異国の地で生き抜く種族の物語
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:仲里 実(ライティング・ゼミ平日コース)
※このお話はフィクションです。
船が港に着いた。
俺たちの長い旅も終わりだった。
積荷が港に降ろされた。
俺たちは誰にも気づかれずに積み荷からこっそりと離れた。
硬い地面の荒野が続いていた。
俺たちは荒野を延々と歩き続けた。
水も食料もなかった。
熱い太陽が俺たちを容赦なく照らした。
荒野には植物一本も生えていなかった。
俺たちは隠れる場所もなく、太陽に照らされながら歩き続けた。
飢えと暑さでついに動けなくなる仲間もいた。
動けなくなる仲間を助けることはできなかった。
俺もいつ動けなくなるかわからないからだ。
動けなくなった仲間は置いていくしかなかった。
動けなくなったものはやがて干からびて死んでいった。
数日後、行く手に泉が見えた。
仲間が泉に群がった。
久しぶりの水だった。
俺たちは思う存分、水を飲んだ。
力が湧いてきた。
明日も長い一日が続くだろう。
次の日も荒野を歩き続けた。
一日が終わろうとした時、やっと楽園についた
楽園には植物が生い茂っていた。
俺たちはやっと日影に入ることができた。
楽園にはいろいろな植物が生えていた。
俺たちは食べられそうな植物を見つけることができた。
久しぶりに食べることができた。
食べた後はその辺に寝転がってゆっくりと寝た。
翌日から家作りと食料集めが始まった。
俺たちはみんな家族だった。
大勢で一つの家に住む。
そのためには大きな家が必要だった。
幸いにも食べられる植物も多く、食料はすぐに見つかった。
豊富な食料を食べながら俺たちは家作りを続けた。
そのうち、子供も生まれるようになった。
子供たちのためにもっと大きな家が必要だった。
俺たちの仲間はどんどん増えていった。
楽園には見たことがない生き物もいた。
俺たちの数十倍はありそうな大きさだった。
俺たちは生き物に果敢に襲いかかった。
生き物は俺たちを蹴散らしながら逃げていった。
足が早く、俺たちには追いつけなかった。
俺たちは生き物を見張ることにした。
生き物の行動パターンが見えてきた。
毎日、同じ道を通ることがわかった。
俺たちは大勢で待ち伏せすることにした。
大勢で待ち伏せしていると生き物が向こうから歩いてくるのが見えた。
仲間が生き物に襲いかかった。
生き物はびっくりしてUターンした。
逃げようとする生き物の後ろ足に仲間がしがみついた。
生き物の動きが鈍った。
その背中に仲間が次々と登っていった。
やっと生き物に追いついた俺も生き物にしがみつき噛み付いた。
生き物はしばらくのそのそとあるき続けた。
やがて静かに倒れ、動けなくなった。
生き物は大きくてとても持ち運べなかった。
俺たちは生き物を小さく切り刻み、家の中に入れる大きさにしてから運んだ。
すぐに腐ってしまいそうだったので家の外で干し肉にした。
生き物は大きかったので大量の食料のストックができた。
ある日、毒の雨が降ってきた。
毒の雨を浴びてしまった仲間はバタバタと倒れていった。
助けようと仲間に触れてしまった者もまた倒れてしまった。
仕方がないが放っておくしかなかった。
毒の雨は家の中にまで入ってきた。
俺たちは毒の雨の届かない家の奥に非難した。
毒の雨に触れてしまうと死んでしまう。
俺たちは外に出るための通路を作ることにした。
何日も作り続けやっと外に出ることができた。
俺たちは毒の雨に侵された家を捨てた。
また新しく家を作り始めた。
子供たちの部屋は家の奥にあったので大勢の子供たちが生き残った。
俺たちは子供たちを新しい家に運び込んだ。
しばらくすると、集めてきた食料に毒が入っていた。
毒入りの食料を食べた仲間はバタバタと死んでいった。
仲間を助けようとした者もまた倒れた。
毒入りの食料を食べたものを触ると自分まで死んでしまう。
家の中ではあちらこちらで毒に侵された者がのたうち回っていた。
もはや、家の中は危険だった。
やっとの思いで俺は家の中から逃げ出した。
逃げ出すことができた仲間はわずかだった。
とにかく、毒のないところに逃げなければいけなかった。
俺たちは草むらの中を歩き続けた。
数日、歩き続け、やっと少し開けた土地についた。
今度こそ、この土地で生き抜いてやる。
俺たちはどこでもそうやって生き抜いてきた。
俺たちはまた食料を集め、家を作り始めた。
その頃、テレビではニュースの映像が流れていた。
「国内でヒアリ500匹が見つかりました。
すでに駆除されましたが、周辺を再度、調査する予定です。」
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