メディアグランプリ

50の手習いで手に入れた感動


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【12月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:太田晴信(ライティング・ゼミ木曜コース)

会社を辞めて起業をしたのが今年の9月。
この9月から始めたことが2つある。
ひとつは、天狼院のライティングゼミ。もうひとつがボイストレーニングである。
ボイストレーニングを始めたのは、これからバンドのボーカルでステージに立とうと決めたからではない。
滑舌が悪くボソボソしゃべっているので、話が聞き取りにくいことを指摘されたからだ。

実は、前々から自分の発声には自信がなかった。
レストランに行って、注文しようと「すみませーん」と何度声をあげても、店員さんに気づいてもらえない。
話しかけると、ほぼ毎回「はいっ!?」って聞き返される。
飲み会やパーティのような、ざわざわした場所だと、相手が聞き取りにくそうな顔をする。
他にもまだあるが、一番悔しいのが名前を間違えられるのである。
私は「おおたはるのぶ」というのだが、名前をいうと「はるお」とか「はるのり」とかいつも間違えられる。こちらはゆっくりはっきり言っているのだが、「はるのぶ」が相当聞き取りにくいらしい。名前を間違えられるというのは本当に悔しい。一番口にしているはずなのに……
そうしたら、ある人から「滑舌が悪いのか、声がボソボソしていて、聞き取りにくい」と言われた。
こんな言いにくいことを、あえて言うぐらいだから、いままで相当イライラしていたのだろう。
そうしたら8月に「セミナーしているところを動画で撮らせてほしい」と言われた。
後日撮った動画を私もいただくことが出来たのだが、その声を聞いて愕然とした。
「なんだこれ!? 聞き取りにくい!?」
滑舌が悪いのもあるが、声に抑揚がないので棒読みをしているのを聞かされている感じで、不快なのである。
これから独立して自分で営業もして、セミナーにも登壇するのに「これでは仕事が取れない」と危機感を感じボイストレーニングに通うことにした。
まさに50の手習いだ。

ボイストレーニングの体験レッスンのとき、40代の女性の先生がついてくれた。
「男二人で、防音された狭い密室でレッスンするのは嫌だな」と思っていたので、そこはよかった。
そして年齢も近く、はっきり言う先生で、相性も合いそうだったので、この先生にお願いすることにした。

まずは腹式呼吸の練習から。
腹式呼吸自信があった。昔から水泳をやっていて肺活量はあったし、吹奏楽部だったので腹式呼吸はさんざんやらされたからだ。
「あ~」と20秒発生させられるのも、なんなくできた。
「では、音程を取ってみましょう、キーボードの音に合わせて、まめみむまめみもむぅ~と発声してください」
「まめみむまめみもむぅ~」、1音上がって「まめみむまめみもむぅ~」、また1音上がるをくりかえして、1オクターブ上まで行く。
こうなると、普段ほとんど表情筋を使っていない私には、なかなか難しい。
早口言葉みたいな難しさもある。
しかし、2回3回と繰り返していくうちにだんだんできるようになった。
できるようになるのがうれしかった。

「では、今度はベロを使いましょう。やっはっはっはっ、よっほっほっほっ、いぇっへっへっへっを、キーボードに合わせて歌ってください」
これも「やっはっはっはっ、よっほっほっほっ、いぇっへっへっへっ」、1音上がって「やっはっはっはっ、よっほっほっほっ、いぇっへっへっへっ」と1オクターブ上まで行く。
滑舌の悪い私にとってベロつまり舌をたくさん使うこの練習は難解だった。
発声に気を取られるとこんどは音程が合わない。音程を合わせようとするとうまく発声ができない。
最初はかなり苦戦した。しかし練習していったら、だんだんできるようになった。
レッスンが楽しくなっていった。

発声練習だけではつまらないので、歌のレッスンもした。
もう10年以上カラオケにも行っていないので歌える歌などないのだが、高橋ジョージさんの「ロード」を選曲した。
最初は音程も取れてなかったし、高音はほとんど出ていなかった。抑揚もほとんどつけられなかった。
高橋ジョージさんには失礼だが「こんな難しい歌を歌っていたのか? 才能あるんだなぁ……」と思った。
しかし、先生が抑揚の付け方や高音の出し方を教えていただいたので、歌えるようになっていった。
そして1回目のレッスンのときより2回目のレッスンの方が明らかに歌えるようになっているのが分かった。
「ロード」を課題曲にしたので、家にいるときもYouTubeで「ロード」を聴くようになった。
そして、高橋ジョージさんがどんな風に歌っているか? どんな抑揚をつけているか?
注意して聴くようになった。

毎回レッスンが本当に楽しくてしょうがない。歌えるように話せるようになっているのが明らかに分かるからだ。
9月、10月、11月、12月の前半と10回のレッスンが終わって、新しい課題曲に挑戦することになった。
コブクロの「桜」。あえて難しい曲に挑戦してみた。

最近は、お店に行って店員さんに声を掛けると、気づいてもらえるようになった。
そして昨日、撮影したのと同じセミナーを今度は自分でカメラを回して、やってみた。
そして動画を確認した。
明らかに聴き取りやすくなっているのが分かった。
ヤッター!! 成果がはっきりと出たうれしさだ。
2歳ぐらいの子どもがしゃべれるようになって、大人が反応しているのをみて、うれしそうな顔をしていることがあるが、そんな感じが私もしている。
まだまだ、普通の人より滑舌がいいとは言えない。
しかし、レッスンは楽しいし、うまくなっていくのが体感できるのは本当にうれしい。

私の夢は世界中で登壇することだ。もっと舌使いが難しい英語も挑戦したい。
50の手習いだが、趣味ではなく実益になっているので、本当にいいレッスンをしていると実感している。

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2018-12-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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