リーディング・ライフ、新しいライフスタイルが今始まる。
「読書」という言葉が、なぜか、好きにはなれない。
「読書週刊」と言われても、なんだか、ピンと来ないし、どこか、苦役を負わさせるような気持ちにすらなる。
「読書をしませんか?」と言われても、「ボランティアをしませんか?」と同じような、「いや、別にいいです」と答えてしまいそうな響きがある。
「読書感想文」「読書週間」「朝読書」。
僕らは、小さな頃から「読書」というものが、潜在的に「厭うべきもの」となるような日常を歩んできたのではないだろうか。
けれども、多くのひとは、誰にも押し付けられない時間に、自分から恐る恐る本を読んでみると、思っていた以上に苦しくないことに気づくはずだ。苦しくないどころか、むしろ、楽しいことに気づいていくはずだ。
何も、早く読めることが偉いわけではないし、高尚な本を読まなくてはならないわけでもない。
自分の気に入った本を、自分が好きな場所で、好きなように読めばいい。
何かしないともったいないと胸騒ぎするくらいに天気のいい日に、好きな音楽を聞きながら、自転車で土手に行ってみる。
そのジーパンの後ろポケットの中には、ボロボロになった『グレート・ギャツビー』が突っ込んであって、土手に寝転びながら、もう何度目かわからないが、あのちょっと昔のニューヨークへと思いを馳せてみる。
何度読んでも色褪せない本に出会うと、忘却とは素晴らしいものだな、と心からうれしくなる。
帰りがけ、喫茶店の近くを通ると、ふと、きれいな女性が店に入っていくのが目に留まる。さっき土手で缶コーヒーを飲んだから、別にコーヒーが飲みたいわけではなかったけど、まあ、暇だからとその店に入る。
当たり前のように、本を読んでいる女性。ブックカバーもお気に入りの皮製のものらしく、音符型をした金のしおりも、きっとお気に入りなんだろうと思う。
また、ポケットから『グレート・ギャツビー』を取り出して何気なく読んでいると、性懲りもなく、また夢中になる。
もちろん、小説じゃないんだからそこから急展開があるわけじゃないけれども、なにか、満たされた気持ちで自転車で家へと戻る。
本を読む生活。
それは、きっと、何らかの豊かさをあなたにもたらすだろうと思う。
やがて、それがあなたのライフスタイルになればすてきなことだ。
本を読む豊かな生活。リーディング・ライフ。
そう、本を読むことは、生活の一部なのだ。
天郎院書店は、あなたのリーディング・ライフのお手伝いをする存在でありたいと思っている。
リーディング・ライフをサポートするために、様々なことをこれからやっていくつもりだ。
その中のひとつが、リーフレットであり、Web上の記事でもある、複合的なメディア「READING LIFE」だ。
そのためのページを、今回用意したので、ぜひ、見てほしい。
あなたの人生にとって、本を読むことが当たり前のことであり、同時にかけがえのないことであってほしいと心から願っている。