メディアグランプリ

ぎっくり腰で発動した自己改善プログラム


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:飯田雅主(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「……やばい、やってしまった」
何年ぶりかに、派手なぎっくり腰をやってしまい、僕はその場にうずくまってしまった。
腰に激痛が走る。
「何で、こんなことに……」
痛みと同時に、ぎっくり腰を引き起こしてしまった体勢をとったことを瞬時に後悔した。
激しい痛の中、もう一人の自分が「体勢のせいじゃないだろう」と冷静に語りかけてくる。
「飯田さん、準備出来ましたか?」カーテンの外から声が聞こえた。
ここは腕のいいマッサージ屋さんの治療室なのだ。情けない気持ちと、それでも正直に伝えないとお店に迷惑がかかるという思いで「すみません、着替えている途中にぎっくり腰やっちゃいました」と返事をした。
腰の張りが気になり、施術を受けに来ていたのだ。
仕事が、山のように押し寄せ、座っている時間が長く、運動不足。
冷静な心の声が、「着替える体勢のせいじゃない」と語りかけて来たのは、日頃からの運動不足をよく知っているからだ。
「あら、大丈夫ですか。とにかく横になれます?」
いつも施術してくれる、この治療院のオーナーの女性が、この突然の事態にも落ち着いて、対処してくれた。
結局、この日は治療を受けずに、治療台の上で痛みが引くのを待つことになった。
2時間30分、うつぶせのまま。動きたくても、動けない。
ジンジン、ズキ! という痛みが、定期的に押し寄せてきて、うめき声が出てしまう。
痛みと痛みの間、運動不足をほったらかしていた自分自身に、心の声が語りかける。
「だから言っただろ」と。
忙しさにかまけて、運動や食事をないがしろにしていることに、内心、うすうす気づいていた。それでも、「仕事が忙しいから」と、すべてを後回しにしてきたのは、まぎれもない自分だ。
44歳になって、こんな痛みに打ちのめされるとは……、という悲しみと共に、ひとつのある思いが強烈に湧きおこって来た。
「もう、これを最後にしたい」
そう。気づいているんだから、日常の営みに、運動や食事のことも配慮して、健全な身体と心を維持することで、こんな痛みは、これで人生最後にしよう。
治療台にうずくまりながら、僕はそう誓った。
治療院のオーナーさんは、親切にも、近所のコインパーキングまで、車を取りに行ってくれた。立ち上がるのに30分。着替えたままのトレーナー姿で、ゆっくり移動し、車に乗り込む。ここから事務所まで車で5分。とにかく安全第一で、集中して運転し、事務所に無事辿り着いた。
そのまま事務所に3日間、泊まり込み、うずくまりながら仕事をこなした。どうしても休めない案件を抱えていたからだ。
痛みが和らいでくると、早速、自分改善プログラムをスタートさせた。
まず、見直したのは食事だ。
深夜まで仕事をすることが多く、夜食をよく食べていたが、夜食と間食の類は、すべてやめることにした。昼食をメインに、夕方は軽めに。野菜を多めに、たんぱく質もしっかりと摂るようにと、栄養バランスも整えた。
デスクワークが中心なので、摂取カロリーも、運動の少ない40歳台の基礎代謝約1500(キロカロリー/日)を超えないようにする。
ダイエットとまではいかないけれど、要するに「消費する以上に食べるから太るのだ」という単純な発想で、「消費力以内のカロリーを摂って、結果的に痩せる」という戦術に出た。
もうひとつ、気をつけたことは「燃焼しやすい身体をつくる」ことだ。
脂肪を燃焼させる。
これをテーマに、いろんなことを調べた。今は会社勤めをしているが、以前は、病院でリハビリを担当する理学療法士をしていたこともあり、当時の知識をフル稼働しながら、患者さんのために考えて来たプログラムを、今回は自分自身のために考えた。
リハビリは、よく耳にする言葉だが、語源はラテン語の【rehabilitare】だ。【再び(re)人間らしい状態にする(habilitare)】が本来の意味だ。一度無くしたものを、再び取り戻す。再び、あなたらしい人生を謳歌できるように。そんな「再獲得」という意味も含まれている。
自分改善プログラムを実施して3ヶ月目で、ずいぶんと身体に変化が生じてきた。体重は6キロ減。体脂肪率も3%減少した。
ただ、食事制限だけでは、体重は落ちても、筋肉も落ちる。
ただ痩せるだけでは、根本的な健康体にはならないことを体感したので、4か月目からは、腰の調子も戻って来たこともあり、寝る前と朝起きた時に、ストレッチを念入りに行い、簡単な運動も始めた。
天候に左右されるのが嫌で、5か月目からジムにも通い始めた。
ジムでは、筋トレで40分汗を流した後、マシンで40分歩いたり走ったり。
無酸素運動と有酸素運動を組み合わせて、「筋力をつけながら、全身の脂肪を燃やす」というメニューを組み立てた。
自己改善プログラムを実施して現在6か月目。体重は当初から12キロ減、体脂肪率も6%落ちた。お腹も割れ始めている。
誰でも脂肪が落ちれば、もともと腹筋は割れているものなのだが、やっぱりお腹が割れてくると嬉しいものだ。
これから半年後、体重をあと4キロ減の62キロでキープし、体脂肪率15%の身体にしたいと思っている。(15%だと、ずいぶん引き締まってるはずだ。最終目標は12%)
運動を取り入れたことで、仕事とレーニングの双方に、メリハリがついて、効率も上がった。
ぎっくり腰を好機に、この先、心と身体の両方に配慮して、健康体で人生を謳歌したい。
みなさんも、もし怪我や病気をしてしまったら、最初は落ち込むかもしれないけれど、それをきっかけにオーダーメイドの自己改善プログラムを発動するチャンスに変えて、かけがえのない人生を謳歌する人が増えてほしいと願っている。
 
 
 
 
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2019-12-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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