メディアグランプリ

人生はコーラで変わる


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【2月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:深澤智世(ライティング・ゼミ平日講座)

 
 
「いやーコーラ飲むといいですよ!」
ライティング・ゼミではじめて会った三浦さんの印象はコーラを美味しそうに飲む人、である。私はコーラが苦手なので、そんな美味しそうに飲めるなんていいなあと思った。
今日からこの人が私の先生だ。素敵な文章が書ける人になりますように。と願う。私は文章を書くのが苦手だ。だから全然書いたことも全然ない。でも文章で仕事がしてみたいと思う。我ながら無謀だなあと笑ってしまいたくなる。いいなあ、文章書ける人。私もなりたいな。そんな気持ちではじめた。
 
そしてゼミは始まった。毎週文章を提出しないといけないので、書かざるを得ない環境に置かれた。周りはコツを掴んだのかぐんぐん進んでいく。私はなかなか前に進めなかった。いくら書いてみても読みにくいと言われるし、たった一個の記事を書くのに何十時間もかかってしまう時もあった。ボロボロだった。いいなあ書ける人は。私と何が違うんだろう。そう思って掲載された文章を片っ端から読んでみた。すごくすごく面白くて泣いてしまった。こんな面白いもの追いつけるわけないじゃないかと思った。
 
そんな中、講義に向かう。机には黒い液体が入った瓶がたくさん並んでいた。ほのかに甘い香りが漂う。
回を重ねるごとにコーラを飲む人は着々と増えていた。掲載率みたいに。
とりあえず見よう見まねでコーラ飲んでみようかなと思うけど、小さい頃飲んで苦手だった味を思い出す。やっぱ無理無理。
「周りでは一回は掲載されたよ!」みたいに笑顔で話している人たち。やっぱり才能ないのかな。辞めちゃおうかな、なんで思うけど貧乏性なのでかかったお金を思い出す。4万円。大学生には結構ダメージが大きい金額だ。
そう思いながら講義を受けパソコンをカタカタ打つ日々。
そうやって伸びないなりに唸って泣きたくなって下手な文章を出してと繰り返す私に転機が訪れた。
 
それは寒い冬の授業の日だった。
実はコーラがたくさん並んだ机を見てからずっと直接会場に行かずに通信で受けていた私が、それだと授業に間に合わず渋々行った日のことだった。
今日もたくさんのコーラの瓶。美味しそうに飲む三浦さん。
「今日のワークショップはめっちゃ脳を使うから糖分補給してくださいね。おすすめはやっぱりコーラですね。糖分もカフェインも入ってるし、炭酸もあって目も覚めるし脳に糖分もくるしいいですよ」
さらっといい感じに宣伝されると、ワークショップ前にレジにコーラを求める列が出来ていた。
糖分を取るには飲むしかないなとふと思った。勇気を出して「コーラ一つ」と言った。店員さんは柔らかい笑顔で会計をしながらサクッと栓を開ける。
ふわっと合成調味料の甘い香りがして静かに炭酸の泡がぷつぷつ言っていた。
瓶のふちに唇をつけるとひんやりと冷たい。喉が引きつる。
さあ、一口。
ゴクリ。
あれ? 案外いけるかも。あんなに無理だと思っていたのに。全然美味しいじゃん。しかも色々カフェインとかも入っているし。
気づいたらグビグビとワークショップ前に瓶一本飲み干していた。ええ!!!
思わず小さくガッツポーズをした。自分に感動してしまった。
ワークショップが始まる。コーラ効果なのかスイスイ書ける。今までこんなに苦労したのにと思いながらペンを動かす。
あっという間の時間だった。ずっと出来ないと思っていたことができた。
 
私にとって文章を書くことはコーラを飲むことと一緒だった。
勝手に苦手だと思って書くことをせずに、逃げてばかりだった。
できる人を羨むだけで何もしなかった。コーラを飲もうとしなかったように。
しかも私は文章を書きたかった。やりたかったのだ。
そしたらやるしかないのだ。書くしかないのだ。
苦手って思うこともとりあえず一歩踏み出してみないことには何も言えない、なんて当たり前かもしれないけれど、それを私はこのゼミで身をもって感じた。でも多分これは最初の一歩を踏み出したにすぎないのだろう。人生が変わったなんて思えるのは随分後になりそうな気がする。そう言える時のために私はただひたすら書く。前へすすめ私。
 
 
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2018-02-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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