書くことも、聞くことも。上達を目指すならば、基礎、基礎、基礎。
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【10月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:桝田綾子(ライティング・ゼミ特講)
「はーい、ではそろそろお時間になりましたけれども大丈夫でしょうか」
一ヶ月ぶりに聞く、川代さんの声から動画の講義が始まる。
7月末にライティング・ゼミ本コースを終えてまだ曖昧な感覚がある……、もうちょっと明確につかみたい、と申し込んだライティング特講。
天狼院書店のライティング・ゼミはABCユニットに始まりABCユニットに終わる、と私は思っている。ならば5つある特講のうち、ABCユニットから始めなければ。
ABCユニットは、本コースで概念としては理解している、と思う。でもいつも明確な目的をもってつくることができるか? ABCユニットを元に文章を書けるか? というと、途端にぼやりと頭に霞がかかるようで。本コースの間、なんとなく……、でやり過ごしてきたものを、しっかり身につけたい! たのもー!! という気持ちで動画を視聴し始めた。
「プロは基礎がしっかりしているからプロ。基礎が崩れない」
「とにかく基礎をしっかり訓練する」
三浦さんのそんなお話から、本コースでは語られていなかった、より詳しい講義や解説が展開されていく。
基礎をしっかり訓練する、というお話を聞きながら、今学んでいる別のこととまったく同じだ、と、ふとライティングではない体験を思い出した。
私は今、クリーン・ランゲージという、人をサポートするための心理技法=話の聞き方を学んでいる。相手の話を反復して、決まった方法で問いかけを行うことで、話をする相手が意識無意識で望んでいることを、その人自身が自分でより明確にしていくことを助ける技法だ。
昨年9月から学び始めて、あなたは一定の水準を満たすセッション(相手の話を特殊な方法で聞く時間のことを心理業界の用語でセッションと言う)ができる、という認定を3月にいただいた。
けれど3月の時点で自分はまだまだ習熟していない、今回はたまたま水準を満たすセッションができたけれど、いつもできるわけではない、という感覚があって。
いつも水準を満たすセッションができるようになりたいと、そのあとも、毎月行われる練習会に参加したり、学んでいる人たちと一緒に練習をしたり、先生がセッションをしている動画を見たり、ということを続けている。
練習する中で、セッションの途中で行き詰まって言葉が出てこなくなったり、なんのためのセッションだったか、目的から外れたセッションになってしまったり、ということを何度も繰り返してきた。
そのたび、行き詰まりや目的から外れてしまったのは何が原因だったのか、どこでつまずいたのかを振り返ってみると、たいてい難しいことではない。
ほとんどの原因が、基礎として学んだことの理解が充分でなかったか、意識できていなかった、あるいは理解していても使うことができなかった、など「基礎が実際にはできていない」ことだ。
自分のまだ確かではない基礎がどこであるか特定して、次は気をつけよう、今回はできたな、ここがわからない、そんな風に練習と復習を繰り返している。
「綾ちゃん、そろそろお金をいただいてセッションをする、ということにチャレンジしてみるといいタイミングじゃないかしら」
先日の練習会のあと、先生にそう声をかけられた。練習会で先生に私の行うセッションを見ていただいた帰り道のことだ。
たしかに最近は、セッションの途中で行き詰まることも、なんのためのセッションだったか忘れてしまうことも、いつの間にかなくなっている。もし行き詰まり、困ることがあったら、その時どうすればいいのか、身体と口がわかっている感じがある。
これは実際にセッションするという経験と、ある程度の時間が経ち基礎の理解が深まって得られた「いつの間にか」。
もっと上達したいという気持ちは変わらずあり、ここがまだ不確かだ、という部分もあるけれど、一定水準のセッションをすることができる。もし崩れたらそこから立て直すこともおそらくできるだろう、という基礎の土台が以前よりしっかりと自分の中につくられている。そして練習を続ける限り、この土台が今以上に揺らぐことはないだろう。
ライティングも同じで、やはり基礎が大事なのだなと、特講で久しぶりの三浦節を聞きながら思う。
今回特講の講義を視聴したおかげで、本コース終了時点でABCユニットについて頭に霞がかかっていた部分も、だいぶ晴れてきた。練習する時の元となる基礎がどんなものなのか、何を意識してABCユニットをつくればいいのか、今までよりはっきりと理解できたような気がする。
この基礎を意識して実際に書いていくことでよりつかめることができるようになる、はず。
基礎を理解する、基礎をやってみるとは、「自分独自の」を一旦すべて横に置いて、教わることをただそのまま、その言葉や概念のまま素直に理解しようと努める、やってみようとすること。「素直に、そのまま」を妨げる「自分独自の」という癖がいったいなにか、に気づくこと。ライティングも、クリーン・ランゲージも、そこがまったく同じだ。
いつでも立ち返るのは基礎。
ライティングの場合、もし書いたものがおもしろい文章、記事として成立しないのであれば、基礎が不確かなのだろう。とにかく書くという経験をして、失敗する、うまくいかない中で、基礎として教わったものの中で自分が見落としているものがなにか? 意識できていなかったものがなにか? と振り返っていくことができたら、セッションと同じようにきっと上達していくに違いない。
基礎。基礎。とにかく基礎。
あ、他の特講のテーマも基礎についての深い理解、であったような……となるとぜんぶ受けなければならないかも?
むむむ、悩ましいけれど自分のペースで、まずは今回の特講で理解したことを意識して書いていこう。
基礎をしっかり、ひとつずつ。セッションと同じように、自分の土台になるまでひとつひとつを確かにしていくことが、私にとってはライティングが上達する近道だと思うから。
ライティングでも「いつの間にか」が来るかもしれないと楽しみに、書き続けていこう。
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