メディアグランプリ

ホイールローダーが行く


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:細谷佳子(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
こどもたち諸君、明日はいよいよディズニーランドに行く日です。
風邪はひいていないですね? おかあさんが作ったしおりは読みましたね? 明日の朝はとても早くに出発するので、今日は速やかに眠ること。おかあさんたちも9時には寝られるように、やることを調整します。
 
今回のディズニーランド行きが決まったのは、まだ5月の頃でした。おかあさんは突然ディズニーランドに行きたくてたまらなくなり、「行きたい!」と手帳に書いたら、次の日に旅行会社から「ディズニーランド近くのホテルが半額で泊まれますよ」と広告メールが届いたので、その場で予約をしました。
本当はおじいちゃんとおばあちゃんも一緒に行くはずで、ディズニーが大好きなおじいちゃんはそのために脳梗塞後のリハビリを頑張っていたのだけれど、おばあちゃんが疲れちゃったので、今回はキャンセルにすることになりました。おじいちゃんたちには、あなた達が楽しんでいるところを写真に撮って見せてあげようと思います。また今度、一緒に行こうね。
 
さて、あなた達3人を連れてディズニーランドに行くのは初めてなので、おかあさんは相当ドキドキしています。だってあなた達はまだ小学校にも行ってなくて、エフが5歳、エイは3歳、エイチは2歳。おとうさんとおかあさん、大人2人で目が届くでしょうか。
あなた達と一緒に行って、みんなで楽しめるかな? とおかあさんはドキドキがとまりません。そのせいで3日くらい前からよく眠れなくなってしまっているくらいです。エフは幼稚園の一泊保育の前の日に、同じようになっていたからわかるかな?
 
みんなで楽しめるように、おかあさんが思いついたことは色々やってみました。
例えばエフにはミニーマウス風、エイにはデイジーダック風のスカートを作って気分を盛り上げたり。喜んで毎日のように着てくれたので、おかあさんは嬉しかった。まぁ、元々あなた達はディズニー作品が好きなので、きっとパークの雰囲気にはすぐ馴染むでしょう。それでも世の中にはキャラクターの着ぐるみを見た小さい子が、「思ったより大きくて怖い!」と泣いてしまう現象があるので、エイチには前に行った時のアルバムを見せて、これもまたミッキーですということを教えてあります。子ども向けのディズニーランド紹介絵本でも色々予習したね。
それに、当日の目標は「キャラクターからサインをもらって雰囲気を楽しむこと」にしたので、あなた達がアトラクションの列に並べなくても問題ありません。あなた達の「これ欲しい」攻撃に耐えうるだけの散財の覚悟もできています。たくさん歩いて疲れた時に、ご飯を食べるところを探してウロウロするのも大変なので、ショーレストランも予約しました。エフは前に行ったときに2歳だったけど、ミニーの隣で一緒にダンスをしたね。明日はエイもできるかな?
 
こうやって振り返ってみると、おかあさんは今回のディズニーランド行きに相当な気合が入っているようです。でも、おかあさん自身にはあまり自覚がないのです。これはどうしたことでしょう。
 
多分だけどね、人って本当にやりたいことにはどうやったって道を作ってしまうんじゃないかしら。ほら、エイチが図書館で借りてきた本に載っていたホイールローダーみたいに。
ホイールローダーって、前にでっかいチリトリみたいなところが付いていて、そこにたくさん土をすくいながら進んでいく工事車両だね。目の前にたくさん積みあがっている土を平たくならしながらすくい取って、他のところに移して、またすくって移して……って繰り返しているうちに、道ができる。
きっと人もそれと同じように、やりたいことの前に積みあがっている問題を取り除いて、道を作れるようになっているのじゃないかなと思うんだ。
 
ほら、おかあさんは「行きたい」って思った時に、ディズニーランド近くのホテルに安く泊まれる案内を受け取ったでしょう? それは別におかあさんが行きたいと思ったからホテルが安くなったわけではないの。けれども、おかあさんが行きたいと思ったから「家族5人でお泊まりディズニーをするにはお金がたくさん必要」という問題に対して、「ここなら安く泊まれる」っていう解決方法……つまり道を作る方法に気が付いたんだね。
特に気合を入れていたつもりはないのに「こうしたら当日、あなた達も一緒に楽しめるんじゃないかな?」というアイデアを色々思いついて実行できたのも、同じことなのだろうと思います。
 
そうやって考えると、うまい具合に力が抜けるね。明日、何が起こるかはわからないけど、きっとホイールローダーみたいに問題を取り除いて進んでいけるはず。うん、きっと大丈夫!
よし、そしたら明日は元気な体とみんなで楽しむ心を持って、全力で楽しもう!
 
 
***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

http://tenro-in.com/zemi/38451

天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
東京天狼院への行き方詳細はこちら

天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階

天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5

【天狼院書店へのお問い合わせ】

【天狼院公式Facebookページ】
天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。



2017-09-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事