東洋医学に遅れをとる風水
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【2月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:井上 馨一郎(ライティング・ゼミ平日コース)
私は、一級建築士でありながら、毎日風水の相談を受けています。
なぜなら、私の提供する風水は、東洋医学と同じだからです。
もともと、建築の設計をやりたくてデザインを勉強し、大学まで通ったのに、何故か設計ではなく、風水の相談を受けたり講座ばかりしています。
私の妻は、結婚する前に「占い師と結婚するんだって!」と言われたそうです。
建築士として独立していたにも関わらず……。
風水のイメージは占いだったんですね。
あなたは風水にどんなイメージを持っていますか?
「黄色い財布で金運アップ?」若しくは、「鬼門にトイレがある間取りはよくない!」というイメージを持つ方が大半ではないでしょうか。
前者のイメージは、女性に多いのですが、もっと運気を上げたいと言うような前向きな捉え方をする風水ですよね。後者は、建築や不動産関係者の多くが持つイメージですが、家を選ぶ時になると気になるネガティブな風水です。
同じ風水なのに両極端なのです。
私は、建築業界にいますので、風水をやってますと言うだけで白い目で見られます。建築や不動産業界で風水は、タブーなのです。なぜなら、機能的で良いデザインの家を設計しても、風水的に間取りが悪いからと言って、設計をやり直させられたり、不動産の物件を探す際、地図に放射状の線が入った地図を持参し、この範囲で探してくださいと言われたりしますので、この業界で風水は、面倒くさいものであり、出来れば関わりたくないものとなってしまっているのです。
あなたも、家探しをする時に、風水が気になっても不動産屋さんに言いにくかったりしたことはありませんか?利用者側の多くの方は、運気があがったり、良いことがあるのなら、風水を取入れたいと思っているのに……。
なぜ、このような需要と供給になってしまったんでしょう? 残念でなりません。
本来の風水は、稲作を起源とする古人の智慧です。自然の法則を、人が利用出来るようにした学問で技術なのです。風水は、天体の動きや地形を自然の法則として読み解き、環境を整える為に活用します。この自然の法則を学問とし活用する考え方は、東洋医学と同じです。身体を整える技術として、東洋医学では自然の法則を用います。その根底にある共通の考えは、バランスを取ることとでしょう。
このような東洋医学と同じ捉え方をする風水が、部屋の間取り見て、「東北の鬼門にトイレがあるからダメだ」というような、いたずらに批判をするだけのものになってしまっている現状を、私は憂いています。批判をするだけでは解決策がないため、多くの方が風水で不安になってしまっています。しかも、建築や不動産の専門家は、風水を嫌っていて相談できませんからなおさらです。現代の風水相談は、病院に行って、生活改善の方法の指導もなく、薬ももらえずにただ病気だと言われるようなものです。
東洋医学では、病になる前に未然に防ぐ方法を提案し、もし病になっても自然の中に存在する力や物を用いて、全体のバランスを整えることで身体の不調を改善するもので、風水も全く同じです。
間取り等の良し悪しを判断するものではなく、人が住みやすい環境を整える方法が提案でき、もし、環境が悪い場所に住んでいても、バランスを整えることで住む環境の不調を改善することが出来るものなのです。
そんな風水であれば、悪いと言う事にも原因があり、原因があれば対策も出来るので、どんな相談にも解決策を提案できるのです。
繰り返しになりますが、風水は、環境を整える学問であり技術、東洋医学は、人体を整える学問であり技術なのです。整える対象が身体か環境かと違うだけで、全く同じ考えに基づいています。
しかし、風水は、「信じるか」「信じないか」という世界観で見られます。これは、提供する「人」を信じるかどうかと言うことで、根拠があるものだと知られていないためだと気づきました。
東洋医学は、古人の智慧としてだけでなく、現代に合うものとして、医者などの社会的な地位を持つ人々によって研究されています。しかし、風水は、身体よりわかりにくい目に見えない環境も扱いますので、スピリチュアルや占いとして扱われがちです。現代では殆ど検証もされていないのではないでしょうか? それでは、迷信や占いと言われても仕方がありません。
東洋医学とは違い専門家がいないのです。占い師以外には……。
そこで私は、東洋医学がこの20年程で築いてきた社会的地位の向上に追いつけるように、タブーとされている建築や不動産業界の中で風水の専門家の育成を行う活動もしています。
誤解を恐れすに言えば、国を動かす立場の人が用いていた風水は、影響力が強いために本来の姿では残ることが出来なかったのかもしれません。私は、個人を見るより大きな世界観をもった風水は、専門家が現代のものとして検証し、再構築することで、東洋医学にも勝る技術として多くの方に活用される世界を望んでいます。
***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
http://tenro-in.com/event/44700
天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
東京天狼院への行き方詳細はこちら
天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
【天狼院書店へのお問い合わせ】
【天狼院公式Facebookページ】
天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。