ダーツで得られる思わぬ学び
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:藤原 裕也(ライティング・ゼミ日曜コース)
「同じ動作で3回投げられるかどうかですよー。そのためには反復練習あるのみです」
どうしても自分の投げるダーツが思った方向に飛ばなくて、半分愚痴っぽくダーツバーのマスターに、「ダーツってどうやったらうまくなるんですかねー?」って問いかけてみた返事がこれだった。
途中にブランクがあったりしながらも、自分はかれこれ10年近くダーツを続けているのだが、なかなかうまく投げられない。ごくまれに自分の思ったところに吸い込まれるように刺さることはあるのだが、大抵思い通りに飛んでいってくれることはない。
逆に、一緒にやった人が「初めてなんですよー」って言いながら、自分よりも良い点だった、なんてことはよくあることで。
ダーツには中心を狙って得点を稼いでいくゲームや、決まった数字から得点を減らしていって、最終的にはゼロにするゲームなどがあり、基本的にはダーツボードの中心が一番得点が高いルールのゲームが多い。
なので、ダーツボードの中心を目掛けてダーツの矢を投げるのだが、ちょっと力が入ったりするとすぐに真ん中からズレてしまう。時には力が入ってしまってすっぽ抜けたり、途中で軌道が下がっていって、あさっての方向に飛んでいったりするし、下手をするとダーツが全然飛んでいってくれない。
それでもなんとか良い点を取りたいとか、対戦相手に勝ちたいという一心でひたすら真ん中を狙っていくと、まれに「このスローめっちゃ良い!」とか「このリズムで投げると真ん中に吸い込まれていく!」ということはあって、「よっしゃー! やってやったぜー!」「楽しいー!」っていうその一瞬は楽しくて仕方ない。
ただ、そのワンスロー、もしくはその1セットだけでその後はなかなか続かない。ごくまれに3本とも中心に入ったりすることはあるが、そのあとがバラバラに飛んでいってしまうことがほとんど。とにかく安定しなくて、遊びながらも「悔しいなーなんで入んないだろうなー」と悩んでしまったりする。
そんな思いを抱えながら、ダーツバーに来ている他のお客さんの様子を見ていると、真ん中や狙っているターゲットにバンバン入っている人がいて、その人の投げ方を見ているとフォームに全然ブレがなくて、「綺麗なフォームで投げられて凄いな……」と羨ましく思ってしまう。あんな風にダーツを投げられたらさぞ気持ち良いだろうなーって。
もう一度マスターに問いかけてみた。「やっぱりダーツうまい人のフォームって綺麗でブレないですよねー?」
「まぁそういうふうに見えますし、もちろんこの構え方がブレにくいとかはあります。ただ、プロのプレイヤーでも綺麗とはかけ離れたフォームの人いますよ。フォームに正解があったら、みんなそのフォームで投げてるし、今のところはそれが見つかってないですよね」
確かに。構え方、角度、腕の振り方とかまったく同じフォームで投げてる人に出会ったことはない。自分から見たら考えもしないフォームで投げていても、それでも入る人はバンバン入るし、そうじゃない人は真ん中から全然離れたところに飛んでいったりする。
「ただうまい人は、常に同じフォームで投げられるんですよ。だから同じところに飛んでいくんですよ。これって反復練習の積み重ねでできあがるものです」
合点がいった。常に同じ結果を得ることができるようにするためには、同じ動作をしなければならないし、常に同じ動作をするためには、その動作を体に染み込ませるだけの練習が必要なのだ。そして単に練習をしていればその結果を得られるのではなく、その練習の成果を出せる状態に自分を持っていく必要があるんだと。
常に同じ動作を繰り返すために、最初の形が作れているか、構え方、角度、腕の振り方がいつもと同じか、もし違っていたらそれに気がつけるか、競っているときにも冷静にいつもと同じように投げられるか、投げた後の結果を自分の振り返りに反映できるかどうか。
これってダーツに関係なく様々な場面で必要なことだなって思えた。ダーツを通して、社会人としてだけではなく、世の中でいきていくために必要なことの一部を実践出来ているような気がした。遊びながらこういった鍛錬ができるって、なんて一石二鳥なんだろうって思えた。
もちろんダーツバーはいろんな楽しみ方があるので、お酒を飲みながらワイワイ投げるのも楽しいし、常に競技として真剣勝負でやる必要もないし、自分もそんな楽しみ方をすることはある。
ただ、もしちょっと遊んでみて、上手になりたいと思ったり、新しい趣味として自分を試してみる、集中力を高めようとしてみる、誰々には負けないっていう負けん気を作り上げる一つとして、ダーツバーに通ってみるのはちょっとオススメしてみたい。
「3回とも同じスローが出来るように反復練習あるのみですよ。なので店に通ってくださいね」
マスターの言葉を信じて、もうしばらく通ってみようと思う。
***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
http://tenro-in.com/zemi/47691
天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
東京天狼院への行き方詳細はこちら
天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
【天狼院書店へのお問い合わせ】
【天狼院公式Facebookページ】
天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。