三日坊主の私が日記を続けられている理由
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記事:Ryo(ライティング・ゼミ 平日コース)
私の押入れに仕舞ってある“挫折コレクション”たち。
お腹に巻いて過ごすだけで腹筋を鍛えることができる器具、ヨガマット、聞き流すだけで英語が話せる英語教材、社労士資格の通信教育教材、デジタルイラスト用のペンタブレットなどなど。
いろいろやってみるのだが続かない。始めるときは、すごく挑戦心がみなぎっているが、長く続けられることはなく間もなくするとその気持ちもフェードアウトしてしまう。だから目的は達成されることなはない。希望をもって購入した品々はお蔵入りとなる。飽きっぽい性格ということでもない。「継続は力なり」と言うが、私にはやり抜く力がないのだ。とても弱い人間だ。
中学の部活では、先生は「練習は嘘をつかない」とよく言っていた。でも、私は「練習しました」と嘘をつく子どもだった。先生にはその嘘はバレバレだっただろう。そんな嘘をついたことで、「練習は嘘をつかない」ということはとてもよく理解できた。子どものころの夏休みの宿題は夏休みの終わりにあわててやった。あるいは始業式後、最初の各科目の最初の授業に間に合わせるようにやった。絵日記だって後からまとめて書いた。
そんな私が日記をつけはじめてかれこれ2年半以上続いている。5年日記というハードカバーの本のような日記帳だ。それぞれの日付1ページに5年分が区切られており、書けるのは1日200文字程だ。時間にして3分。だからそれほど書くことは苦にならない。それでも、何をやっても長続きしない三日坊主の私が、これほどの期間続けられるとは思ってもみなかった。
そもそも日記をつけようと思った理由は、3行日記というものが、自律神経を整えるのにとても良いということを知ったからだった。1行目には、その日失敗したこと、嫌だったこと。2行目には、うまくいったこと、うれしかったこと。3行目には、明日の目標。
これらのことを書くことも大切のようだが、書く行為そのものが、自律神経を整えるのにとても良いらしい。自律神経を整えるためには呼吸が大事らしい。重要なのは自分の手で書くこと。書いている間は呼吸が安定するため、自律神経がとても安定するというのだ。1日の終わりの寝る前に日記を書くことを毎日繰り返すことで、自律神経を整え、血流がよくなり、体調が良くなるというのだ。
男性にも更年期があるらしいが、当時私が更年期だったのかはわからないが、とてもイライラした気持ちで、些細なことに対しても怒りっぽくなっていた。更年期という体の問題ではないにしろ、仕事のこと、家庭のことなどで様々な問題を抱えていたため、つまりは自律神経が乱れていたのだと思う。そんな不安定な気持ちからか体調も悪く、肩こりや頭痛がし、足が浮腫み、血流が悪い症状が体のあちこちに出ていた。そして体調が悪いことでまたストレスを感じてしまうという負のスパイラル状態だった。
心を安定させるため、自律神経を整えるためには呼吸が大事だと知ってからは、特に意識をして、緊張した時や腹が立って大声で怒鳴りたい気分になった時や、ストレスを感じたときは深呼吸をするようにした。
日記をつけ始めてしばらくは、3行日記というスタイルで書いていたが、今では3行スタイルにこだわらず、その日の出来事や思ったことなどを自由に書くようにしている。いろいろな問題を抱えていて、そのことで乱れた心や体調を整えるために始めた日記だった。その日記が今も続いているということは、いまだ、当時の状態から脱しきれていないということなのか。いや、そうではない。何事もなく平穏無事に過ごすことができても、日記にはその思いを書くことができる。日記を書くことは呼吸なのだ。呼吸自体は特別のことではない。生きている限りすることだ。
日記を読むのは他人ではない。読者を意識して書くものではない。将来の自分が読者といえるかもしれないが。あるいは、自分が大作家にでもなって、後世の遺産として自分の日記が扱われるようにでもなるならば話は別だが、妻に「自分が死んだら読んでもいいよ」と言っているだけだ。だから、日記を書くことは誰のためでもなく、あくまで自分一人の行為だ。夏休みの宿題の絵日記のように先生に見せるものでもなく、書いている内容は自分だけの秘密だ。
だから、日記を書くことは自分のみの行為だから他人には関係ないと考えていた。しかし、自分の心を整えること、自律神経を整える行為は自分だけに影響するものではないことに気がついた。自律神経を整えることで、心がイライラして家族に当たり散らしたりすることがなくなった。家族に嫌な思いをさせていたりしていたのだが、家族が穏やかに過ごすことができるようになった。実は、日記を書くことが自分以外の人にとても良い影響を与えているのだ。日記を書くということは自分だけのものではなかったのだ。
一日中動き回って疲れた体や心を整えるための深呼吸。就寝前に日記をつける3分間の時間はまさにその深呼吸だ。日記そのものは自分だけの秘め事だが、日記を書く行為は自分の心や体調のためであり、家族や周りの人に対してのものでもある。この気持ちを持てたことで、私は就寝前のこの3分間の習慣をこれからも続けられると思う。
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