ゆえに、今日も僕はペンを磨く。〜ライティング・スキルを人生で最大限に活かす方法〜《1/18ライティング・ラボ》
ありていに言ってしまえば、僕は小説家になりそこねた類いの人間だ。
30歳にして、小説家になることを諦めた。
僕は大学も出ていないし、それまで20代のほとんどの時間を、小説を書くことに費やしてきたから、会社に就職しようとしても雇い入れてくれるところはどこもなかった。
仕方なく、起業した。
生きていくための最善の方法が、その当時の僕には起業しかなかっただけのことだ。
もちろん、そんな消極的な理由の起業がすぐにうまく行くほどに、世の中は甘いものではない。
すぐに資金が尽きた。
それまで目立たない人生の中でささやかに築いてきたささやかな愛情や、ささやかな信用を食いつぶして、明日、生きていけるかわからない状況になったということだ。
何とか食べつなぎ、何とか生きていけるかと思った矢先に、実に不本意な状況で、働く場所を失った。
寝耳に水の状況で、簡単にいえば、つまらない大人の政治の力が背後で作用して、再び、僕は窮地に立たされた。
そのとき、僕の個人口座と会社の口座には、合わせて15,000円ほどしかなかった。
なぜそれを鮮明に覚えているかといえば、弟の結婚式に、新幹線で帰ることができなかったからだ。
ご祝儀を渡すことができなかったからだ。
明日もまったく見えない状況で、個人のブログに一本の記事を上げた。
2012年1月4日のことだった。
それがこの記事だった。
「三浦書店、立ち上げようと思います」
実をいえば、この記事は誰かに見せようと思って書いたものではない。
自分自身の覚悟を、自分自身に対して書いたに過ぎない。
これが、思わぬ反響を読んだ。
これを書いた翌日の朝、とある大きな出版社の幹部の方が僕の前に現れた。
「三浦さんの想いを応援したい」
それを機に、主に出版業界の方に応援して頂けるようになった。
と言っても、簡単な話ではない。
書店どころか、僕は自分を養う術も失われようとしていた。
生きていくための仕事ときっかけを、様々な方に与えてもらった。
けれども、もちろん、書店を創るには僕にとっては莫大な資金が必要で、それを集めるには銀行を説得しなければならず、そのためには高い利益を出しておく必要があった。
そのとき、本当は自分を鼓舞するために書いたのが、この記事だった。
書店人に告ぐ
この記事は、当時サーバーがダウンするくらいのアクセスになり、僕のポジションが大きく変わるきっかけとなった。
書店業界に、なんだか変わったやつが出てきたらしいと知られるようになった。
それをきっかけとして、仕事を多く頂けるようになった。
ライティングの仕事、販売戦略の仕事、休むまもなく働き、その年、起業して初めて僕にとっては大きな黒字を計上することができた。
しかし、前の失敗の借金があったから、それを相殺すると残されたのは、たったの70万円ほどでしかなかった。
天狼院がオープンしたのは2013年9月26日だったが、2013年の5月には、実は僕は開業資金が100万円もなかったということだ。
最初から取次はトーハンさんにお願いしようと考えていたが、念のためにほかのとある取次さんにも行って、話を聞いてみた。
話は簡単だった。
「書店を開くためには50坪ほどでも初期投資として4500万円は必要です」
交渉の余地がない。苦笑するしかない。
とりあえず、銀行を口説くにも、あまりに元手が少なかったので、クラウドファンディングに挑戦してみることにした。
ところが、募集期限の95%以上の時間が過ぎようとしていた時点で、目標の100万円に対して、40万円しか集まっていなかった。
その時に起死回生とペンをとり、一本の記事を書いた。
それがこの記事だった。
《残り74時間》奇跡の大逆転に向けて皆様のお力を拝借したく、ひれ伏してお願い申し上げます。
今は達成後の記述になっているが、この時はタイトル通り、ひれ伏してのお願いの文面だった。
この記事によって、一気に応援が集まり、多くの方に支援して頂けるようになり、奇跡のサクセスが現実のものになった。
しかし、このクラウドファンディングの資金ともろもろすべての資金を合わせても、まだ200万円ほどでしかなかった。
書店を創るためには、まだまだ資金が足りなかった。
故郷にも呆れられ、見放されていたので、親戚に頼ることもできなかった。
銀行を口説くしか、方法は残されていなかった。
そのとき、僕が用意したのが、書籍一冊分にも相当する、80,000字にも及ぶ事業計画書だった。
そこに、僕が想い描く、天狼院という夢を書き連ねた。
それを読んだ、銀行の担当官は、冗談で言うんですが、と前置きした上で僕にこう言った。
「私がこの事業計画書を持ち逃げして起業したくなりました。できうる限り応援させて頂きます」
振り返ってみると、天狼院書店が生まれたこと自体が、奇跡だ。
客観的に見れば見るほど、再現性がない。
あまりに低い確率のところを、すべてすり抜けて来ている。
ただ、連続で宝くじに当たったようなことではないことは、わかってもらえたはずだ。
僕は、小説家を断念してからも、いや、断念してからの方が、命がけで書いてきたのだ。
知らず知らずのうちに、僕は人生という名のより大きな原稿用紙に、自分が思い描く物語を書き連ねていたのだ。
いつだって僕に奇跡の逆転をもたらしてきたのはペンだ。
書くことであらゆる窮地を切り抜けてきた。
これからもそうだろうと思う。
ゆえに、今日も僕はペンを磨く。
《1/18ライティング・ラボ》ライティング・スキルを人生で最 大限に活かす方法僕がどうやってライティング・スキルを活かしてきたのか 、次のライティング・ラボで解説したいと思います。12月に開催したライティング・ラボでお伝えした、あの 門外不出の秘伝の奥義は、マーケティングや恋愛、小説な ど、あらゆる場面で応用可能です。その方法をお伝えしたいと思います。すでに、事前予約で30名様以上のお申し込みを頂いてお ります。確実に受講されたい方は、お早めにお申込みくだ さい。なお、最初に「門外不出の秘伝の奥義」の復習をしますの で、初めての方も、ぜひ、参加ください。どうぞよろしくお願いします。 【概要】
日時:1月18日(日)
19:00〜21:00(18:30開場・受付開始)
定員:100名様
*定員になり次第、締め切らせて頂きます。
*前回の時、ご予約いただいた方はすでにお申込み受付完了しておりますが、こちらにも「参加」にして頂けますと 新しい情報を得やすくなります。
参加費:5,000円
*前回事前にお申込み頂いた方は4,500円で参加頂けます。
*年間パスポートをお持ちの方はこちらも無料で参加頂けます。
場所:アットビジネスセンター池袋駅前別館706号室http://abc-kaigishitsu.com/ ikebukuro/access.html
【お申込はFacebookページか問い合わせフォーム、もしくはお電話でもお受けします】
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