【健康オタクが健康になれない理由】
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:釣部人裕 (ライティング・ゼミ平日コース)
「私って、健康オタクなんですよ……」
「この前、テレビで見たんだけど……」
「ある雑誌で読んだんだけどさ……」
などと、私にあちこちで仕入れた健康に関する情報・知識を教えてくれる友人が私の周りには数名いる。
「健康オタク」レベルなら、まあ、話を聞いてもいても楽しいが、中には、どんどんエスカレートして、「健康病」と呼んでしまいたくなる人もいる。
ここで、どのような人が健康病の予備軍かその症状を紹介しよう。
4つ以上当てはまると要注意だ。
【症例一】健康に悪いといわれることはまずしない。
【症例二】体に良いと聞けばすぐ試す。
【症例三】人には絶対譲らない、私の健康法を持っている。
【症例五】とにかく健康のためには運動を、運動愛好家。
【症例六】まずは、薬を飲んで、お薬愛好家。
【症例七】癒し系? 休息通。
【症例八】趣味が健康の秘訣と思っている。
【症例一~八】を読んで頂いて、すでにお分かりだと思うのが、結局のところは、「健康病」の方々は、健康な体とは全く無関係なことを一所懸命に健康のためにしている症状である。
何のために健康になりたいのか? 結局のところは何かをするための手段であったはずである。それが、健康になることが目的になっている人たちが、「健康病」の人たちの特徴である。健康に良い情報は見逃さないように必死、何もかもが、健康に生きるために……。
まるで、健康のためなら死んでもいいというような……人生。
実は、そういう人たちは、食べることで頭の中が一杯である。どのように一杯なのか。それこそが恐れなのである。
食卓を囲んで、今日あった出来事など楽しく分かち会いながら、お箸やフォークで食べ物を口に運ぶけれど、その都度一口ごとに、何を思うか。
食べ過ぎてはいないか。野菜は十分取ったかしら。
とにかく、このサラダだけは食べておこう。それにしても、ドレッシングがきついわね。
私の体には、これは負担過ぎるわよね。もっとあっさりしたものが私には必要なのよ。
麺類も大好きなのだけど、糖質制限中。
ケーキも食べたいし、コーヒーだって飲みたいし、本当はコーヒーにミルクと砂糖をタップリ入れたいのだけど、午前中にも一杯飲んだことだし、今はやめておこうかしら。
もう毎日のように、アルコールを口にする機会が多くて、一応付き会いもあるし、無下に断ってばかりは、おられないことぐらいわかってはいるけれど、本当に毎日。今夜はパスしようかな。でも、友達の誕生日だし……。
あれ、考え事をしているうちにケーキをこんなに食べちゃった。
ケーキは別腹よ。
えーい、コーヒーの残りも全部飲んじゃえ。
こんな風に。これくらいなら、まだマシの方で食品ごとの栄養や、カロリーや、ビタミンや、ミネラルや、たんぱく質や、食物繊維など、それに鮮度や、食品添加物や、防腐剤や、着色料や、もう、ありとあらゆる自分の持つ情報が、お箸やフォークと共に食べ物にまとわりついて、口に運ばれるのである。
一口食べるごとに、おなかがふくれるよりも、頭の中が恐れでふくれていく。
誤解を恐れずに言えば、まるで、知識の奴隷。
世をあげての健康ブームだ。雑誌、テレビには健康によいというさまざまな食品が紹介される。ポリフェノールがよい、ココナツオイルがいい、スムージーがよい等々、枚挙にいとまがない。
健康を気にして、よいと言われるものだけを食べ続けたら、果たしてそれで健康になれるのか? 決してそんなことはない。
逆に医学的に、摂ってはいけないとされるものもある。そういうものは食べてはいけないのか? 確かに、それだけを毎日毎日、大量に摂り続ければ、問題かもしれない。しかし、そういう極端なことをしない限り、健康にはまったく害はない。
結局、好き嫌いせずに、何でもよく食べるのが、一番よいのだ。
食物の好き嫌いをせず、食べ過ぎず、出されたものは何でも感謝して喜んで食べる。
とくに「喜んで感謝して食べる」ことが健康の秘訣である。
知識の呪縛から自らを解放し、体の声を聴くことだ。
眼が覚めたら、布団から出て、時間で食事をとらず、お腹がすいたら食事を摂る。今は何を食べたいのかな? と体に聴いてみる。食材も、お財布と相談しながら、できる範囲で新鮮な自然農のモノを摂る。夜は、眠くなったら寝る。
食事は、昼食時間が決まっている、という方は、その時にお腹が空いていなかったら、食べなかったらいいのだ。別に死にはしない。逆に、夕食をおいしく食べられる。
それが、天と土の恵み、そして多くの人たちの働きがあってこそ、目の前に食事が運ばれているのだ。その当たり前の事実に気づけば、自ら感謝の気持ちが湧いてくるであろう。咬む回数も自ずと増える。心の中で「あ・り・が・と・う・ご・ざ・い・ま・す」と言いながら噛めば、10回噛んだことになる。2回言えば、20回噛んだことになるのだ。
「いただきます」の言葉に心がこもるであろう。
***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
http://tenro-in.com/zemi/47691
天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
東京天狼院への行き方詳細はこちら
天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
【天狼院書店へのお問い合わせ】
【天狼院公式Facebookページ】
天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。