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いいことばっかり呟いてろ!


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記事:久保田 真凡(スピード・ライティングゼミ)
 
 
「最後1対1になるのは嫌だなと……」
 
正月番組「VS嵐」の中の「BABA嵐」で、役者の沢村一樹さんが言った。
 
因みに「BABA嵐」は4人の芸能人がババ抜きをし、リーグ戦を勝ち抜いた(ここでは負けた)者が最終戦に挑み、最弱王を決めるというコーナーである。番組の中で木村拓哉さん含む4名とババ抜きをした沢村さんは、木村さんと対戦することについてそうコメントした。
 
結果どうなったかというと、彼が言うとおり、木村さんと一騎打ちをすることになった。
 
彼は木村さんについて、こんなことも言った。
「1対1になった時のハートの強さがすごいんです、ヒキの強さというか・・・・・・」
彼は木村さんと1対1になった時には、そのヒキの強さに自分が押されて負けるんじゃないかとおそらく心配していたのだと思う。
 
結果どうなったかというと、彼が言うとおり、彼は木村さんに負けた。
彼はこれらのコメントをする時に「もしなんかの運が悪くて・・・・・・」と言ったが、私は運でもなんでもなく、彼がこの現実を招いたと思っている。
 
この番組中には、誰かの発言が現実を招いたことが他にもあった。
ジャニーズ、役者、芸人などがプレイヤーとして参戦する中、リーグ戦で最下位になるのは役者ばかり。
「この流れだと、最終戦は役者同士の戦いになりそうだから・・・・・・」
記憶が定かではないが、確か誰かがそんなようなことを言って、その結果、最終戦は役者が出そろった。この発言を聞いたことによって、そんな状況が「あり得る」と思ったプレーヤーたちによっておそらくこの現実は招かれたと思っている。
 
そんな視点で見ると、今年の「BABA嵐」は個人的にはとても興味深いものだった。
 
自分が言ったとおりになる。そんなことは日常にたくさんある。
例えば、私の娘はもうすぐ6歳を迎える。毎日の保育園生活のおかげで、いつの間にか自分で身の回りのこともできるようになった。そんな彼女のことで私が頭を悩ましていることのうちに、洋服の問題がある。
娘は服を着替える時、首の後ろのタグや、タイツのフィット感、靴下の大きさや長さが自分の思うところに嵌らなかった時、一切それを着ない。サイズ感がイマイチな服は袖を通さなくなるというやつだ。大人でもよくあることであるが、娘はその許容範囲が狭い。誰から見て狭いかというと、母である私だ。それに加えて、たまたま私はO型、娘はA型であった。そんないくつかの要素を理由に、私は娘に「神経質」というキャラクターをつけてしまった。
 
悪いループの始まりだった。
 
私は娘の服を選ぶ時に、娘は神経質だからこんな素材の服はゴワついて文句を言うだろう、こんな袖は食事をする時に邪魔だろう、このサイズじゃ結局着ないで終わりになるだろうと、いろんな展開を危惧し、自分でその範囲を狭めていった。そしてそれを娘にも共有した。
結果どうなったかと言うと、私の思いは娘の思いになり、娘の許容範囲はさらに狭くなった。よく言えば「こだわりが強くなった」のだが、そのこだわりが私と娘を苦しめていることに違いはない。
そして悲しいのは、実際は私たち親子がそう思っているだけで、実は案外そうでもなかったりすることもあるのだ。たまにある「あれ? このパターンは大丈夫なのね……」という発見に、こちらが勝手に思いこんでいることに気付かされる。
 
「思うは招く」という言葉がある。
町工場の宇宙開発事業で有名になった植松努さんの言葉だ。彼のブログによると、これは彼の母親の言葉だったという。簡単に言うと、“「思う」という行為が、状態を「招く」。いいことを思えば、いいことが。悪いことを思えば、悪いことが。”ということである。
 
私の悪い思いは、娘に伝染し悪い状態を招いた。けれど、その実際はまた別のところにあって、私と娘は自分の思いに作用されている。
 
これはアドラー心理学の色眼鏡の話である。人間は多かれ少なかれ、自分の主観を通してしか物事を認識できないという。目の前にある事象は自分が見たいと思うようにしか見えないし、解釈できない。
だから不安に思ったり、失敗を恐れたりすれば、およそ物事は上手く転じない。逆に、上手くいくと信じたり、楽しみながら挑んだりすれば、おそらく来るべきタイミングに物事は上手く回り始める。成功も失敗も肯定的に捉えることができるのだろう。
周りに起きる偶発的な要素の積み重ねよりも、自分の中にあるものが目の前にある事象に与える影響は大きいと思う。
 
おそらくこれは仕事にも、子育てにも、恋愛にも何事においても通じると、私は思っている。
 
こんな言葉もある。「自分が想像しうる範囲のことは、およそ現実にできる」夢のような話も、より解像度を高く想像することができれば、現実にできる可能性は十分にあるということだ。
 
詰まるところ、みんな言っていることは一緒で、いいことばっかり呟いていればいいのである。自分の子どもの良いところをどんどん外に言っていく。ちょっと自分には大きいかなと思うような夢を堂々と人の前で語ってみる。そんな事の積み重ねで、おそらく周りの人はその思いを共有して、時に「あれってどうなったの?」とリマインドしてくれ、いつしか「BABA嵐」の沢村さんのように、自分の言ったことが実際に起こるのである。
 
口に出すのはタダだ。是非今日から試したい。
 
 
 
 
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2020-01-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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