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チーム天狼院

まだ何も、成し遂げていませんでした。《スタッフ平野の備忘録》


記事:平野謙治(チーム天狼院)
 
「皆さま、お疲れ様でした!!」
 
店内に、鳴り響く拍手。ほっとした笑顔の先生を見て、たしかに僕はこう思った。
 
「やり切った」、と。
 
 
 
今年も、お盆がやってきた。一般企業の多くは、夏休みをとっているのだろうか。サービス業の僕にとっては、なんだかピンとこない。世間がお休みしている間は、むしろ頑張り時である。
 
それはコロナ渦にある2020年でも、例外ではない。たしかに、安全面への配慮から店舗でのイベントの開催は難しい。だけど天狼院には、通信講座がある。長期休暇を利用して、新しいことを学びたい。そんな思いを持った人たちのもとに、有益な講座を届けるために。今年のお盆も、連日朝早くからの出勤が続いた。
 
「おはようございます」
 
配信の準備が済んでしばらくすると、先輩スタッフであり、これから始まる通信講座の講師でもある、川代さんが来た。
 
「いよいよ、今日からですね」
 
カメラの画角を確認しながら、そんなことを口にした。そうだ。いよいよ今日から、「ライティング・ゼミ夏期集中コース」が始まる。通常4ヶ月の講座を、わずか9日間に濃縮した大変ハードなコースだ。
 
「今回も頑張ろう」
 
近年の天狼院では、長期休暇を利用してライティングの集中コースを開講するのが定番になっていた。ひとつ前は、GW期間。その前は、年末年始にやったっけ。
いずれも、講師は川代さん。司会進行は、僕が務めた。
 
開始時間の、10:00になった。僕が挨拶をして、いよいよ講義が始まる。通信限定での、開催だ。画面越しの受講生さんに熱を届かせようと、川代先生は大きなジェスチャーで講義を展開する。元受講生の僕も、「書き続けること」の重要性を一生懸命説く。そうして毎日、どんどん進行していって、気づけばもう……
 
「今日が最終日か!」
 
講義がラストとなる日曜日。わかりきった事実に僕も、川代さんも驚いていた。毎回そうだ。ハードな日程になる。そう思って身構えてみても、始まってしまえばあっという間。今回も気づけば、最終日になっていた。
 
 
 
「皆様、本当に、お疲れ様でした!!」
 
最後のワークを終え、大きな声で挨拶をする。画面越しの受講生さんへ、労いの気持ちを届かせるように、拍手を響かせる。
 
ああ。終わった!
無事に最終講まで、完走することができた!
 
どっと押し寄せる安心感と、達成感に、軽く酔いを覚えた。いやあ。やりきったなあ。今回の集中講座も、盛り上がってよかった。
最近の自分は休みもせずに、めちゃくちゃ頑張っているもんなあ。何かご褒美でも買ってやろうかな、なんて浮かれた気分で家路についた。
 
しかし翌朝。目を覚ますと同時に、思い直す。
ああ。どうして自分は……
 
「やり切った」だなんて、思ったのだろう。勘違いしてはいけない。たしかに、夏期集中コースの講義は終わった。だけどまだ、やるべきことは残っている。課題の提出はまだもう少し続く。認定試験を希望する受講生さんには、ご案内をしないと。
当然のことながら、仕事は講座に関することだけじゃない。まだまだたくさんある、「やるべきこと」を目の当たりにして、僕は静かに反省した。まるで自分が何かを、達成したかのような気分になっていたことに。
 
何かが終わった時はいつも、それだけでやり切った気持ちになってしまう。思えば、ライティング・ゼミを受講していた時もそうだった。
 
それは天狼院のスタッフになるよりも、もっと前の話。当時の僕はライティング・ゼミの受講生として、天狼院に通っていた。短期集中コースではなく、4ヶ月間の通常コース。週に一回の課題提出に、情熱をもって一生懸命取り組んでいた。
 
結果僕は、「ラスト4回中3回以上合格する」という大目標を、クリアすることができた。
あの頃はまるで、何かを成し遂げたような気持ちになっていた。満足してしまったのだ。
 
達成感を得ることを、否定するつもりはない。ただそこで、立ち止まってはいけない。
 
一度掲載されたからといって、大きなバズを生み出したからといって、「ライティング」は、そこで終わりではない。「書き続けること」だけが、プロへと近づいていく唯一の道であり、「書き続けること」だけが、僕らのライティング人生を好転させていく。
 
そうだ。忘れてはいけない。「ライティング・ゼミ」に、申し込んだ時の、あの気持ちを。
「文章で、食べていけるようになれたら」。そう思って、申し込みリンクをクリックしたんだ。そのためにはこれからも、歩み続けなければいけない。
 
ライティング・ゼミを、卒業して満足していてはいけない。だって俺はまだ、何者にもなれていないのだから。何も成し遂げていないのだから。天狼院のスタッフになって、戦い続ける先輩たちを目の当たりにして、そんな当たり前の事実に気付かされたんだ。
 
考えれば、すぐにわかる。仕事だってそう。忙しいお盆を乗り切った。「ライティング・ゼミ夏期集中コース」が盛り上がった。それはそれで、素晴らしいこと。
だけどそこで、満足していてはいけない。歩みを止めてはいけない。
 
僕らの使命は、「本の先にある体験」を届けること。
有益な情報を、最適な形で届けるために。お盆が終わろうが、走り続けねばならない。
 
これからだって、様々な講座を予定している。これだけでは足りないから、まだまだ新しいゼミをつくり続けなければ。既に7,700名が参加した大人気の「ライティング・ゼミ」だって、10月開講期から大幅リニューアルする予定だ。
 
僕らには、目指すべき場所がある。立ち止まっている暇などない。
これからまた、忙しくなるな。そんなことを思いながら、少しだけワクワクする自分がそこにはいた。
「やるべきことがたくさんある」というのは、幸せだ。退屈で誰の役にも立てないことに比べたら、どれだけ良いだろうか。
 
夏休みなんてない。友人からは心配されることもあるけど、「大丈夫」と僕は語気を強める。
 
そう、大丈夫。
「自分はまだ何も成し遂げていない」ということを、今の僕は知っているから。
 
これからも、走っていける。
 
 

◽︎平野謙治(チーム天狼院)
東京天狼院スタッフ。
1995年生まれ25歳。千葉県出身。
早稲田大学卒業後、広告会社に入社。2年目に退職し、2019年7月から天狼院スタッフに転身。
2019年2月開講のライティング・ゼミを受講。
青年の悩みや憂いを主題とし、16週間で15作品がメディアグランプリに掲載される。
同年6月から、 READING LIFE編集部ライターズ倶楽部所属。
初回投稿作品『退屈という毒に対する特効薬』で、週刊READING LIFEデビューを果たす。
メディアグランプリ33rd Season, 34th Season総合優勝。
『なんとなく大人になってしまった、何もない僕たちへ。』など、累計4作品でメディアグランプリ週間1位を獲得。

 
 

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