メディアグランプリ

飛び乗ってしまった! 世界1周冒険旅行の船、一夜明けて


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:須田京子(ライティング・ゼミ 日曜コース)

 

なぜその船に乗ったのですか? と問われたらどう答えようかと思案していた。なんとか「耳あたり良い言葉で聞き流してもらえそうな理由」になりそうな事を考えてみたが、本音の本音を言えば、やはり、「人生を変えたかったから」だと思う。

 

家業を継ぎ、仕事柄その場においては人様に「先生」と呼んでいただき、長年自分なりに打ち込んできたと思える仕事を持ちながら、この期に及んで「人生を変えたい」なんて思っちゃいけない、私はそんなこと考える必要はないはずだ、と思い込もうとしていた。
自営業の大変さもあるが、多くの方に喜んでいただけ、成長を見守れる仕事は、やりがいや喜びがあり、満足もしていた。が、何故かここ数年、これだけで良いのか、このままで本当に良いのかという想いが湧きあがり、日に日に膨らんでいた。

 

そんな中で目に飛び込んできたのが、FBで久しぶりに読んだ、天狼院の「人生を変えるライティング・ゼミ」の紹介文。今まで全く考えたことも無かった「ライティングを学ぶ」という事に、果たしてついてゆけるのだろうか、ただでさえ何かと忙しがっているのに、書く時間がとれるのだろうかと不安な気持ちもあったが、もしかしたら、未知なる世界への可能性の鍵が隠れているかもしれない、と想像力を掻き立てられる言葉の魅力の方が勝っていた。

 

「良く考えて決めました」というより、「勝手に体が動きだして、冒険旅行の船に飛び乗ってしまった」という方が、近い感覚だったと思う。
そう、世界一周冒険旅行の船とは、天狼院書店の「人生を変えるライティング・ゼミ」号である。

 

そして、迎えた乗船、第1講座の日。
東京は人数が多いとの事で補講日に行くことにして、当初予定の第1講当日は自宅で生放送中継による受講をすることにした。講座が進み、いよいよABCユニットを自分で考え、発表するという時間になった。
文字数は少ないので用紙はメモ程度でOKである。が、そこで、思いがけないことが起こった。私はABCユニットの3つを設定するだけなのに、全く何も浮かばないのだ。
え? 私って、こんなに、何も出て来ない人なの? ……。
気をとり直し、深呼吸をして、もう一度考える。……数秒待つが、それでも見事に何も出てこない。
最近やり始めたばかりの瞑想は、呼吸を整え、何も考えないようにするにもかかわらず、すぐに日常のあれやこれやが、浮かんできてしまうではないか。なのにABCユニットを懸命に考えてみても、脳裏には、し―んと静かな空間があるだけだった。下手なりに書いて頑張ろうと思っていたが、まさかの「全く何も出て来ない」というのが現実であった。もう、焦る気持ちを通り越して、「へぇー、そうなんだぁ」と、他人事のように自分を観ている自分もいた。
でも……、「でも」なのである。
このままではダメだ。とにかく何か書こう。
そう言い聞かせて、何とか出てきた言葉は、私の仕事の内容だった。仕事から全く離れた何かに触れることを切望していたにもかかわらず、何も書かないよりはマシだからと、藁をも掴むような思いでひねり出した「ABCユニットの言葉」は、100%仕事にまつわる事だった。
「私の中には、本当にこれしかないのか……」それは、驚きと共に、かなりがっかりする出来事だった。

 

天狼院の店主であり講師の三浦さんの講義は、分りやすく、面白く、とても魅力的だった。しかし、第1講が終わり、PCスイッチを消し、映像の消えたスクリーンの前には、書くことに関して、驚くほど何も持っていなかった自分が、ただぽつんと立って居るだけだった。講座の中で説明された、最初の投稿は、第1講の翌日日曜日の夜までということで、「明日なんて、無理、無理! 2000字投稿なんて、絶対ムリ! まぁ、最初はパスしても、次から頑張れば良いよね? そうそう、まだ4ヶ月あるし」と心の中でつぶやいて少し気を楽にして、その日は眠りにつくことにした。

 

一夜明けて目を覚ますと、「人生を変えるライティング・ゼミ号」は沢山の乗客を乗せて、見事に動きだしていた。どうやらこの船には、船長の三浦さんとスタッフの皆さんによって、魔法がかけられているらしい。
なぜかというと、昨夜、PCの前で、無力の余り、ぽかんとして、すっかりあきらめムードだった私が、目が覚めると不思議な事に、やっぱり、上手くできなくても書いてみようという気持ちになっていたのだ。
丁度お盆休みだったことを幸いに、丸1日がかりの大奮闘の末、あの程度という内容だったが、「とにかく書く」という目標は達成し、滑り込みで投稿した。
もう怖い物は無い、と言えるほどの度胸ではないが、旅の恥はかき捨てともいうではないか。そもそも、今の自分には書く事に対して、何もないことが良く分かったのだから、なりふり構うのをやめよう。というか、この場所で、私には、なりも、ふりも無いのだけれど。

 

そして、「限りあるこの船旅を楽しむための、自分なりの心得」を決めた。
その1 旅の行程の意図を注意深く確認しつつ、かつおおらかな気持ちで書くことにチャレンジする。
その2 書いたものは、とにかく投稿する。どんなに豪華客船に乗っていても、自分の客室で書いているだけでは、この船に乗っているからこそ体験できること知らずに帰ることになるのだから。
その3 熟練先輩方や、魅力的な乗客の皆さんの作品とフィードバックもできるだけ拝読する。何が良くて何が良く無いのか、まだ一読しただけでは分からない事ばかりだ。

 

この旅はまだ始まったばかりで、そもそも私が「ライティングという魔法」を使ってどこへ向かいたいのかも分からない。良くわからないけれど、今、私が「なんだか楽しい」と思っている事は確かだ。そしてもしかしたら、この旅の終わりに、何かしら人生に少しだけ新しい風を吹かせる事が出来るようになるかもしれない、と感じ始めているのだった。

 

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2017-08-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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