鍼治療で学んだ、思い立ったらすぐ行動!
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:白須 絵里子 (ライティング・ゼミ 日曜コース)
「鍼でキズをつけて治す?! それってどういうことですか?」
昨年の6月のはじめ頃だったと思う。私は友人が紹介してくれたバレエをしている人がたくさん通う鍼灸治療院を訪ねた。
私は趣味の大人バレエを楽しんでいる。年に1度大人のためのバレエ発表会があり、その練習がはじまっているのだ。発表会までの期間は中学、高校の部活動のように、練習量も多くハードな毎日だ。
治療院を訪ねた理由は4月末ごろから左足首の内くるぶし辺りに違和感を感じていたからだ。最初は歩くときに少し引き攣れたような感じがあるだけだったが、バレエのレッスンを受ける度にその引き攣れ感、張りは強くなっていた。
9月18日が発表会。練習は5月半ばから少しずつはじまり、6月にはいると本格的になる。
練習量も普段の倍以上だ。
普段のレッスンは週1~2回1時間半。6月からは週3~4回、2時間~3時間はスタジオにいる。
「痛みを取るには鍼治療は効果がある」その話をきいて治療院を訪ねたのだった。
足首の違和感は、知らない間に足首の靱帯を傷つけ、時間の経過とともに傷口が治っていく途中だったことが原因だった。
問題は傷口が治るときに足首を固定していないので、本来の位置とは少しズレた位置で靱帯がくっついていた。
なので、歩く度、レッスンで足首を曲げ伸ばすたびに違和感があったのだ。
今のままでは足首が十分に曲げられない。治すためにはもう一度足首の靱帯にわざと傷をつけて、正しい位置で固定して靱帯がくっつくのを待つ。
しばらくの間足首は出来るだけ動かさないようにすることが必要だった。
今から足首の靱帯に傷をつける?! 治るまでにどれくらいの期間がかかるのだろうか?
発表会に間に合うのか?
練習の時間はとれるのだろうか?
頭の中は「?」マークでいっぱいになった。
が、迷っていても仕方がない。1日も早く治して発表会の練習を始めたい。そう考えて決断した。
足首をアルコール綿で消毒。細い、細い鍼で左の足の内くるぶしの下を数カ所つついた。
痛みはさほど感じなかった。
「これで大丈夫だ」
足首はテーピングで左右にグラグラ動かないように固定された。歩くことには支障はなかった。
1週間後テーピングで足首を固定、その上からサポーターをはめてレッスンに出た。
1週間おとなしくしていたから、もう大丈夫だろうと思っていた。
足慣らしのあと、発表会のレッスンが始まった。
今日は団体作品の振り付けなので、6人が同じ振りで踊る。
「痛い!」先生が踏んだステップの見本を見て同じようにステップを踏もうとしたとき、
鋭い、太い針で突き刺すような痛みが左足首に走った。
くるぶしの下だけでなくそのまわり一帯だ。
振り付けは小さなジャンプの連続だった。他の人は皆軽々とステップを踏んでいる。ところが私はステップを踏もうとすればするほど、刺すような痛みが足首から拡がり、とてもじゃないけれど動けない。
その日は足を引きずるようにして帰宅した。
痛さのあまり、どんな振りがついたのか。どんなステップだったのか、まったく覚えていなかった。
普通に歩くだけなら痛みはない。だが、片足踏切のジャンプとなると、たとえ小さなステップでも、痛くて痛くて。他の人が簡単に出来ているステップが踏めない。
「歩くのは大丈夫ですが、ステップを踏むと痛みで動けないのです」
翌日治療院にいった私は先生に訴えた。
考えてみれば、鍼で靱帯に傷をつけているのだ。痛みが無いはずがない。痛みがとれるまでには日にち薬が必要とのことだった。
傷口が治るまでは痛みがひかない。だったら、下手に動いて傷口が治るのを遅くするより安静にして早く治したほうがいい。
そう考えた私はしばらく練習を休むことにした。
2週間休んだ。傷をつけてから3週間経つ。
「もう大丈夫かな?」練習を再開した。
やはり痛む。だまし、だまし痛みが酷くならない程度にレッスンを受ける日々が続いた。
足首の負担を考えて、ジャンプは全て省いた。体重が足にかからないように、体幹のトレーニングにも励んだ。
時間がない。とにかく振り付けを覚えなくてはいけない! 団体の作品は自分だけでないので、練習しないと他の人に迷惑がかかる。
毎日毎日があっと言う間に過ぎていった。鍼で足首をつついてから1ヶ月半が過ぎていた。
そんなある日、足首の痛みをほとんど感じないことに気がついた。
恐るおそる左足で踏み切りジャンプする。
「跳べた!」床をするように低くかったが左足の踏切ができた。
痛みがなくなると、躊躇なく踏み切れる。
「良かった~!」
本番まで後2週間と少し。この時期になってからステップの確認をした。
「出だしのここ、どうするの?」
ひたすら友人に聞いてまわった。
団体で踊る作品は皆が同じタイミングで同じ動きをする。
少なくても、6人多いときは30人近くの人数で踊る。顔の向き、カラダの向き、腕を挙げる高さ、タイミング。
できる限りすべてを合わせるのだ。
最後の2週間は生活のすべてをバレエの発表会にむけて調整した。
なんとか間に合った。よかった~
みんなに迷惑かけなくてすんだ!
こうして無事発表会を迎えることができた。
発表会が終わって考えたことは
足首がおかしいと気づいたときに、もっと早く受診すべきだったということ。
そうすれば、もう少し余裕をもって練習ができた。
私の悪いクセで、物事をついつい後回しにしてしまう。
今度から思い立ったらすぐに行動に移そう!
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