ライティング、それは溺れもがく水鳥のように
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【10月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:吹田ログ(ライティング・ゼミ平日コース)
文章を書くこと、それは私にとっては体液を絞り出すような苦行のような作業である。
それは文章の短い長いに限らずである。短いものならメモや年賀状の一言に始まり、長いものならかつては読書感想文や論文、今では仕事の企画書や報告書など様々と書く機会が、それも年がら年中ある。それはもちろん、私だけではなく、これを読んでいる皆さんにも、それも一生つきまとうものだ。人は成長していくのに、なぜかコレだけ成長が見られない。今だに試行錯誤し続けているのが、文章を書くことなのだ。
思い返してみれば、毎年忌まわしい年の暮れの年賀状。あけましておめでとう……。その後が続かない。「えっ!?」と思われるかもしれないが、そんな状況なのだ。近況をひとつ決めて複数の人に対して同じ文章をかけばいい、そう割り切るのもひとつの手だ。でも人数はかなり絞っているのだから、もう少し気の利いたことも書きたいし、なかなか会えない人にそんな一言だけというのも失礼だという思いが先行する。しかし結局は大したこともかけずに、それも年を越すまでの時間をかけて、いや正確には長い時間年賀ハガキを眠らせてから書き、ポストに投函なども毎年の恒例である。
ほかにも読書感想文、小学生の頃は母親に文字通り見下されながら、毎年チェックされたものだ。今思えばこれが文章をかけないトラウマかもしれない。言うなりに、わけも分からず泣きながら書いた原稿用紙3枚に渡る文章は学校の枠を超えた賞を取ってしまった。なんともバツの悪い、小学1年生ながら妙なものを背負ってしまった感じがした。それからというもの夏休みの宿題はコソコソと親が見ていないうちにテキトーに終えたものだ(笑)。
四十を超えた今でも企画書には自信がない。要点を得ずに説明もたどたどしくなることも度々。コンサルティングを生業としていてよいのだろうかと、毎度書いたものにゲンナリする。言い訳がましくなるが、歳を重ねるにつれ仕事は変わってきた。時代も変われば、世間から求められるものや考え方も変わっていく。それまではインテリアのデザイナーだったのが、いつのまにやら人のデザインの企画書をつくるようになり、今ではデザインのコンサルティングを行うようになっていた。当然、アウトプットは変わってくる。とにかく文章が多いのだ。デザインという絵ではなく、それを作る前のコンセプトや方向性をつくる仕事が多い。つまりそれは言葉であり、伝えるには文章が必要なのだ。時代の何を読み取り、何を伝えるか、絵にする前にそれを伝え、方向性をクライアントに伝えるのである。図面や絵で伝えられればどんなに楽か。絵や図で伝えるのとはスキルが全く異なる。使っている脳ミソも右と左で違うと聞いたことがあるだろう。人へのものごとの伝達内容を、右脳で表現していたものが、左脳で表現するという真逆と行ってよいかわからないが、それほど難儀なことなのなのだ。逆を言えば皆さんも、今言ったことを絵にしてくださいと言われたら、その難しさはわかるだろう。
毎日、もがいている。もとがデザイナーなだけに、ふるまいは水面をすすむ優雅な水鳥のような振りをして、水面下ではジタバタともがいている。短時間でパッとやったふりして、徹夜で企画書を作っていたりするのである。だけど、いつまでもこんなやり方は続かない。体力も落ちてきた。徹夜もキツイ。睡眠不足になりがちで仕事の質もいつ落ちるかわからない。なのに周りにはその素振りを見せられない、変なプライドが災いしたか、ついには不眠症に。このままでは壊れそうだ、というところまできた。
そんなとき、ふと天狼院のライティングゼミを思い出した。
これが特効薬になるということでもなく、なんとなく、なんとなく冒頭の説明を読んだみた。誘いの文句だとわかっているが嫌な感じはしない、べらぼうに面白かった。ゼミに参加してみたくなった。読んだ後、すぐに申し込んでしまった。それが今の状況を打開できると思ったか思わなかったか、関連性は思い出せない。単純に羨ましかった。内容が伝わってくるのが面白かった。夢が広がった。そして申込んだことを間違ったとも思わなかった。香ばしい匂いにつられて店に入ったような、本能に従ったような、ゼミは自分の中のジタバタの解消へとどこかで繋がるような気がしていた。
そして、どうだ。ライティングゼミを受けてみて。初回からなにか光が見えたような気がした。私にも書けるのではないか……。「自転車をこげるように誰にでも出来るよ」という励ましが自分を今まさに動かしている。パソコンに向かわせている。シンプルな文章を書くという作業は進めば進むほどノッてくる。仕事で使うような図も矢印の助けもない。ただただ文字を打ち込んでいくという作業がなんだか途中から楽しくなってくる。自分の考えをゆっくりとなぞり、正確にというには程遠いが、思いを言葉にしていくことは今までに無かった。今とても集中している。
ライティングが自分にとって当たり前のものになる。気負いなくサラリと、感じたことや考えたことを表現できるひとつのスキルとして持てるようになりたいと思う。いずれは、飛んでいる水鳥のように自由に生きられるかもしれない。
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