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3日坊主の私が毎朝の玄関掃除にハマった理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:久保田真凡(ライティング・ゼミ 平日コース)
 
毎朝午前5時。私の1日は玄関掃除から始まる。
 
かれこれ1年くらい前になるだろうか。小さな子どもを持つ私は、自分の時間を確保するために、早起きすることを目標にした。
自分の時間というのは誰にも邪魔されない時間だ。家族はもちろん、インターホンも鳴らない、車の音も、鳩の鳴き声も聞こえない、日常から解放された私だけの時間。
元々朝は得意だったので、早起きはそんなに難しいことではなかった。しかし、早起きをして何をするかまで決めなかったのが問題だった。
朝5時に起きて、なんとなくリビングに行き、ソファーの上で静かな時間を噛みしめるうちに、気がつくとまた夢の中。そんな日々が続いた。これではいかんと、何か目的を持って早起きしようとした結果、今の玄関掃除にたどり着いたのだ。
 
しかし、今の玄関掃除に辿りつくまでに、私はいろいろと難航した。
最初は、当時夜にしていた洗濯を朝にすることから始まった。が、日常過ぎた。汗っかきの幼児2人と生活する私が、1日でも洗濯をしないということは、ほとんど無い。そういう意味で、どのみちやる家事が、ただ朝になっただけというのは、あまり特別感が無かった。
加えて、洗濯機を回す時間と、洗濯物を干す時間の間に何をして過ごすかというところで結局問題は振りだしになった。
 
次に、私はトイレ掃除を毎朝の日課にすることにした。水回りを常に清潔にしておくことは、運気上昇にもつながるという。トイレトレーニング中の小さな子供もいるので、気になった時に都度していた掃除を、朝にしようと思った。朝起きてトイレに行ったついでに出来るので、これは効率が良い。そう思っていた。
しかし、これも続かなかった。我が家で最初に起きるのは私である。私が朝起きてトイレ掃除をした後に、夫と子供がトイレに続く。それがなんとなく、しっくり来なかった。掃除した側から汚れていく……それを受け入れることが出来なかった。
結局、朝に掃除したとて、それまでの気になった時の掃除の回数が減るわけではなく、トイレはいつも清潔に保たれたが、ビフォーアフターにそこまで変化を見いだせなかったため、途中で挫折した。
 
そこから私は、少し思考を変えて、家事から趣味・運動の類に気持ちを向けた。最初に手を出したのは読書だった。そのあと、ヨガ、ランニング、と試したが、どれとして元々やっていたことではなかったので、案の定続かなかった。
本は途中で読む気力を失い、ヨガとランニングは運動できる格好に着替えるのにヨイショが必要だった。そして中途半端に中断されるそれに対し、「こんな結果なら家事の1つでも済ませば良かった」と思うようになった。
そんな私ではあったが、なぜかひょんなきっかけで始めた玄関掃除は今でも継続できている。
なぜ玄関掃除がこんなにハマったのか。それにはいくつか理由があった。
 
1つ目は、目的を達成するための最初のステップが小さく、脳を使わないということだ。玄関掃除の最初のステップは、玄関に向かい、サンダルに足を入れるだけだ。ランニングの時のように着替えを必要としない分、随分とハードルが低い。「何を着ようかなぁ~」なんて頭を使うこともない。いつものサンダルにただ足を入れるだけ。それだけで、次のステップに進むことができるというのが良かった。
 
2つ目は、玄関掃除が分かりやすい行動ということだった。これは、自分を知るということでもある。
私は地味な作業が苦手だ。進んでいるのか、進んでいないのか、よくわからない地味な作業。トイレ掃除は地味だった。いつもきれいなトイレを、きれいに保つために掃除するのは、きっときれいになっているのだろうけれど、あまりその実感はわかなかった。
その点、玄関掃除は分かりやすかった。というのも、私は祖母の影響で玄関掃除をするときは、今だに濡れ新聞を散りばめて、それを箒で掃いている。時に紅茶の出がらしを使うこともある。それらが、小さな塵やほこりを集めてくれるわけだが、掃けば掃くほど玄関先に向かって、新聞や出がらしが集まっていくのは見ていて気持ちのいいものだった。自分で撒いたものではあるが、明らかに集まっていくその様が分かりやすかったのだ。
 
3つ目は、そうやって達成した後に私は「快」の感情を随所で得ることが出来た。これが非常にクセになった。玄関先で朝から外の空気を吸うことができる気持ちよさ。掃除を終えたあとの、軽い運動をしたかのような、爽快感。仕事から帰宅した時に、玄関の扉を開けた時の整った状態は、疲れた体を迎え入れるのに、気持ちを整えてくれた。
 
こうして私は玄関掃除を毎日の習慣として、定着させることが出来た。おそらくどれとして欠けていたら、今日まで続けることは出来なかったと思う。
 
イチロー選手がバッターボックスに入ってからとる一連の仕草や、ラグビーの五郎丸選手がキックの前にするポーズのように、その人なりのルーティンは、心を整え、集中力を高める効果があるという。
現に毎朝の玄関掃除は、私の心を整える術となっている。何かいいことがあると、「あ、毎朝の玄関掃除のおかげかな」と思えるし、玄関掃除をしている時にフォーカスすると、それをやっている自分を肯定的に受け止めることが出来る。その心のゆとりが、日々の生活に好循環をもたらしているとさえ思えるようになった。
 
これまで習慣化出来ず、3日坊主で終わっていたことも、もう一度3つのポイントを押さえて、再度取り組めば定着させることができるかもしれない。そんな希望さえ見出してくれた朝の玄関掃除。
明日も私は玄関を掃く。
 
 
 
 
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2019-09-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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