンプレットを貰うように、女性側から自己紹介カードを受け取り、どの女性を第一志望にするのかを決めていく。しかも、この合同説明会は1次面接も兼ねているので、どこ会社に対しても入りたい意思を示しておくことは、とても大事なことだ。相手の自己紹介カードから、特徴的なところをピックアップして、女性ごとに会話を盛り上げる。30分ほどで合同説明会は終わった。座っている女性の前を回っているうちに、会社の説明会を回っている就活生のようにクタクタになっていった。

自己紹介が終わって最初の席に帰って来たとき、疲れた気分の勢いで

「ただいま」

とつぶやくと、向かい側から優しく

「おかえり」

と言われてしまった。このとき第一志望は決まった。
フィーリングで決めてしまった方が良いこともある。

次はグループに分かれてのボルダリングだった。
就活でいうところのグループディスカッションやグループワーク!
大事なポイントは、どうやってそのグループ全体に貢献するかということだ。
街コンにおいてもそれは全く同じ。
グループですることは話し合いではなく、ボルダリングなので全員が楽しめるように気を配ることが大事になる。

ボルダリングをしながら周りのグループを見渡すと、あれはやってはダメだってのが簡単に見て分かる。
やたらテンションが高くなって暴走している人、
自分のカッコイイところをアピールしようとムキになってる人、
グループ置き去りにして、レベルの高いところにいってしまう人、
そもそも見てるだけ登ろうとしない人。
明らかに一緒に登っている女性たちの興味が無くなっていた。

第一志望の子は偶然にも同じグループだった。
冗談で笑ってくれたり、一緒に全員が登れるように促したりした。
問題になるような点はなかったし、良い評価を得られたのではないだろうか。

最後は、1対1で自由にアピールが出来るフリータイムだった。
就活で言えば最終面接!
御社に入社したいです! という気持ちを素直にぶつけるだけだ。
フリータイムが始まってすぐに第一志望の子のところへ向かった。
しかし、その子を第一志望としている男性は多かったようで、すでにその子の前には列が出来ていた。

やってしまった……

時間内に私に面接の順番は回ってこないことは明白だった。
最後の最後で失敗してしまった。
そうこうしているうちにフリータイムが終わってしまい、

頭の中ではお祈りメールが届くのを待つばかりの状態になっていた。
失敗した面接帰りの就活生のような気持ちで席に戻ろうとしていたとき、
軽く後ろから肩を叩かれた。

「あの、連絡先交換してくれませんか?」

え!? えーーーっ!
それは第一志望の子からの逆スカウトだった! 
頭の中のお祈りメールが、すぐに内定通知書に書き換えられる。
まだ終わっていなかった! 
連絡先を交換して、ご飯に誘えたら最終面接のやり直しになる。
サクラの花が咲くまであと少し。
***

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2017-03-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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